勤務先の会社になかなか馴染めない、コミュニケーションがうまく取れずに仕事もスムーズに進められない人は、周囲に「社会不適合者」と印象付けられてしまうことが多くあります。自分自身でも仕事ができない、コミュニケーションが取れないことから、社会不適合者だと自覚することもあるでしょう。
社会不適合者とは社会に出て働き始めて自覚することがありますが、一つ視点を変えれば能力を最大限に発揮して活躍できる可能性を秘めています。
そこで今回は、社会不適合者と言われる人の特徴のほか、働く際の注意ポイント、社会不適合者といわれる人が適した仕事を見つける方法について解説します。
目次
社会不適合者とは?
一般的に、社会不適合者とは周囲の人と同じことができない、社会に馴染めない人を指す言葉です。
本来、社会の中で円滑に物事を進めるには決められたルールに従う必要がありますが、社会不適合者と呼ばれる人はそれができず、自分では仕事をきちんとこなそうと努力しているにも関わらずうまくできず、協調して物事を進められません。
このような社会不適合者であることを自覚している人は少なくなく、学校や会社のような集団で生活する場において生きづらさや孤独感を感じてしまいがちです。
社会不適合者と言われる人の特徴
社会不適合者は集団の中に溶け込めない存在でもあるため、同じ集団の中にいる人に社会不適合者だと思われることがあります。また、自分自身で周囲に馴染めずに社会不適合者だと自覚する人も少なくありません。
では、具体的のどのような人が周囲に社会不適合者と言われたり、自覚したりするのでしょうか。社会不適合者と認識する要素として、以下のような特徴が挙げられます。
ルールや時間を守ることが苦手
多数の人がいる集団では、共通したルールを守ることで集団生活の秩序を保ちます。このようなルールを乱す人は、協調性がなく集団内では社会不適合者として扱われてしまうでしょう。
特に、時間を守ることはあらゆる場面で求められます。社会に出てからは、時間厳守を徹底しなければならない場面は多く、時間を守らないことで損失が発生する可能性もあります。
しかし、社会不適合者と呼ばれる人は決められた時間を守らない、予定を忘れるなど時間を守ることも苦手です。時間の管理そのものが苦手なので、時間のルールを守れない人=仕事ができない社会不適合者と認識されてしまう大きな原因となるでしょう。
コミュニケーションや集団行動が苦手
集団の中でのルールを守れないことだけではなく、集団内での生活や行動、同じ集団内の人とのコミュニケーションが苦手な点も、社会不適合者の特徴に挙げられます。
複数名での会話で自分ばかり話をしてしまう、相手の気持ちや反応をうまく読み取れずに見当違いな言動をすることが多いため、周囲の人には協調性がなくコミュニケーションがしづらい人と認識されることから、社会不適合者と思われてしまうのです。
継続や我慢が苦手
いわゆる社会不適合者と呼ばれる人は、自由や柔軟性を重視する傾向があります。逆に言えば、ルールでガチガチの事柄を我慢して着手することが苦手です。一つのことを粘り強く続けることも苦手としているので、何かを継続することが不得意です。
継続や我慢が苦手なので、会社で長期にわたるプロジェクトを担当した場合では最後までやり遂げられずに放棄することもあるでしょう。すると、当然ながら周囲にとってはやるべきことを最後までできない社会不適合者と認識されてしまうことは仕方ないことといえます。
こだわりが強すぎる
誰しも何かしらのこだわりを持つことは珍しいことではありませんが、社会不適合者と呼ばれる人は、強すぎるこだわりを持っていることがあります。
仕事を進める上で他のやり方の方が効率的だと言われたとしても、人の意見に耳を貸さずに自分のこだわりを捨てることなく我を通してしまいます。
こだわりが強すぎると非効率的になることが多く、本来進むべきスピードで物事を進められずに業務に支障をきたすため、その原因を作っている人が社会不適合者という印象を持たれてしまうのです。
ミスを繰り返す
社会不適合者の人は、ミスを繰り返しがちです。これはルールや規則を守ることが苦手なこと、注意力が不足していることに加えて、継続や我慢が苦手で集中力がなく一つのことを続けられないことが原因です。
仕事においてミスを繰り返すことは、その人への評価が下がることは避けられません。場合によっては、ミスを隠すために嘘をついてごまかすこともあります。その場しのぎで嘘をついても、遅かれ早かれその嘘はバレてしまうものです。
ミスを繰り返した挙げ句、嘘でごまかそうとしたことは信頼を失う要因となることはほぼ間違いありません。社会不適合者とのレッテルを貼られ、さらに社会的な立場も悪くなるでしょう。
劣等感が強い
社会不適合者といわれる人は、他人と自分を比較しがちです。他人より自分が優れていると感じられるのであればいいのですが、その反対で他人と比較して劣等感を感じる傾向があります。
例えば、人が褒められている様子を見て、自分は褒められることはない能力の低い人間だと感じたり、他の人ができることができないことで落ち込んだりするなど、何かしらと比較をして自分が下にいることで落ち込みやすくなってしまうのです。
社会不適合者に当てはまる人が働く上の注意点
社会不適合者の特徴を持つ人は、周囲とうまくコミュニケーションが取れずにルールから外れたことをしがちで、信用を失うこともあり得ます。
一般的な企業で働く場合、自分一人で働けることは少なく、組織や集団の一員として業務に従事することとなるため、いわゆる社会不適合者にとっては働くのが辛く苦痛に感じることがあるでしょう。
しかし、社会不適合者とは必ずしも悪い存在ではありません。ネガティブに感じられる存在かもしれませんが、一つの個性と捉えるべきです。
前述した社会不適合者の特徴に当てはまる方は、自分が周囲になじめず仕事ができない社会不適合者だとネガティブにならず、これが自分の個性と認めて、以下のポイントに注意して仕事をしてみましょう。
自分自身を受け止める
他者に社会不適合者のレッテルを貼られることは、決して良い印象はありません。自分では努力して仕事に取り組んでいるにもかかわらず、周囲にそれを認められていないことを意味するからです。
まずは、性格や能力が認められないからといって、すべてを否定されているわけではないと考えるべきです。前述したように、これも自分の個性の一つだと受け入れましょう。
今いる場所が自分に合わないだけで、もっと広く世界を見渡せば自分に合う場所が必ず存在している、とポジティブに考えてみることが大事です。
無理に克服しようと頑張らない
社会人として、時間やスケジュールの厳守、周囲の人とのコミュニケーションは必要不可欠な要素ですが、これらがすべて得意という人は少ないでしょう。
たとえ苦手だと感じていても、日々仕事と割り切ってこなしている人は多いはずです。苦手なことを得意にすることは容易ではないため、苦手を克服して仕事ができる人はある意味レアケースといえます。
苦手の克服が難しいのであれば、無理に克服しようと考えないようにしましょう。社会人として苦手は克服しなければ、と頑張ってしまうと時間だけが過ぎてしまい、なかなか解決できないことでストレスを溜める原因となります。
苦手は、克服するだけがすべてではありません。時には苦手を避けて済む方法を選ぶのも、一つの手段だと考えるべきでしょう。
環境を変える
社会不適合者と呼ばれてしまうのは、その場に自分が合わないことが原因かもしれません。環境を変えれば、能力や長所を活かして活躍できる可能性は十分あるでしょう。
そこで、今いる場所で自分が社会不適合者ではないかと感じる方は、職場が合わないのであれば転職するなど、一度置かれている環境を変えてみることをおすすめします。
職場に限らず、現在の居場所そのものが合わない、しっくりこないと感じているのであれば、思い切って海外へ移住する選択肢もあります。
人によっては、海外にいた方が自分の能力を最大限に発揮して活躍できることもあるため、視野を広げてさまざまな環境へ身を置いてみると可能性を広げるチャンスが生まれるでしょう。
メンタルケアを行う
社会不適合者だと自覚していながら合わない環境にいることは、メンタルを悪化させる要因です。自分が置かれた環境を変えられるのがベストですが、すべての人が簡単に環境を変えられるものではありません。
そのような状況に自分を社会不適合者だと否定しながら居続けると、ますますメンタルが悪化してしまうでしょう。今すぐ環境を変えることが難しい場合は、メンタルケアを行うことが大事です。
周囲のネガティブな情報をできるだけシャットアウトする、自分なりのストレス解消法を見つけておくことは、環境を変えられない場合のメンタルケアに役立ちます。
社会不適合者と感じている人に適した仕事を見つける方法
社会不適合者と自覚している方でも、それは今置かれている状況がそうさせている可能性は大いに考えられます。適した仕事に就けば自分の能力を存分に発揮して、活躍できるチャンスは十分あるでしょう。
自分が社会不適合者と思っている人が最適な仕事を見つけるには、以下のような方法があります。
得意分野・好きなことを活かせる仕事に就く
今の仕事は自分に合っていないと感じていると、こだわりが強い人はどうしても自分を活かせず、それどころか非効率的になってしまい周囲に仕事ができない人、社会不適合者だという印象を持たれてしまいます。こだわりの強さがデメリットになっている場合は、それを活かせる仕事に就くのが最適です。
得意分野を活かせる職種、好きなことに携われる企業など、興味がありこだわりを持っている仕事に就けば、自分の強みを活かしで働けるでしょう。
できるだけ人と関わらない仕事をする
社会不適合者と呼ばれる理由の一つに、コミュニケーションを苦手とする点があります。仕事をする上では周囲とのコミュニケーションが必要ですが、業種や職種によっては必要最低限のコミュニケーションで進められるので、このような仕事を選ぶがおすすめです。
データ入力や倉庫内作業、部品作成などの仕事は、一人でコツコツ進める時間が長く、頻繁なコミュニケーションを必要としません。トラック運転手や配達員も人と関わる時間が比較的短く、一人での作業が多い仕事です。
これらの人と関わる時間が少ない仕事なら、コミュニケーション能力不足を気にすることなく働けるでしょう。
起業する
集団の中に馴染めない、ルール厳守が苦手な場合は、その集団から離れてみましょう。起業すれば、自分が中心となってルールを作る側に回れるので、周囲に従う必要もなくなり、社会不適合者と呼ばれる要素をなくせます。
起業するにはさまざまな準備や手続きなどやるべきことが多いですが、自分が好きなことを仕事にしたい、周囲に振り回されることなく自分のペースで仕事をしたい方には、起業する方が向いている場合があります。
フリーランスとして働く
起業はハードルが高い方には、フリーランス(個人事業主)として働く方法もあります。
フリーランスとして活躍できる能力が求められ、なおかつ自分で仕事を獲得する必要はありますが、働く環境を自分で作れる点が大きなメリットです。
フリーランスが仕事を獲得するためには外部とある程度のコミュニケーションを行う必要はありますが、企業に属して働くことがないので、周囲とのコミュニケーションを常に行う必要がなくマイペースで働けます。他者が設定したルールを守る必要もなくなるので、自分で設定したルールのもとで自由度の高い仕事が実現できるでしょう。
まとめ
社会不適合者とされることは良い印象がなく、それを自覚していると能力が低く何もできない人間なのでは、とネガティブな考えに陥りがちです。
しかし、すべての場所で社会不適合者と扱われる人はいないはずです。今いる場所に「合わない」ことも一つの個性だと受け止めて、自分の能力を活かせる環境や考え方を活かせる場を探してみましょう。