有料求人広告を使わずに自社で採用を成功させるぞ!となった時に、最初に検討が始まるのが採用ホームページです。ホームページを外注したことがない他部署の人からは「お金を払えばやってくれるんでしょ?簡単じゃない」と思われがちですが、担当したことがある人は二度とやりたくないというコメントがでてくることもある難しい仕事でもあります。
さらっと終わって、しかも結果も出たのであれば、それは「良い業者との良縁にめぐまれた」もしくは「あなたの準備と判断力が完ぺきだった」ということです。採用ホームページを効果のあるサイトにするために発注にあたってのポイントをまとめました。
目次
その1:目的をしっかりと定める
採用ホームページといっても、目的などは企業によって様々です。小さな求人メディアのようなものから、デザイン性を重視したブランディング的なものまで多種多様です。それらがまとめられて採用サイトと呼ばれるため、大きな認識のずれが生じやすくなります。
目的が採用の量なのか、質なのか、一番やってはいけないのがすべてを求めることです。人材の質を求めれば、応募者数が減ります。応募者数を確保しに行くと、応募者全員の質を求めることは難しくなります。
派遣会社などのように、求人数が大量にあるのか、少量だけなのか。採用サイトの目的と、自分の好みを切り離さずにプロジェクトを進めることです。なんとなくあったほうがいいと思っているコンテンツや機能は、目的から考えて本当に必要なものなのかを徹底的に考え抜きましょう。目的が明確になっていると、安く、いいものをつくるための判断ができるようになります。
その2:運用面の想定情報をはっきりさせる(更新頻度、内容、担当者、ワークフロー等)
ホームページ制作を考えているときは、ついつい立ち上げのことに目がいきがちですが、重要なのはスタートした後です。運用が大変で業務に支障がでるようでは失敗です。
求人数の最大数の想定はいくつなのか、毎日、毎週の更新はどういった作業があるのか、求人を掲載するまでの社内フローはどういったものか、原稿はだれが作るのか。運用に必要な詳細な情報を明確にしておきましょう。求められる機能がはっきりとしてきます。
その3:目標とするサイトを明確にする
目的と運用イメージがはっきりすると、今度はそれを体現していそうな目標とすべきサイトを見つけることができます。これをはっきりとさせておくことで、業者に具体的なイメージ、必要なものを伝えることができます。
また、目標とするサイトをいくつか用意する場合は、それぞれを見たときに矛盾点がないかもチェックします。高級感と親近感など、対極にあるものを並べてしまって業者に伝えると、業者は能力を発揮できません。デザイン、コンテンツ、機能、それぞれで矛盾のない説明ができるようにします。
その4:許容できるもの、絶対にゆずれないものを決める
スケジュール、予算の上限額、サーバの安定度、デザイン性、使い勝手など、プロジェクトには検討すべきものがたくさんあります。それぞれのなかで、絶対にゆずれないもの、劣っていても気にしないものをはっきりとさせます。
すべてに完璧を求めると、完璧な予算が必要になります。ここが満たされていれば、後は安くなるのであれば諦めますラインを決めておきます。もちろん、すべてが安くできるのであれば最高ですが、そういう提案をしてくる業者は、受注後に言っていたことと違うことをやることが多いため要注意です。
完璧なものは時間がかかります。時間がかかると業者側でも人件費のコストが高くなるため、見積金額も大きくなります。それをしっかりと踏まえて、まとめておきましょう。
その5:自社でできるもの、依頼するものを設定する
無尽蔵に予算があるのでれば、すべてお任せで後は待っているだけという状態にすることもできますが、多くの場合、業者にまかせる部分と、社内でやる部分をわけて進めていく、共同作業になります。
社内ではいったい何ができるのか、それをしっかりと確認しておくことが必要です。たとえばコンテンツを付けたいと思っている場合、写真の撮影、インタビュー記事の用意などが必要になります。これをカメラマンやライターに任せることもできますが、その分、料金は当然高くなっていきます。
全部依頼するつもりでいたけれど、進めていく中で業者から「あれを用意してください。この日までに〇〇を出してください」などと言われて混乱のなか、スケジュール遅延と、社内から「なんで遅れているんだ」というプレッシャーの中で苦しむ担当者の方は少なくありません。
業者と話し合いをして、見積をもらうまえに、自社でできること、絶対に依頼しないと無理なことなどをはっきりと伝えて、実態に合った話し合いで料金、スケジュールをまとめていきます。
その6:納品後の付き合い方を明確にする
採用サイトのホームページ制作を依頼する業者との、納品後の付き合い方を明確にしておきます。たとえば納品したら更新作業する部分がないのか、それとも一定の更新が発生するためサポートを依頼する予定なのかなどです。サポートも、ある程度までは営業の延長で無料でやりますという業者と、すべてが有料ですという業者がいます。
社内の予算、人員の配置、運用業務内容などを踏まえてこれを決めておくと、業者選定の一つの基準にもなります。ただ、実態としては無料でやってもらえるものは、途中でたち切れになっていくことが多く、無料でサポートしますという会社の場合、それが本当かをかなり厳しい目でチェックする必要があります。90%程度の確立で、納品後に連絡が来なくなります。
採用ホームページ発注・依頼・設計前の注意点
採用ホームページを作ることが決定すると「作る」ことに意識がいきがちですが、それ以上に大切なのはそこにどうやって求職者を集めるかです。一番やってはいけないのはホームページの制作に多額の予算をかけて作ったが後は放置してしまうことです。
これは本当に予算の無駄です。自社のホームページが集客力があるのでれば、そこからどうやって求職者を誘導するかを試行錯誤します。そもそも企業ホームページへの訪問者が多くないという場合は、別途、ネット広告を利用することも検討しなければいけません。
この時、リスティング広告で求人分野のキーワードなどを購入したりしますと、求人メディアの求人広告を利用しているときと費用感は変わらなくなってしまいますが、費用を抑えて獲得できるキーワードや広告メニューを模索することで、意外なほど安く人を採用できることもあります。
まとめ
採用ホームページの掲載コンテンツは自社でいくらでもコントロールできるのがメリットです。メディアのポリシーなど、ルールで束縛されることなく、自社の魅力を気兼ねなく発信できるも利点です。採用サイトを自社で作成、管理し、集客を的確に行い、求人広告よりも安価な獲得単価を達成するのは簡単なことではありません。
しかし、中小企業が適正コストで人材獲得するためには、求人サイト以外の求職者を集める経路をもちことが、これからの時代には求められます。少し余裕のある段階から試行錯誤を続けていくことが、長い目で見ると絶対に良い選択肢になるはずですよ!