自動車整備士への転職方法・仕事内容・志望動機まとめ

自動車整備士への転職方法・仕事内容・志望動機まとめ

車が好き、機械いじりが好き——そんな方に人気の職業が「自動車整備士」です。しかし実際には、「資格は必要?」「年収はどれくらい?」「きつい仕事って本当?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

自動車整備士は、専門性の高い国家資格職でありながら、働く環境やキャリアによって収入や働き方に大きな差が出る仕事でもあります。

本記事では、求人広告・採用支援のプロ視点から、自動車整備士の仕事内容や資格、年収、やりがい・デメリットまでを徹底解説します。

自動車整備士とは

自動車の点検をして不具合箇所の整備を行う国家資格者のことを、自動車整備士といいます。就職先はディーラーや中古車販売店、自動車整備工場、カー用品店、ガソリンスタンド、自動車メーカー、損害保険会社などがあります。

仕事自体はコツコツと地道に行うものですが、どの職場であってもお客様とのコミュニケーションを取る機会があるので、コミュニケーション能力は必要です。近年はレンタカーやカーシェアリングサービスが広まってきているため、売り手市場と言えます。

ただし、自動車整備は体力が必要なことから、体力に限界を感じると車検の検査員、部品開発の研究員や工員、テストドライバーなどへ転職する人が増えています。

自動車整備士資格試験情報

自動車整備士になるためには「自動車整備士技能検定試験」に合格する必要があります。

資格は3級からありますが、実務として整備業務を担当するためには2級自動車整備士の取得が一般的なスタートラインです。

自動車整備士の資格区分

2級自動車整備士には以下の種類があります。

  • ガソリン自動車整備
  • ジーゼル自動車整備
  • シャシ整備
  • 二輪自動車整備

就職を目指す場合は、求人が多く汎用性の高い「ガソリン自動車整備」を取得しておくと安心です。

合格率の目安

2級の学科試験は例年80%〜90%前後の合格率となっており、しっかり対策すれば合格可能な難易度です。

※参考として過去データでは以下の通りです。

  • ガソリン:80%台〜後半
  • ジーゼル:90%前後

なお、学科試験の合格率が高い理由として、専門学校や養成施設の卒業生が多く受験している点が挙げられます。

実技試験について

実技試験は合格率が低い傾向にありますが、専門学校や養成施設の卒業者は免除されるケースが多いため、受験者自体が少ないのが特徴です。

学校に通わず資格を取得する方法

専門学校に通わずに資格取得を目指す場合は、認証工場や指定工場で実務経験を積む必要があります。

見習いとして半年〜1年以上働いた後に3級を受験し、段階的に2級取得を目指す流れです。ただし、見習い期間中は補助業務が中心となり、給与も低めになる傾向があります。

試験日程・受験方法

自動車整備士技能検定は年2回実施されます。試験科目は回によって異なる場合があるため、最新情報は必ず公式サイトで確認しましょう。

試験概要

  • 受験料:学科 約5,000円前後/実技 約13,000円前後
  • 試験日:年2回(地域ごとに実施)
  • 試験会場:各都道府県の整備振興会など

試験日程や詳細は変更されることがあるため、必ず公式情報を確認してください。

参考:一般社団法人日本自動車整備振興会連合会
https://www.jaspa.or.jp/mechanic/

自動車整備士の仕事内容

自動車整備士の仕事は、単に車を修理するだけではありません。安全に走行できる状態を維持するための点検・整備から、故障対応、部品交換、お客様対応まで幅広い業務を担います。主な仕事内容は以下の通りです。

  • 点検整備(定期メンテナンス)

自動車は使用するほど部品が劣化するため、定期的な点検が欠かせません。日常点検・法定点検・ディーラーの定期点検・車検(継続検査)などを通じて、安全性を維持します。特に車検は点検項目が多く、正確な判断と経験が求められる重要な業務です。

  • 緊急整備(トラブル対応)

事故や故障など、突発的なトラブルに対応するのも整備士の役割です。「ブレーキの効きが悪い」「異音がする」といった不具合の原因を特定し、迅速に修理を行います。状況判断力とスピードが求められる場面です。

  • 分解整備(オーバーホール)

エンジンやトランスミッションなど、車の中核となる部品を分解して整備・修理する高度な作業です。専門知識と技術が必要とされるため、主に2級以上の整備士が担当します。整備士としてのスキル差が最も出やすい業務でもあります。

  • 板金・塗装(外装修理)

事故や経年劣化によるキズやへこみを修復する作業です。ボディの修復(板金)から塗装・仕上げまでを行い、車を元の状態に近づけます。資格がなくても携われる分野ですが、プロとして仕上げるには経験と技術が必要です。

  • その他業務(接客・事務作業など)

整備以外にも、部品の発注や在庫管理、受付対応、電話対応、お客様への説明などの業務があります。整備内容を分かりやすく説明する力も求められるため、コミュニケーション能力も重要です。

整備士の給与・平均年収

自動車整備士の平均年収は約391万円(ボーナス込み)です。この年収でボーナスを2.5カ月分だとすると、月収は約26万円です。ただし、ディーラーと工場では給与が異なります。

ディーラーの給料平均は年収が約466万円で、民間の整備工場の給料平均は年収が約358万円と、ディーラーは年収が100万円以上高くなっています。ディーラーの中でも国産車と外車であれば外車の方が高く、普通車と大型車であれば大型車の方が高くなっています。

もしも、年収にこだわるのであれば外車のディーラーまたは、大型車のディーラーを選びましょう。
※整備士ジョブズ 給料の実情と高収入整備士の特徴を紹介(https://automotive.ten-navi.com/mechanic/salary.php)

自動車整備士のやりがい

自動車整備士のやりがいは、不具合の原因を見つけて整備した後に、お客様に感謝される時でしょう。自動車整備士の使命は、自動車事故や故障から人の命を守ることです。この使命を果たせた時に最も大きなやりがいを感じます。

また、工場やディーラーによっては難しい不具合を整備するとインセンティブが付くことがあるので、さらにやりがいを感じることができます。

もう1つのやりがいは、専門技術を身につけることができる点です。自動車整備士のプロとして誇りを持って仕事を臨めます。最新の技術を常に学んで経験を積むことで、スペシャリストとして頼りにされれば、給与も上がります。

最後に、職場によっては、廃盤になった自動車や最先端の自動車まで整備できることも、車好きの人には、大きなやりがいになるでしょう。

自動車整備士の苦労・厳しい面・デメリット

自動車整備の苦労・厳しい面・デメリットとしてあげられるのが、3K(キツイ・汚い・危険)の職場だという点です。しかし、空調がない職場や体力勝負面は仕事が好きであれば気にならない人も多くいます。

また、危険は自分の技術を上げれば回避できます。ただし、無理な体勢を長時間取ると腰痛になりやすいので、小まめにストレッチをすることで腰痛を回避する必要があります。

仕事量の多さによる残業がキツイという人もいます。自動車整備工場では、工場規模が小さくなればなるほど人件費を抑えているため、仕事は多岐にわたり残業が増えます。

さらに、コツコツ整備を行いたくて自動車整備士になった人にとって、お客様に原因があるにもかかわらず「整備したと言われたのに、また不具合が発生した」というクレーム対応は特にストレスがたまるようです。

最後に、近年エコカーや自動運転技術の発達が目覚ましい分、整備技術も高度なものが要求されてきています。これらの技術を身につけるための勉強が大変という声も聞かれます。

未経験から自動車整備士になる方法

未経験から自動車整備士になることは可能ですが、資格取得と実務経験の積み方が重要になります。主なルートは大きく2つです。

専門学校・養成学校に通う

最も一般的なのが、国が指定する専門学校や養成施設に通う方法です。卒業と同時に実技試験が免除されるため、効率よく2級整備士を目指すことができます。未経験から確実に資格を取得したい人に向いています。

整備工場で働きながら資格を取得する

もう一つは、認証工場や指定工場で見習いとして働きながら実務経験を積み、資格を取得する方法です。費用を抑えられるメリットがありますが、最初は補助業務が中心で給与も低めになる傾向があります。

どちらのルートでも、最終的には2級自動車整備士の取得がキャリアのスタートラインとなります。

おすすめ転職サービス

自動車整備士に向いている人・向いていない人

向いている人

自動車整備士に向いているのは、機械いじりが好きな人だけではありません。コツコツと作業を続けられる忍耐力や、細かな異変に気づける観察力がある人に向いています。また、お客様に整備内容を説明する場面も多いため、最低限のコミュニケーション力も必要です。

向いていない人

一方で、体力仕事が苦手な人や、手が汚れることに抵抗がある人には厳しい職種です。また、最新技術の習得が求められるため、学び続けることが苦手な人もミスマッチになりやすいでしょう。

「車が好き」という理由だけで選ぶと、入社後にギャップを感じるケースも少なくありません。

自動車整備士の転職体験談

実際に自動車整備士として働いている人や、異業種から転職した人の体験談を紹介します。仕事内容や働き方のリアルを知ることで、自分に合うかどうかの判断材料にしてください。

未経験から整備士へ転職|20代男性

前職は営業職でしたが、もともと車が好きだったこともあり、思い切って整備士へ転職しました。最初は工具の名前すらわからず苦労しましたが、先輩に教えてもらいながら少しずつできることが増えていきました。

最初の1年は正直きつかったですが、自分で原因を特定して修理できたときの達成感は大きく、やりがいを感じています。未経験でも挑戦は可能ですが、「覚悟」は必要だと感じました。

ディーラー整備士へ転職|30代男性(年収アップ)

民間の整備工場からディーラーへ転職しました。転職前は年収350万円ほどでしたが、現在は450万円まで上がりました。

ディーラーは作業が分業化されているため効率的に働ける一方で、お客様対応も増えました。忙しさはありますが、給与や福利厚生の面では満足しています。「どこで働くか」で大きく変わる職種だと実感しました。

整備士から別職種へ転職|40代男性

整備士として20年働いていましたが、体力的な負担が大きく、検査員へキャリアチェンジしました。

整備の現場はやりがいがありましたが、年齢とともに長時間の作業が厳しくなってきたのが理由です。今はデスクワークも増え、体への負担が減りました。整備士は長く続けるためにも、将来のキャリアを考えておくことが大切だと感じています。

おすすめ転職サービス

自動車整備士の将来性(EV・自動運転の影響)

自動車整備士の需要は今後もなくなることはありません。ただし、求められるスキルは大きく変化していきます。

近年はEV(電気自動車)や自動運転技術の普及により、従来のエンジン整備だけでなく、電子制御やソフトウェアに関する知識も求められるようになっています。

そのため、「整備士=将来性がない」と言われることもありますが、実際には人手不足が続いており、スキルを身につけた整備士の市場価値はむしろ高まっています。

今後は、従来の整備技術に加えて最新技術に対応できる人材ほど、年収やキャリアの選択肢が広がるでしょう。

自動車整備士の求人状況・転職難易度

自動車整備士は慢性的な人手不足のため、比較的転職しやすい職種といえます。特に地方では整備士不足が深刻で、求人倍率も高い傾向にあります。

一方で、ディーラーや外車系、高待遇の求人は人気が高く、経験やスキルが求められるため競争が激しくなります。

また、同じ整備士でも勤務先によって年収や労働環境に大きな差があるため、求人選びを間違えると「きつい・給料が低い」と感じてしまうケースも少なくありません。

そのため、求人票だけで判断するのではなく、業界に詳しい転職エージェントを活用して、職場環境や実態を事前に把握することが重要です。

まとめ

自動車整備士は、専門技術を身につけながら長く働ける魅力的な仕事である一方で、勤務先によって年収や働きやすさに大きな差が出る職種でもあります。

だからこそ、「どの会社で働くか」がキャリアを左右すると言っても過言ではありません。待遇や働き方、将来のキャリアパスまで含めて比較したうえで、自分に合った職場を選ぶことが重要です。

もし一人での転職活動に不安がある場合は、整備士業界に詳しい転職エージェントを活用するのも有効な選択肢です。非公開求人や条件交渉のサポートを受けながら、より納得できる転職を実現しましょう。

おすすめ転職サービス

ABOUT US
秋場亮一株式会社リクエストエージェント代表取締役
明治大学経営学部卒業後、ディップ株式会社に新卒入社。求人広告の法人営業を担当し、業種・職種を問わず数多くの採用支援に携わる。2011年に転職し、成功報酬型求人サイトの立ち上げと事業成長に尽力。中小企業から上場企業まで幅広く担当し、求人原稿設計、応募データ分析も担当。2016年に求人広告代理店を創業。企業の採用活動を支援しつつ、これまでの豊富な経験を活かし、就職・転職ノウハウを情報発信中。