初任給を受け取ったとき「思っていたより少ない」と感じたことはありませんか。求人票に書かれていた金額と、実際に振り込まれた金額が違う理由は、給料に「額面」と「手取り」という2つの考え方があるからです。
さらに、所得税や住民税、社会保険料などが差し引かれることで、手元に残る金額は想像以上に少なくなります。この仕組みを理解していないと、生活設計や貯金計画にも影響が出てしまいます。
本記事では、手取りの意味や年収との違い、給与から引かれる税金・社会保険の内訳までを初心者向けにわかりやすく解説します。
手取りとは?初任給から引かれるものは
手取りとは、実際に手にすることが出来る金額を意味します。
もう少し詳しく説明すると額面給料から所得税や住民税などの税金、健康保険や厚生年金などの社会保険料を差し引いた金額になります。給与口座に振り込まれる金額は、手取りの金額になります。
額面とは、基本給に残業代や交通費、各種手当を加えたもので、求人広告で使われている給料や月給とはこちらの事を指す場合が多いです。
正社員やアルバイト・パートなど雇用形態に関係なく額面通りの金額が振り込まれることはありえません。
社会保険料とは?給料から引かれる内訳と仕組み
会社で払う社会保険には4種類あり、健康保険、介護保険、厚生年金、雇用保険、と分かれています。社会保険料は会社がまとめて払い、半額を自分が負担し、半額は会社が負担してくれるのです。
1.健康保険
勤める会社が大企業や企業グループであれば組合管掌健康保険に、中小企業であれば協会けんぽ、公務員であれば共済組合などの健康保険に入ることになります。健康保険に入ることで、保険証がもらえ、病院で保険証が使えるようになるのです。
2.介護保険
40歳以上になると、自動的に介護保険の被保険者となり、保険料が加わります。
3.厚生年金保険
公的年金に加入し、被保険者になります。厚生年金に加入すると、国民年金も加入していることになり、将来年金を受け取るときに、国民年金の分に加えて厚生年金の分ももらうことができます。
4.雇用保険
失業保険とも呼ばれ、何らかの理由で働けなくなったときに、再就職するまでの一定期間、お金を受け取ることができる保険です。雇用保険は4月から加入になるので、初任給から引かれますが、健康保険と厚生年金保険は4月分が5月の給料から引かれます。
給料から引かれる税金とは?所得税・住民税の仕組み
給料から引かれる税金は、所得税と住民税の2種類です。
1.所得税
所得税は所得金額によって5~40%の範囲で決まり、6段階に分かれています。所得が多いほど税率が上がっていき、所得金額330万円~695万円以下では20%となっています。
源泉徴収はあらかじめ予想される税金を納めていく方法で支払いますが、1年間の収入が決まると正式な税金の金額が計算されて、その後多く払っていた場合は返金されます。
国税庁:https://www.nta.go.jp/renewal.htm
2.住民税
住民税は、前年の所得に対して計算され、翌年の6月から支払います。前年の所得ということになるので、新入社員にはかかりません。2年目の6月から住民税を払うことになります。
つまり、初任給から所得税は引かれますが、住民税は引かれません。そのため2年目に昇給したとしても、1年目より手取りが少なくなる場合が多いです。
給料から引かれるその他の費用|労働組合費など
会社が労働組合と協定を結んでいるときは、労働組合費として、毎月給料から引かれます。
企業によっては、労働組合費が何に使われているか、ホームページ上などで公表していることもありますが、活動費や広報、積立金として使われているようです。
2008年(平成20年)におこなわれた日本政府の労働組合実態調査によると、労働組合費の相場はおよそ1000円から6000円でした。最も多いのが4,000円~5,000円未満の労働組合費で、全体のうち17,7%を占めました。
手取りの計算方法|額面からいくら引かれる?
手取りは「額面の約75〜85%」が目安
手取りは額面のすべてがもらえるわけではなく、おおよそ75〜85%程度に収まるケースが一般的です。残りの15〜25%は、税金や社会保険料として差し引かれます。
具体的には、額面給与から以下のような項目が引かれます。
所得税
住民税(2年目以降)
健康保険
厚生年金
雇用保険
たとえば月給25万円の場合、手取りはおよそ20万円前後になることが多いです。ここに残業代や各種手当が加わると多少上下しますが、「思っているより少ない」と感じる人が多いのはこのためです。
なお、住民税は入社2年目から引かれるため、同じ額面でも2年目以降はさらに手取りが減る点にも注意が必要です。
手取りはいくら?年収別の目安とシミュレーション
年収の約7〜8割が手取りになる
年収ベースで見ても、手取りは額面より大きく下がります。目安としては、年収の7〜8割程度が実際に使える金額です。
以下は一般的な目安です。
- 年収300万円 → 手取り約240万円前後(月20万円前後)
- 年収400万円 → 手取り約310万円前後(月26万円前後)
- 年収500万円 → 手取り約380万円前後(月31万円前後)
※地域や扶養状況、会社の制度によって変動します
このように、年収が上がるほど税率も上がるため、「年収が100万円増えた=手取りもそのまま100万円増える」わけではありません。
そのため、転職や昇給を考える際は、額面ではなく「手取りベースでどれくらい増えるのか」を意識することが重要です。
手取りが少ないと感じる理由とは?初任給で驚く原因
原因は「額面=もらえる金額」と思い込んでいること
初任給で「思っていたより少ない」と感じる最大の理由は、求人票に書かれている額面=そのまま振り込まれる金額だと勘違いしていることです。
実際には、そこから税金や社会保険料が引かれるため、手元に残る金額は大きく変わります。特に社会人1年目はこの仕組みを知らない人が多く、最初の給与でギャップを感じやすいポイントです。
さらに注意したいのが、2年目以降です。1年目は住民税がかからないため手取りが多く見えますが、2年目の6月以降は住民税の支払いが始まり、同じ給料でも手取りが減るケースがほとんどです。
また、健康保険や年金といった社会保険料も決して小さな金額ではありません。「引かれすぎ」と感じる人も多いですが、将来の医療費や年金、失業時の保障に充てられるお金でもあります。
この仕組みを理解していないと「給料が少ない」と感じる原因になりますが、あらかじめ把握しておけば、生活設計や貯金計画も立てやすくなります。
まとめ|手取りの仕組みと重要ポイント
手取りの仕組みは一見すると複雑ですが「何がどれだけ引かれているのか」を理解するだけで、お金の見え方は大きく変わります。
特に社会人1年目のうちは、額面だけで判断してしまい、想定より生活が苦しくなるケースも少なくありません。
また、社会人2年目以降は住民税の支払いが始まり、手取りが減るタイミングもあります。こうした変化を知らずにいると、「昇給したのにお金が増えない」と感じてしまう原因にもなります。
だからこそ、早い段階で手取りの考え方を理解し、無理のない生活設計をすることが重要です。給与の仕組みを正しく把握したうえで、貯金や将来のライフプランに活かしていきましょう。

























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