Indeed(インディード)は、求人検索サイトであり、多くの求職者が利用する人気のあるプラットフォームです。
しかし、中には怪しい求人が紛れ込むこともあります。その理由は、indeedがあくまでも求人検索サイトであるため、無料で求人を掲載できることや、求人掲載の審査が緩いことが挙げられます。
この記事では、indeedに掲載される怪しい求人の例や見分けるポイントについて紹介します。万が一、怪しい求人を見つけた場合はどのような対処法があるのかもご紹介します。
indeed(インディード)とは
indeed(インディード)は、アメリカ発祥で世界60ヶ国以上に展開、28言語に対応し、毎月2億5000万人ものユニークビジター数を記録している、世界最大級の求人検索サイトです。
indeedを求人サイトと思っている方が多いかもしれませんが、あくまでも「求人検索サイト」です。indeedへ直接求人掲載も可能ですが、基本的に直接掲載の求人に企業サイトや他の求人サイトの求人を加えた中から、希望条件を設定して検索ができるシステムとなっています。
他サイトの求人も含まれるので多数の求人を見つけられる一方で、indeed経由で応募した求人でトラブルが発生した、怪しい求人を発見したなどの問題も起こっています。
もちろん、信頼性が高い企業の求人も多く見つかるサイトではありますが、残念ながらindeedで検索できる求人すべてが安全ではなく、悪質な求人も紛れ込んでいるのが実情です。
indeed(インディード)に怪しい求人が紛れ込む理由
インターネット上には多数の求人サイトがありますが、多くの場合は求人掲載前にきちんと審査を行い、怪しい求人はふるい落とされています。では、なぜindeedには怪しい求人が存在しているのでしょうか。
indeedに危ない求人が紛れ込む理由を以下で解説します。
あくまでも「求人検索サイト」だから
indeedは求人サイトではなく、あくまでも求人検索サイトです。直接indeedに求人を掲載することも可能ですが、他サイトの求人も併せて掲載されています。
indeed経由の応募であっても、各企業の求人ページや他の求人サイトへリンクされていることも多く、検索してヒットする求人の管理すべてをindeedが行っているわけではありません。
このような理由により、indeedに怪しい求人が紛れ込みやすくなっているのです。
無料で求人を掲載できるから
一般的な求人サイトの場合、求人を掲載するには費用がかかります。
indeedでは有料掲載にも対応しているものの、基本的に無料で求人を掲載できます。
求人掲載に費用がかからないため、別企業名で同内容の求人を複数出したり、詐欺的な危ない求人を出しやすい環境なのです。
近い例として、ハローワークも求人の掲載は無料です。
しかもハローワークの場合は雇用すると助成金までもらえるので、人材の採用にお金をかけたくない企業の求人が集まりやすい傾向があります。
無料で求人を掲載できる裏側の意図を知ると、危ない求人があるのも納得でしょう。
求人掲載の審査が緩いから
indeedへ直接求人を掲載する際、求人内容の審査が行われます。indeedの審査は以前より厳格化されており、求人掲載後も定期的に審査を行いガイドライン違反と判断された求人は非表示となるよう、indeed側でも悪質な求人への対応を行っています。
しかし、依然としてindeedの審査は他の求人サイトより緩いと言われています。
自社サイトや事業者番号さえあれば審査が通るといわれるほどなので、結果的に怪しい求人もいまだ存在しています。
膨大な数の企業が求人を掲載していることもあり、掲載後のチェックも十分に行き届いていないと考えられます。

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indeed(インディード)に掲載されている怪しい求人例
indeedに掲載されている怪しい求人は、注意してチェックしていれば見分けられることが可能です。
そこで、indeedで見つかる可能性がある怪しい求人の例や特徴を以下で解説します。
募集内容が異常に好条件な求人
他の同業界の職種と比べて、明らかに好条件の求人には注意が必要です。
なぜなら、掲載内容と実情が異なるブラック求人の可能性が高いからです。
好条件の求人に応募し、採用されて働き始めてみると明らかに求人内容と条件が異なるという、いわゆる「ブラック求人」は、一般的な同内容の職種でも募集時に異常に給与が高かったり、待遇が良すぎたりする求人です。
ただしブラック求人が掲載されているのはindeedに限らず、他の求人サイトでも見つかる可能性があります。
カラ求人
カラ求人とは、実際には求人募集をしていないのにもかかわらず、募集を続けている求人を指します。
indeedは企業サイトの求人募集ページも引き込んでいるため、indeed上で募集中となっていても、リンク先の企業サイトではすでに募集が終了していることもあります。
この場合はカラ求人ではないため応募には至らないですが、その他の目的であえてカラ求人を掲載している場合もあるのです。
例えば、採用する気はないけれど良い人材が応募した時のために募集を残している、無料で掲載できるので会社の宣伝目的で掲載を続けている、助成金を目的としてトライアル求人を掲載しているケースは、明らかなカラ求人です。
このようなカラ求人は求人内容だけでは判別できないため、応募してしまうことも少なくありません。
詐欺的な求人
詐欺的な求人は、関わることで自分自身に被害が及んだり、犯罪につながる可能性があったりするため注意しましょう。
本来、求人サイトでは掲載前に審査が行われるため、詐欺的な求人は排除されます。しかし、indeedでは審査をすり抜けて詐欺的な求人が掲載されることがあります。
応募者の個人情報や口座情報を引き抜いたり、金銭を要求したりする目的の危ない求人が、indeedに紛れ込んでいる可能性があり、一見普通の職種でも詐欺的求人が存在しています。
特に2023年から問題となっている、高齢者をターゲットに金銭を搾取する特殊詐欺グループの闇バイトも、indeedをはじめとした大手求人サイトに求人を掲載して募集していたことも明らかになっています。
少しでも怪しい職種や業務内容の求人があった場合は、要注意です。
indeed(インディード)の怪しい求人を見分けるポイント
普段、あまりインターネットで求人検索をしていない方、indeedの利用に慣れていない方は、掲載されている求人が怪しいかどうか、一見しただけでは判別できないかもしれません。
少しでも怪しい内容と感じた場合は応募しないのが無難ですが、その他にも求人検索をするときは以下に挙げるポイントを参考にしてみましょう。
企業情報や求人内容が曖昧
求人を掲載する際、企業は情報や募集する職種の内容など、詳細に提示するものです。しかし、詳細がなく曖昧な表現のみという求人も存在します。
特に条件が設けられていない、抽象的な表現が多い、「やる気」があれば歓迎などの緩い条件の求人は、誰でもいいから人を集めて働かせたいブラック求人の可能性もあります。
詳しい内容がない求人の中には、実際に募集している職種が存在ないというケースもあるため、注意が必要です。
加えて、掲載企業や担当者の情報が不明な求人も、存在しない企業の求人や詐欺目的の可能性もあるため要注意です。
給料や待遇が良すぎる
転職先を探す際、給料や待遇アップを期待する方は多いでしょう。
しかし、一般的な同業種・同職種の年間休日日数、残業時間、年収と比較すると提示されている給料が高すぎる、待遇が良すぎる求人は怪しいといえます。
勤務時間や勤務日数が短いにもかかわらず高収入を提示している不自然に条件が良すぎる求人は、個人情報の収集や金銭要求が目的というケースもあるからです。
その他にも、高額な料金を要求する在宅ワーク詐欺も最初は高収入で誘い込むことがあるので、あまりにも良すぎる条件には注意しましょう。
すぐに採用が決まる
通常、求人を募集する企業は応募者から送付された応募書類の選考は1回~複数回面接を行い、採用者を決定します。
採用までにある程度時間をかけて選考を行うので、採用までの間に応募先企業の採用担当者と話をする機会もあるはずです。
最低限の採用フローがないまま採用に至る求人は、誰でもいいから人を集めたいブラック企業や個人情報の収集目的という可能性があるため、避けるべきです。
できるだけ早く仕事を見つけたいとしても、面接なし、採用担当者と話やメッセージのやり取りをする機会もないまま、書類選考のみで採用となる企業は怪しいと判断できるでしょう。
働くために費用を請求される
転職をするには、面接へ赴く際の交通費や履歴書に必要な証明写真などの費用、面接用のスーツなどにお金がかかるものですが、面接先の企業へお金を支払うことは一般的にあり得ません。
しかし、怪しい求人の場合は面接前にテストや研修費用の支払いが必要と費用を請求してくることがあります。
正規の求人では、面接や選考に際して求職者が金銭を支払う必要はありません。選考時に何らかの金銭を要求された場合は怪しい求人と判断して、選考を辞退することをおすすめします。
採用前に個人情報などの提出を求められる
企業への採用が決定すると入社手続きが行われ、その際に税務書類や給与振込のための口座情報などの個人情報を提出します。
しかし、怪しい求人では採用前にこれらの個人情報や機密情報が記載された書類の提出を求められることがあります。一般的な企業では、採用前にこのような情報の提出は求められません。
そのため、税務書類や口座情報のほか、運転免許証やマイナンバー、住民票など個人を特定できる情報の提出を採用前に求めてくる企業は、怪しいといえます。

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indeed(インディード)で怪しい求人を見つけた際の対処法
indeedでは、怪しい求人を見つけた場合や企業とのやり取りで怪しいと感じた場合に報告が可能です。
詐欺的求人や虚偽の求人のほか、採用目的ではない広告的な内容の求人などを発見したときは、その求人の最下部に表示されている「問題を報告する」をクリックし、問題の内容を報告しましょう。
もし怪しい求人に応募してしまい、相手企業とやり取りをする中で詐欺や掲載内容に反する回答などがあった場合も、indeed上のメッセージ機能から報告できます。
該当の企業とのやり取りをしたメッセージを表示し、右上に表示されている縦三点リーダー(︙)をクリックして「報告する」を選択すると、indeedへ報告できます。
怪しい求人を避けるためには
indeedは他の一般的な求人サイトとは異なる求人検索サイトであること、取り扱う求人数が他サイトより多く、求人掲載時の審査も比較的緩いなどの理由から、怪しい求人が見つかることがあります。
indeed側でも対応はしているものの、それでも詐欺的な求人や犯罪にかかわるような危険な求人まで掲載されていたことがあるため、indeedを利用するにはある程度の自衛は必要です。
そこで、怪しい求人を避けるためのポイントを3つ紹介します。
募集企業の情報をチェック
希望に合った求人が見つかると、すぐに応募してしまうことはないでしょうか。
ですが、もしその求人が詐欺や個人情報収集目的であった場合、自分自身に被害が及んでしまいます。
条件が良い求人であれば特に、応募する前にその企業の情報をインターネットで検索してチェックしてみましょう。企業によっては、勤務経験がある人の口コミや評判を確認できることもあります。
求人を募集している企業の名前で検索してもまったくヒットしない場合は怪しい求人の可能性が高まります。実在しない企業の可能性もあるため、応募しない方がいいでしょう。
検索結果に、募集企業に関する警告や被害が見つかった場合も同様に、トラブルを未然に防ぐためにも応募を避けるべきです。
少しでも違和感を感じたら応募は辞退する
求人内容に問題を感じなかったとしても、応募後のやり取りで違和感を感じることもあり得ます。採用担当者は、企業を代表して求職者とのやり取りを行う存在です。
その採用担当者からのメッセージの文章が不自然だったり誤字脱字が多かったりする場合は、企業できちんと教育が行われていないと考えられます。
面接をしてみて、初めて違和感を感じることもあるでしょう。採用担当者がどう見ても慣れていない、採用する気があるのかわからない態度や対応を感じる企業は、カラ求人を出している可能性もあります。
このように、応募に企業と直接やり取りをする中で違和感を感じる場面がある場合は、応募を辞退するべきでしょう。
転職エージェントを利用する
転職サイトは自分で応募する求人を選べるメリットがありますが、一方で怪しい求人ではないかは自分で精査しなければいけません。

転職エージェントが怪しい求人を紹介してしまうと信頼問題に関わるため、基本的に安全な求人しか取引をしていません。
また、エージェントに求人を紹介されるからこそ、自分では見つけられなかった思わぬ出会いがあることもあります。
indeedで求人を探すのに疲れてしまった方はぜひ、一度転職エージェントに相談して求人を紹介してもらうのが良いでしょう。