オフィスでは様々な人が集まって同じ仕事をしていますが、中には仕事ができない、と認識されている人が含まれていることはないでしょうか。元々のスキルが低いわけではないにもかかわらず求められた仕事ができないと、管理職はもちろん一緒に働く同僚や上司、部下にも迷惑となってしまいます。
チームや部署での仕事では仕事ができない人がいると業務の進捗にも大きく関わり、ミスやトラブルの原因になることもあるでしょう。そこで今回は、仕事ができない人に見られる特徴、もし職場に仕事ができない人がいる場合の対処法を解説します。
目次
仕事ができない人の特徴とは
仕事ができない人にはいくつかの特徴があり、同じように仕事ができない人と共通する特徴が見られます。その特徴は人によってさまざまで、多くの種類があります。そこでまずは、仕事ができない人には具体的にどのような特徴があるのかを解説していきます。
スケジュール管理・タスク管理ができない
仕事を進めるには、しっかりとスケジュールやタスクを管理しなければスムーズに遂行できません。「仕事ができない」と言われる人は、この仕事をする上で基本中の基本ともいえるスケジュール管理やタスク管理ができない、または下手な点が特徴です。
スケジュール管理ができないと時間や期日を守れず、先も見えていないので許容範囲を超えた量の仕事を受け持ってしまい、リソース不足になってしまうなどの問題が起こりがちです。すると、おのずと期日を守れなくなるため、「仕事ができない」と思われてしまいます。
仕事の優先順位をつけられない
やるべきことの優先順位をつけられないのも、仕事ができない人の特徴です。これは、前述のスケジュールやタスク管理ができない、または下手なことと共通しますが、時間ややるべき仕事の管理ができない人は、優先順位をつけることも難しいでしょう。
タスク管理ができない人は、進捗状況をよく把握できないことが多いため、問い合わせを受けても曖昧な返答しかできず、後々トラブルの原因を作ってしまう可能性もあります。
報連相を怠る
報告・連絡・相談を意味する「報連相」は、社会人にとって基本なので、報連相ができない、または怠る人はコミュニケーション能力が低い、つまり仕事ができないとみなされてしまいます。ビジネスシーンで、報告や連絡、相談は業務を効率的かつスムーズに進めるために必要不可欠なことです。
報連相を怠ったりできなかったりする人は、必要な情報を必要な人に伝えることができないので業務を効率よく進められないばかりか、部署やチーム内での意思疎通がうまくいかなくなるため、大きなミスやトラブル、顧客からのクレームの原因になることがあります。
スキルが不足している
担当する業務に必要なスキルが不足している人は、「仕事ができない」と思われてしまうのは当然といえるでしょう。
未経験の業務の場合、最初はスキルが不足していても、経験を積んでいくうちにスキルを身につけて問題なく仕事ができることが多いものです。しかし、それでもスキルが身につかない場合は、「仕事ができない人」として問題となってしまいます。
スキルは持っているけれど、現在の業務に必要なスキルではなくミスマッチが起きている場合も、スキル不足として仕事ができないとレッテルを貼られてしまうこともあるでしょう。
レスポンスが遅い
仕事ができない人は、メールや電話の折り返しのほか、上司からの指示に対するレスポンスが遅い特徴があります。
本来、業務上ではこれらは迅速に対処するべきです。しかし、仕事ができない人は非効率的に業務を進めていることによってレスポンスまで時間がかかる、やるべきことを先延ばしにしがち、優先順位をつけていないなどの理由によって、レスポンスが遅くなってしまいます。
指示や連絡に対してスピーディーに対応することは、社会人としての基本でもあるため、レスポンスが遅い人は必然的に仕事ができないと思われてしまうでしょう。
仕事への責任感が欠けている
仕事に対する責任感が薄い、欠けている人も、仕事ができない人の特徴です。責任感が欠けている人は、「自分ができなくても他の誰かがやってくれるだろう」と他人任せに考えており、自分に与えられた仕事を全うしない、途中で放り出す、仕事をしたとしても内容が雑になりがちです。
チームや部署単位で業務を進めることが多いオフィスでこのような人がいると、組織全体に迷惑をかける可能性があるため、責任感が欠けている、責任感が薄い人は仕事ができない人と思われても仕方がありません。
ミスが多い・同じミスを繰り返す
仕事上、ミスをしてしまうことは誰にでも起こり得ます。ミスをしても、その後の対応やミスを未然に防ぐために取り組むべきことを行い、再発防止策を身につけて社会人として成長していくものです。
しかし、仕事ができない人は、ミスをしてもそれを反省することもなく、ミスを防ぐための対策も怠ることが多いので、同じミスを何度も繰り返してしまいます。
仕事が遅い
仕事が遅いことも、仕事ができない人の大きな特徴の一つです。前述したように、非効率的な人はその分他の人よりも仕事にかかる時間も長いため、どうしても仕事が遅くなることが増えます。仕事そのものが遅いだけではなく、仕事に取り掛かるまでのスピードが遅いのも、仕事ができない人によく見られるポイントです。
自分のスキル不足によって仕事の進捗が遅いことが分かっている人であれば、早めに準備に取り掛かって仕事をこなすでしょう。しかし、仕事ができない人はそれすらも怠りがちなので、期日までに仕事を終わらせようという努力もせず、計画的に仕事を進めることもできないため、結果的にいつも仕事が遅くなってしまうのです。
言い訳や言い返すことが多い
ミスをしたり期日を守らなかったりする場合、仕事ができない人は言い訳をすることがよくあります。ミスを指摘されたら言い返すこともあるでしょう。自分自身が起こしたミスにもかかわらず、それを正当化したり人のせいにしたりしがちです。このような言動は、仕事に対する責任感のなさが一因といえます。
言い訳されたりや言い返されたりした方も不快な気持ちになり、仕事を任せられないと感じてしまうでしょう。必要な指導やアドバイスをもらいにくくなり、社会人として成長することも厳しくなってしまいます。
仕事ができない原因
仕事ができない人にはさまざまな特徴があり、これらの特徴が共通していることが少なくありません。すべての人に当てはまるわけではありませんが、当初はスキルがあり仕事ができる人材であったとしても、働いているうちに「仕事ができない人」となってしまうこともあります。では、なぜ仕事ができない状況に陥ってしまうのでしょうか。その原因には、以下の点が挙げられます。
やる気がない
当初スキルがある人と認知されていたにもかかわらず、仕事ができない人になってしまう原因の一つが、本人のやる気のなさです。仕事に対するモチベーションが低いと、仕事への意欲も必然的に落ちてしまい、やる気も失ってしまいます。やる気のない状態で仕事に向かっていても、仕事をきちんとこなせるわけがありません。
仕事ができない人のモチベーションの低下には、仕事内容や待遇に不満がある、正当な評価を受けていないと感じているなど、さまざまな要因があります。本人の不満や問題を解決しなければ、やる気のなさも改善が見込めないでしょう。
スキルと仕事内容のミスマッチ
本来は仕事ができる人であっても、そのスキルが業務に活かせなければ意味がありません。つまり、スキルと仕事内容のミスマッチも、仕事ができる人ができない人になってしまう理由といえるでしょう。自分ができることを存分に活かせない部署に配属されている、スキルに合わない業務を担当させられていると、思うように能力を発揮できなくなってしまいます。
スキルと仕事内容のミスマッチが続いていると、上記のモチベーションの低下につながる恐れも考えられます。
スキルが不足している
スキルのミスマッチは、他の業務であれば能力を発揮できて仕事をスムーズにこなせることもあるでしょう。しかし、そもそもの仕事に対するスキルが不足している人は、当然ながら仕事ができない原因となってしまいます。
未経験で始めた業務の場合、最初は誰しもできないことが多いでしょうが、経験を積んでいくことでスキルを身につけて業務をこなせるようになっていきます。同じスタートラインから仕事を始めても、スキルを身につけられずにいつまでもスキル不足の状態が続いていると、他の従業員と比較してスキル不足と判断されてしまうでしょう。
自信過剰・プライドが高い
自分の能力が優れていると自負している人、プライドが高い人も、仕事ができない原因の一つです。このような人は自信過剰で自己中心的でもあるため、他の人の指導やアドバイスを素直に聞き入れられないことが多いためです。ミスをしても反省することなく、アドバイスも聞かずに仕事を進めてしまうため、また同じミスを繰り返すことが多くなります。
仕事ができない人への対応方法
仕事ができない人は、そのままではできないまま成長しない可能性が高いでしょう。部下や同僚など、仕事ができない人と直接関わる必要がある場合は、以下で紹介する対処法を実践してみましょう。
仕事を進めるための基本の学習
仕事ができない人に見られる特徴には、社会人としての基礎スキルができない点が多く含まれます。仕事をしたことがある人なら誰しも理解できるでしょうが、報連相やスケジュール管理は、これができなければ「仕事ができない人」と認識されるのは当然といえるほど、働くための基本中の基本です。
逆に言えば、基本ができていれば仕事をスムーズにこなせられます。そのため、仕事ができない人への対処では、まず基本を理解してもらい、しっかりと身につけてもらいましょう。業務で求められるレベルに達するまでは、一緒に仕事をする同僚や上司が積極的にサポートをしていくと、基本が身につきやすくなります。その上で、時間の管理方法やスケジュール作成方法など詳しい方法を指導すると、効率的にスキルが身につくことが期待できます。
同僚や部下なら話し合いも一つの方法
仕事ができない人が同僚または部下にいる場合は、話し合いをする方法もあります。その際に気をつけたいのは、決して仕事ができないことを責めないことです。
もしミスやトラブルを起こしたとしても叱責するようなことは避けて、なぜそのような事態が起こってしまったのか、ミスを防ぐために何をすればいいのか、話を聞き出しながら一緒に考えていきましょう。
話し合って解決策を見出したとしても、再度ミスやトラブルが発生した場合は、一緒に業務をこなす、スケジュールを合わせるなどの対策を実施しましょう。チームでの業務を進める際は仕事ができない人の進行スケジュールに余裕を持たせて、周囲がカバーできるような体制を作っておくと、スケジュールが狂ったりタスクが増えたりした際でもスムーズになります。
積極的にコミュニケーションを取る
話し合いをすることに加えて、話し合いの場以外でも積極的にコミュニケーションを取ることが、仕事ができない人への対処法となります。特に報連相がきちんとできない原因が話しづらい、コミュニケーションしにくい環境にある場合に効果的です。
質問や報告がしにくい萎縮してしまう環境では、行うべき報連相もできなくなってしまいます。オフィスを報連相しにくい環境にさせないためには、日頃から活発なコミュニケーションを取って風通しの良い環境にすることが求められます。
まとめ
仕事ができない人には多くの特徴があり、中には本来スキルを持っていてもそれを活かせないことが原因という場合もあります。そのような原因で仕事ができない状態になっている従業員に対しては、対処法を実践することで仕事ができない状態を改善することが期待できます。
また、オフィスの環境が原因で仕事ができない場合もあるため、仕事ができない人を能力の低い従業員と決めつけることなく、職場環境の見直しやコミュニケーション活性化などを実践して、円滑に業務を進めましょう。