リファラル採用の金銭報酬の違法性を回避する方法をプロが徹底解説!

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リファラル採用が導入する企業が増えてきました。メルカリやクラウドワークスといった大手企業でも導入されており、NHKでも特集されるなど注目されていますが、リファラル採用にはメリットだけを考えて安易に導入すると違法性を問われる可能性があります。

労働基準法や職業安定法としては問題がないか、違法性を問われないようにするにはどうすればいいか注意点をまとめました。

リファラル採用とは

リファラル採用(リファーラルリクルーティング)とは社員が自分の友人や知人を紹介・推薦することを意味します。日本では縁故採用(コネ採用)が一部の企業でおこなわれてきましたが、海外ほど積極的に導入する企業が少ない傾向にありました。

しかし、深刻化する日本の人材不足の問題、特に中途採用のエンジニア職は年々競争が激化している背景から、採用コスト削減を目的にリファラル採用の導入事例が増えてきました。

第二新卒採用や中途採用(経験者採用)だけでなく、モスバーガーやすかいらーくグループなどアルバイト・パート採用でもリファラル採用を実施している企業はいます。

中途採用のリファラル採用において紹介数を促進させるためにインセンティブ(報酬金)を付与するのが一般的です。

インセンティブ(報酬)とは多くの場合が金銭としており、企業によっては紹介した者だけでなく紹介されて入社した者に支払う場合もあります。そのインセンティブ(報酬)において違法性を問われる可能性があります。

違法性に関わる部分

本来「ヒトを紹介して金銭を得る」ことは【人材紹介】に該当し、有料職業紹介免許が必要になります。職業安定法でも労働者の募集を行う者に対して報酬を与えることは原則禁止と書かれています。

職業安定法 第40条(報酬の供与の禁止)

労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第36条第2項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。

労働者の募集を行う者に対して報酬を与えることは原則禁止ですが、自社の社員が募集を行い、会社がその紹介してくれた社員に対して賃金や給料という形で紹介報酬を支払うことは例外的に認められています。

実際に東京労働局にリファラル採用での違法性(インセンティブの是非)について聞いた人は「就業規則に記載し、賃金で支払っていれば合法。ただし人材紹介などの生業(なりわい)に該当しないことが重要」という回答だったそうです。

気をつけるべきポイントは3点ありますので、それぞれ詳しくまとめました。

注意点①就業規則や賃金規程に記載

第一に就業規則や賃金規程の一部としてインセンティブ(報酬)を追加することが必要不可欠。支給額や支払条件を明確にしましょう。支給額の目安は10万円~50万円が相場かと思います。後述しますが支払条件次第ではもう少し抑えた金額の場合もあります。

支払条件は試用期間終了後に支払うのが一般的な条件ですが、金額次第では内定や入社を条件にしても問題ないかと思います。制度設計が具体的に決まったら、就業規則の改訂をおこないましょう。制度設計ができていれば実務上の問題はほぼ発生しません。もしも不安な点があれば社会保険労務士など就業規則の専門家に相談するのが望ましいです。

注意点②高額にしない金銭報酬

二番目に高額すぎない金銭報酬の制度が重要です。高額の定義はありませんが、生業(なりわい)=人材紹介業として判断されないことが重要です。生業とは生計のための職業または生活を営むための仕事という意味です。

「生業(なりわい)として判断されないレベル」とは抽象的な表現ですが、一つの判断軸として人材紹介会社(転職エージェント)に支払う金額よりも高額にならないことが正しいでしょう。人材紹介会社経由で採用すると年収の30%が相場ですので、年収300万円だと90万円、年収600万円だと180万円になります。

そのため報酬が100万円以上になると人材紹介会社よりもフィー(紹介手数料)が高くなります。その意味ではリファラル採用を導入するメリットである採用コストの削減を考えると、人材紹介会社よりも高い費用を支払う会社はほとんどいないものと思われますが、もしも高額な報酬設定にしている場合は注意が必要です。

注意点③社外への金銭報酬

リファラル採用において社外の人から紹介を受ける場合も想定されます。もしも「社外の人からもリファラル採用を受け付けています!」という制度であれば紹介の可能性はかなり広がります。※ただし受給できる範囲を広げすぎても運用ができない可能性が高いです。

社外への報酬は制度設計ができていれば問題ありませんが、定期的に紹介を受けて支払いが発生する場合は人材紹介会社と同じ役割になるので注意が必要です。特定の人(会社)に毎月紹介報酬が発生しそうな場合は危険です。ときどき紹介してもらい、それに対して妥当な範囲で謝礼を支払うという考え方であれば、合法の範囲内と解釈されます。

また1回限りであっても反復継続の意思があれば事業性があるとみなされます。例えば紹介先との人材紹介契約書を締結している、職業紹介を行う旨の広告宣伝をしている、職業紹介事業をホームページ等で告知している等は反復継続の意思があると見なされる可能性が高いと言えるでしょう。

参考記事:リファラル採用のメリット・デメリットと注意点まとめ

まとめ

リファラル採用の違法性を回避する方法をまとめましたが、セーフかアウトかの線引きは非常にグレーな手法だと言えます。とはいえ採用難の時代にとって一度は試したい有効(かもしれない)な手法であるのも事実です。

ですので、経営者や採用担当者はメリットだけに注目して安易に導入せず、リスクやデメリットも理解して導入を決めましょう。積極的にリファラル採用を活用するのであれば制度設計をしっかりおこない運用に繋げることが大切です。

制度設計をサポートするサービスやツールも豊富にあり、リファラル採用のメリット・デメリットと注意点まとめでご紹介しています。失敗させないためには法律や制度設計だけでなく、大前提となる従業員満足度の向上や、社員への紹介フローの説明などこまかい運用ルールも必要不可欠。リファラル採用で最高の仲間を見つけてください!

参照:職業紹介事業の業務運営要領-厚生労働省

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