嘘・オトリ・ダミー求人とは?見分け方と対処方法

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求人誌やハローワーク(公共職業安定所)で仕事を探していたら「良い求人を見つけた!早速、応募して面接に行ってみたら『その求人は終了してしまいました』と言われてしまった」

このような経験ありませんか?その求人はもしかすると「嘘求人」かもしれません。実際に存在しない求人のために企業へ足を運ぶというのは、時間や交通費がもったいないですよね。今回は、そんなウソのおとり求人の種類や手口から見極め方について解説します。

嘘・ダミー求人とは

嘘・ダミー求人とは、「存在しない求人」の広告宣伝のことです。募集時に書かれていた内容と、実際の勤務時間・給与・休日休暇が違う求人のことを意味します。「存在しない求人」は「求人そのものが存在していない」と「求人は事実だが募集内容が違う」の2パターン存在します。「オトリ求人」「架空求人」「釣り求人」「カラ求人」と呼ばれることもあります。

厚労省が実施している全国のハローワークに寄せられた求人票に関する苦情の統計では、2016年度は計9299件、2017年度は計8507件あったことが報告されています。こうした数字からハローワークには「嘘ばっか」「嘘だらけ」といった評判クチコミも多くあります。

ハローワークの苦情の中で「実際の労働条件が記載内容と異なっていた」ことが一番多かったことが報告されています。この数字は表面化した数字だけで、実態はさらに多いことが予想されます。

なぜこのような求人広告が存在するのでしょうか。嘘求人には色々な理由が想定でき、すべてが悪意を持って行われるものばかりでなく、不注意から生まれるものも多いです。適切な情報の更新や管理が出来ていなければ、嘘求人を生んでしまう可能性が高まります。嘘・ダミー求人が起きてしまう理由と求職者側の対応方法をまとめました。

関連記事:ハローワークにブラック企業や求人詐欺が多い3つの理由

消し忘れ・更新し忘れ

募集企業側が求人募集しているのを忘れたり放置してしまい、本当は募集終了しているのに求人募集している場合があります。掲載料金が無料であるハローワークや成功報酬型求人サイトにこのケースが散見されます。ヒドイときは「そんな求人サイトで募集していたっけ?」と言われることも。

各都道府県の最低賃金は毎年10月頃に改訂されますが、店頭貼り紙や店頭ポスターでは修正されず昔の給与のまま募集している店舗もよく見かけます。求職者側には迷惑な話ですが、募集企業側も騙すつもりはなかったケースです。

悪気はなく善意からの提案

誤解されがちですが、募集企業側の善意で提案する場合もあります。

よくあるのが「応募者がスキル経験・条件に満たない場合」です。「君のスキルだと正社員では採用できないけど、ヤル気があるならアルバイトはできるよ」や「土日必須の仕事だから時給1200円だけど、平日しか働けないなら時給1000円になるよ」といった事例があります。

二番目に多いのが「直前に(本当に)募集が終わってしまった」です。案件が豊富な人材派遣会社に多いですが「面接直前に採用枠が埋まってしまった。もしよければ別の求人もあるから紹介します」と提案する場合があります。複数の募集をしている会社にもよくある対応方法です。

呼び込みのための架空募集

実際にはそんな求人は存在しないのに、集客するためにわざと広告掲載しているパターンです。このケースでは、募集企業は「募集していない」と認識していながらあえて載せているため、非常に悪質と言えます。

ブラック企業が嘘の好待遇の条件で虚偽記載することもあります。「正社員募集なのに本当は契約社員だった」「基本給30万円と書かれていたのに実際は20万円だった」「残業代60時間を含めた年収だった」といったケースが見られます。

他にも転職エージェント(人材紹介会社)が「人気企業ランキングに名前が出る優良企業の案件を紹介できる」と宣伝文句を謳い、実際には取引のない企業を使う場合があります。人材派遣会社では「一般事務など高時給の案件が多数」と謳い、応募がきたら「希望に沿った別の求人をご紹介しますね」とする場合があります。

非常に悪質なケースでは面接でも何も伝えず雇用契約書(労働条件通知書)を取り交わすときに初めて説明する企業もいます。

さらに悪質なケースでは雇用契約書にも嘘を書いている企業や、空白の雇用契約書にサインさせようとする企業もいます。雇用契約書の虚偽記載は完全に労働基準法第15条に違反しています。

嘘・ダミー求人の見分け方

応募前に見極めるのは困難です。

可能であれば掲載開始日を確認し、半年以上前の求人ならすでに終了している可能性が高いです。また派遣会社の募集で求人内容がフワッとしていて詳しく仕事内容が書かれていない場合は嘘求人の確率が高くなります。

嘘・ダミー求人の判断基準

面接前の段階でメールまたは電話で「終了してしまった」「別の求人ならある」と説明してくれるなら悪質ではありません。

逆に面接時に「応募した求人は終了してしまった」「別の求人ならある」と説明する会社は悪質だと言えます。

嘘・ダミー求人の対処方法

正直なところ「求人は終了した」という言葉が事実か嘘か求職者側にはわかりません。訴えてやると思っていても求人票自体に法的拘束力はありません。求人票に嘘を記載しても法的になんらかの罰則が発生するわけではないので労働基準監督署は動きません。

大切なのは雇用契約書に書かれている内容です。もしも雇用契約書の内容と実際の仕事内容が違うのであれば労働基準法違反となります。

雇用契約書に事実が書かれていてサインをして入社してしまってはもう遅いです。「求人広告の内容が実際と違う」と言っても「雇用契約書を確認してサインしている」として反論され、ただのクレーマーになってしまいます。こうなってしまっては残念ながら諦めるしかありません。自己都合の退職にはなりますが、早めの退職をおススメします。

ハローワーク求人ホットラインの活用

ハローワークの求人が嘘だった場合はハローワーク求人ホットラインに報告しましょう。是正指導くらいしか対応してないため効果は薄いかもしれませんが、第二の犠牲者を作らずに済みます。

もしも求人広告(タウンワーク、リクナビネクスト、マイナビバイト等)や転職エージェント経由で募集情報と全く違う仕事を提示され、悪質だと判断されたら各媒体の運営会社や転職エージェントの相談窓口から報告を入れましょう。

当然ながら嘘の求人は仲介会社やメディア側にとって信用問題になります。営業が嘘の求人情報の記載に加担している可能性もあるため、調査に動いてくれます。(事実確認したうえで悪質だと判断されれば)罰金とまではいきませんが、掲載停止や取引停止などのペナルティが科されます。

まとめ

よく求職者側の不満や悩みで「求人広告に書いてある内容と実際の仕事が違った」と聞きますが、あくまでハロワの求人票を含めた求人広告は「広告」であり、求人票はあくまでも募集の際に提示する労働条件の目安です。

つまり求人広告は労働基準法第15条で定める労働条件の明示には該当しないため、その募集内容を100%保証しなければいけないものではありません。このことをしっかり理解し、求人票をうのみにせず入社前には労働条件はしっかり確認して、求人詐欺のブラック企業には就職しないように注意してください。

参照:https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/faq_kijyunhou_5.html
参照:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_06139.html

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