5月から営業職の新入社員は初訪問する機会が増えてくる時期ですが、その前に社内で訪問に失礼がないか確認するためにロールプレイング(ロープレ)をする企業も多いと思います。お客様に信頼される営業パーソンとしての基準を満たしているかどうか公平公正なジャッジメントができるように評価軸をテンプレートにまとめました。
営業ロープレのコツ・やり方
営業ロープレの目的やメリットは、疑似体験を経験することで自信をもって商品サービスを案内できるようになることです。ロープレ研修のポイントは商品知識の確認だけでなく、会社規模や役職立場など訪問相手をこまかく条件設定し、様々な質問を投げかけることで、実践的な研修にしましょう。
顧客役も積極的に質問するタイプ、寡黙なタイプ、ライバル会社に詳しいタイプなど様々なシーンや場面を再現できるようにしましょう。訪問前・訪問時・商談中・退出後に分けて細分化することで得点表にしやすく、客観的に分析することが出来ます。また最後にフィードバックのコメントをおこなうことで、個人の課題を見つけてもらい次回の改善に繋げましょう。
訪問前
清潔感
男性:頭髪は清潔で手入れが行き届いている。髭はちゃんとそっている。ネクタイのゆるみ、汚れがない。靴は磨いてある。爪は汚れていない(伸びていない)
女性:頭髪は清潔で手入れが行き届いている。健康的なナチュラルメイクをしている。ビジネスにふさわしい服装である。華美なアクセサリー(指輪、ピアス)をしていない。爪は伸びていない。派手なマニキュアをしていない。
訪問時
新人らしい姿勢や態度
「元気よさ」「一生懸命さ」「熱心さ」が感じられる。笑顔で挨拶ができている。相手の目を見て挨拶が出来ている。はっきりとした口調で話ができている(早口になっていない)。一方的な話になっていない。姿勢よく座ることができている。
言葉遣い
尊敬語・謙譲語・丁寧語がちゃんと使えている。相槌に「はい」「ええ」が使えている。後尾を伸ばさずに話ができている。自分のことを「わたし」と言えている。接続言葉を使えている(例えば、実は)
商談中
訪問中の態度
座ったときに足を組んでいない。バックや手荷物は足元に置いている。担当者が入室したらすぐに立ち上がり挨拶をしている。先方に勧められてから着席をしている。メモをちゃんと取りながら話をしている。
自己紹介
挨拶は元気よく伝えている。社名と名前を名乗っている。事業内容を伝えている。訪問主旨を伝えている。時間をとって頂いた御礼を述べている。
名刺交換
社名、名前を名乗りながら先に渡している。「よろしくお願いします。」と言っている。名刺は相手に読める向きで渡している。同時交換の場合、先手を取られた場合の名刺の受け渡しができている。商談中頂いた名刺の取り扱いはちゃんとできている。
信頼構築
商談の前に共感の接点を持つことができている。商談中相手を知ろうとする態度や姿勢が感じられる。相手の話に同意を得ている。相手の求めている答えに対して返答している。企業理解ができている。
相手の話を聞く姿勢
一方的でない。相槌を打ちながら「はい」「ええ」会話ができている。5W1Hの問いかけができている。相手の目を見て会話ができている。姿勢よく座ることができてる(足を組んでいない)
自社サービスの説明
お客様に営業資料(パンフレット)を使い、自社サービスの説明ができている。サービスの特徴を伝えている。サービスの機能を伝えている。サービスの強みを伝えている。金額の説明ができている。
基本的なヒアリング能力
事前情報(企業規模・サービス等)の確認ができている。競合他社の利用状況を聞けている。聞きたいこと(予算・状況など)が聞けている。(例:採用単価、平均勤続年数、年間予算)
決裁者・発注者のヒアリング
決裁者・発注者が誰なのかをヒアリングできているか。
次回の訪問アポや可能性の確認
次回の訪問アポもしくは次回訪問の可能性を確認しているか。
退出後
訪問の締めくくり
訪問相手に笑顔で感謝の意を述べている。相手の目を見て挨拶ができている。次回の約束のことを相手に伝えている。立ち居振る舞い(背筋がきちんと伸びている)がちゃんとできている。お辞儀ができている。
テンプレート無料ダウンロード
営業として基本的な部分を抑えたテンプレートです。使いやすいようにExcel形式で無料ダウンロードできるようにしました。上記のファイルでは100点満点方式ですが、5段階評価にするのも効果的です。
業種業態によって審査基準を改良を加えたら自社に適した使いやすいフォーマット形式になります。営業以外にも接客用サービス業として自社オリジナル用に応用してみてもいいでしょう。
訪問営業ロープレまとめ
営業に苦手意識をもっている人も多いので、プラグラム(計画表)の最初はトークスクリプト(シナリオ台本)を作る会社もあります。想定質問に対する模範解答を準備し、一連の流れを書きましょう。本番で動揺しないためにも厳しめな質問も準備しておきましょう。
ナレッジ共有の幅を広げるために、先輩の営業メンバーが、どんなトークで商談を進めているか見本を見せてあげることをおススメします。例え新卒だとしても訪問するからには所属する企業の代表であり、会社の顔となります。企業の信頼性を損なわないように万全を期す準備をしましょう。