求人広告の正社員登用制度のポイント・書き方・注意点

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求人広告において求職者が気にする正社員登用制度ですが、まだまだ情報不足で曖昧な広告表現が多い部分があります。ミスマッチが生まれないためにも採用担当と求職者目線の両軸で正しい正社員登用のポイント・書き方・注意点をまとめました。

正社員登用制度とは

正社員登用制度(せいしゃいんとうようせいど)とは、アルバイト・パート・契約社員など非正規社員が正社員になれる各企業の制度を指します。一般的には正社員のほうが給与が良く、ボーナス対象者になれる、社会保険の充実、社会的信頼の獲得など様々なメリットがあります。

正社員登用制度は、正社員を目指すアルバイトや契約社員のモチベーションアップになり、優秀な人材確保と定着率向上において有効な手段です。

バイトル・タウンワーク・マイナビバイトなど多くの求人情報サイトで「正社員登用あり」の特徴フラグがあるため探しやすいですが、待遇欄に正社員登用ありとだけ書かれている会社も多く、一概に正社員登用制度といっても会社によってルールや内容がまったく違うため、求職者によってはわかりづらく応募を躊躇ってしまう人がいるのが現状です。

正社員登用が多い業種や職種

飲食業、サービス業、アパレル業では慢性的な人手不足から正社員登用までのスピードが多く、早ければ入社半年ほどで正社員に昇格できる会社もあります。特に飲食業は上場企業でも積極的に正社員登用している企業はあり、待遇の上昇幅が大きいのが魅力です。

こうした業界では最初から正社員昇格を前提とした採用もあり、「最初は不安だから契約社員からのスタートだけど、半年辞めずに働けたら自動昇格」といったこともあります。

正社員登用制度の書き方【採用担当者編】

しっかり内容を公表することが安心材料に繋がります。

①社員登用時期の目安

期間または時期。毎年9月に決まっている等のルールがあるのか、それとも随時なのか。

②社員登用後の仕事内容

仕事内容に変化はあるのかないのか。

③社員登用後の待遇

給与は上がるのか、福利厚生は変化するのか、住宅手当が適用できる等のメリットはあるのか。

④直近数年間の採用実績

男女別、年齢別、入社年度別の実績。どういう経歴、部署の人が、入社何年でどういう手順でなったのか。

⑤正社員登用までの流れ

試験・選考方法の有無、どういった評価軸で正社員になれるのか

正社員登用制度の注意点【求職者編】

本人のやる気だけでは正社員になれないケースもあります。

注意点①採用実績がない会社は要注意

「正社員登用あり」と書かれていても採用実績がない会社は要注意です。採用実績がない場合には2パターンあり、一つはルールや基準が存在していない会社です。「具体的にどうすれば正社員になれますか?」と質問した際に明確な回答がなかったり、「良い人がいれば」と本気で正社員にしたいとは思っていなかったりします。制度が形骸化していないか注意しましょう。

二つ目は基準が明確であるものの、高いハードルの会社です。正社員と同レベルではなく、正社員以上の実力が求められ、中には6か月連続で営業成績がトップになれたら昇格といったハードルがかなり高い会社もあります。

注意点②タイミング次第の可能性もある

正社員登用実績が豊富でも翌年度以降の登用も補償されているわけではありません。昨年は正社員登用制度で10人が契約社員から正社員に登用された実績があっても、翌年度も同じ人数が正社員に昇格できるとは限りません。

むしろ組織バランスを加味して数年間は正社員登用がない場合も十分ありえます。求職者にとっては嘘求人・詐欺求人と思われるかもしれませんが、採用実績として嘘ではなく、タイミングの問題になってきます。採用担当者も未来まで予想できないため悪意はありません。

また外部要因として経営環境が悪化し、売上減少したら、正社員登用制度がストップする可能性もあります。過去にどれだけ正社員登用実績があっても、会社の業績が悪くなってしまったら無意味。会社の評判がいくら良くてもこうしたケースはあります。

注意点③上司に好かれるのが絶対条件

正社員登用制度において直属の上司や経営者に好かれるのが絶対条件である会社があります。テストがあるのはごく一部の大手企業のみで「本人のやる気や仕事をみて判断」といった具合に正社員登用制度の基準が曖昧な会社が多いです。本人の能力よりも性格や人間関係を重視している会社は多く、良くいえばコミュニケーション能力が必要、悪くいえば上司の主観的な判断次第とも言えます。

正社員登用されるポイント

面接で正社員を希望することを伝える

熱意を伝えましょう。面接官は応募者がフリーターのままがいいのか、正社員になりたいのか将来どうしたいのかがわかりません。基本的なことですが、できていない人がいます。面接官によっては「正社員に興味がありますか?」と聞いてくれることもありますが、聞いてくれないこともあります。

自分自身がどうなりたいかを最初にしっかり伝えることで、「正社員になりたいなら〇日は働いてほしい」「昇格条件として最低〇年は働いてもらう必要がある」など相手も心構えをしてくれたり、具体的な条件について説明してくれたりします。

正社員登用制度まとめ

正社員になりたい求職者の方は「正社員登用あり」の言葉だけで判断するのではなく、しっかり内容を確認するようにしましょう。注意点では色々と指摘していますが、曖昧な基準の会社も多いため、あまり気にしすぎたり、相手側に完璧を求めすぎたりするのも良くありません。

採用担当者の方は優秀な人材を集めるために具体的な条件を詳しく書くのは必要不可欠。応募者を増やすといった短期的な考え方ではなく、ミスマッチを減らし定着率をあげるために正社員登用制度を有効活用してほしいと思います。

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