「ハローワークに行ってみたけど、ろくな求人がない」「なんか怪しい会社ばかり…」「本当にここで仕事探して大丈夫?」
そんな声を、これまで数百人の転職相談を受けてきた筆者は何度も耳にしてきました。
ネットを検索すれば、「ハローワークやばい」「ハローワークやめたほうがいい」といったネガティブな投稿も数多くヒットし、不安を募らせる人も多いでしょう。
しかし結論から言えば、ハローワークは“使い方さえ間違えなければ”、今もなお有効な就職手段の一つです。大切なのは、「やばい求人」に引っかからないための見極め方を知ること。
この記事では、転職エージェントとして求職者をサポートしてきた筆者が、ハローワークに潜むリスクとその回避法、そして“当たり求人”を見抜くための視点を丁寧に解説します。
ハローワークは本当にやばい?
誰でも求人を出せる=玉石混交の世界
まず知っておいてほしいのは、ハローワークは「掲載無料」「審査なし」という仕組みで求人が掲載されています。
民間の求人サイトでは、求人掲載に費用がかかるうえ一定の審査があるため、ある程度のスクリーニングが機能していますが、ハローワークは基本的に「誰でも出せる」。
その結果、以下のような“質のばらつき”が起こります。
- 募集終了していても放置している
- 実態とは異なる“釣り求人”で応募を集めている
- 応募を増やすために“嘘の求人”で掲載している
- 離職率の高い企業が、新規人材を補充するために常に掲載している
つまり、「やばい」と言われる背景には、情報の信頼性を担保する仕組みが整っていないという構造的な課題があるのです。

本当にあった“やばいハローワーク求人”
筆者が以前担当したある20代の男性は、ハローワーク経由で建設系の中小企業に就職を決めました。
求人票には「賞与年2回」「週休2日」「残業なし」と明記されていたそうですが、実際に入社してみると…
- 「賞与」は“規定あり”と言われ、実質ゼロ
- 毎週土曜出勤、実質週休1日
- 残業はほぼ毎日2~3時間発生し、残業代も支給されない
入社3ヶ月で退職し、再び転職活動をやり直す羽目になりました。
このようなトラブルは珍しくありません。求人票の情報と現場の実態が異なるケースは、特にハローワーク経由で起こりやすい傾向があります。
厚生労働省が全国のハローワークに寄せられた求人票に関する苦情を調査した結果、ハローワークに寄せられる苦情のうち約40%が求人票と労働条件の実態との違いでした。

ハローワーク求人で「やばい会社」を見分ける方法
ハローワークで後悔しないためには、以下の5つの観点から地雷求人を見抜くことが重要です。
① 同じ会社が頻繁に掲載されている
3ヶ月おき、あるいは常時掲載されている企業は、慢性的に人が辞めている可能性があります。「いつも人が足りない=辞めたくなる理由がある」と考えるべきです。
② 条件が良すぎるのに会社名が無名
「未経験OK・月収35万円・賞与年2回・定時退社」など魅力的すぎる条件は、注意が必要です。
ハローワークは法的には虚偽求人を禁じていますが、実態の確認が甘いため、誇張や“誤解を与える表現”が紛れ込んでいるケースが多数報告されています。
③ 仕事内容が不明確・抽象的
「やる気のある方」「業務全般をお任せします」など、実態のつかめない求人は注意。職務内容があいまいな企業は、ブラックな労働環境の温床になりやすいです。
④ 離職率・福利厚生などの説明がない
「残業について触れられていない」「福利厚生が“社会保険完備”しか書かれていない」など、基本的な情報すらない求人は、隠したい実態があると考えるべきです。
⑤ 社員の顔が見えない
企業HPがなく、職場の写真や社員の声が確認できない場合、実態の見えない雲をつかむような職場かもしれません。転職会議やOpenWorkなど、口コミサイトを併用しましょう。

ハローワークでも“当たり求人”は存在する
誤解されがちですが、ハローワークにしか出ていない優良求人も実は多く存在します。
たとえば以下のようなケースです。
- 田舎の求人
- 法人化されたばかりの成長中ベンチャー
- 広告予算をかけられない地元密着型の老舗企業
- 転職サイトや転職エージェントと併用している上場企業
- 地方拠点開設にあたり地元のハローワークを利用している大手企業
実際、私の元に相談に来た30代の女性は、子育てに理解のある中小製造業にハローワーク経由で入社。現在は、柔軟な時短勤務で管理職を任され、プライベートとの両立に成功しています。
東京の上場企業が東北や九州エリアなど地方の新規出店にあたり、地方のハローワーク求人に出すケースもあります。給与体系や福利厚生(退職金含め)がしっかりしているため、魅力的な隠れ求人だったりします。
大切なのは「安易に切り捨てずに、自分の目で判断すること」。見極め力さえあれば、ハローワークは十分に活用できる媒体です。

ハローワークを使いこなす3つのコツ
エージェントとしてハローワークの相談を受ける中で、「こうすればうまく使える」と感じているポイントを共有します。
コツ①:相談員は積極的に使う
窓口の職員に「この会社、実際どうですか?」と聞くと、内部の評判や過去のトラブル事例をこっそり教えてくれることもあります。
聞けば教えてくれる情報は多いです。遠慮せずに活用しましょう。
コツ②:応募は直接企業サイト経由のほうが安全な場合も
求人票に企業サイトのURLがあれば、直接会社の雰囲気を見たり、応募フォームを使ったりする方が早いこともあります。
この導線を使えば、求人票の書き方と実際のWebページのギャップも確認できます。
コツ③:ハローワークは比較用として使う
他の求人サイトや転職エージェントの求人と比較しながら見ると、条件や内容の違いが見えてきます。
情報源を複数持つことで、客観的に求人の質を判断できます。

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ハローワークに関するよくある質問(FAQ)
ハローワークはニート・フリーターでも応募できますか?
はい、可能です。
ハローワークは職歴がない方やブランクがある方でも利用できる公的サービスです。実際に「未経験歓迎」や「ブランクOK」と記載された求人も多数あります。
また、職業相談窓口では、履歴書の書き方や面接対策なども無料で支援してくれるので、初めての就職活動でも安心して利用できます。
ハローワークと転職サイトって、どっちを使うべき?
両方を併用するのがベストです。
ハローワークには地元密着型の中小企業が多く、転職サイトには大手企業や専門職向け求人が多い傾向があります。
それぞれの特徴を理解し、情報の幅を広げることで、よりミスマッチの少ない転職が実現できます。
ハローワークにブラック企業しか載ってないって本当?
一部にそういった求人が含まれているのは事実ですが、すべてではありません。
審査が緩い分、玉石混交なのは否めませんが、しっかりと情報を見極めれば「当たり求人」も存在します。
企業HPや口コミの確認、ハローワーク相談員への確認などを通じて、ブラック企業を回避することは可能です。
ハローワーク経由で受けた会社を辞退しても問題ありませんか?
問題ありません。
応募後に辞退したからといって、ペナルティが課されるようなことはありません。
ただし、紹介状をもらった段階で辞退する場合は、ハローワークに一報を入れておくのがマナーです。
ハローワークはやめたほうがいいと感じたら“他の選択肢”も視野に
「ハローワークはやばい」「やめたほうがいい」ネットや口コミで見かけるそんな声には、決して根拠がないわけではありません。
実際、掲載のハードルが低く、求人の質にばらつきがあるのは事実です。さらに、企業の実態をチェックする仕組みが甘く、求職者が不利な条件で応募してしまうリスクも少なくありません。
もちろん、ハローワークだけが悪いとは言い切れません。問題は、求人を見極める目と、複数の情報源を持たないまま判断してしまうことにあります。
だからこそ、「やばい求人に引っかかりたくない」「条件を比較しながら納得のいく仕事を選びたい」と感じるなら、ハローワーク以外の選択肢も上手に使っていくことが大切です。
「今のやり方でいいのか」と少しでも感じたら、無料で活用できる転職サイトや転職エージェントも活用して、納得のいく職場を見つけましょう。
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