ウォンテッドリーの特徴と中途採用で失敗する企業の共通点

ウォンテッドリーの特徴と中途採用で失敗する企業の共通点

「Wantedlyは応募が来ない」「アクセスはあるのに採用できない」「更新が大変すぎる」──そんな声を見かけたことがある人事担当者も多いのではないでしょうか。

一方で、Wantedlyを活用して継続的に採用成功している企業が存在するのも事実です。では、この差はどこで生まれるのでしょうか。

実はWantedlyは、従来型の求人サイトとはまったく違う「運用型採用媒体」です。掲載すれば応募が集まるわけではなく、情報発信・更新頻度・採用広報・SNS拡散など、継続運用を前提にした設計になっています。

本記事では、Wantedly(ウォンテッドリー)の特徴を踏まえながら、中途採用で失敗しやすい企業の共通点や、運用型採用媒体で成果を出すために必要な考え方を、求人広告の現場目線で解説します。

失敗理由①「掲載するだけ」で応募が来ると思っている

Wantedlyで失敗する企業の多くは、運用型媒体の特徴を理解しないまま導入しています。

「Wantedlyは応募が来ないからやめた」という話はよく聞きますが、その企業を見ると、そもそも更新自体が止まっているケースが少なくありません。

Wantedlyは、一般的な掲載型求人サイトとは違い、掲載後の運用が非常に重要な媒体です。

  • 募集記事を定期的に更新する。
  • 社員インタビューを投稿する。
  • SNSで拡散する。
  • 社員にシェア協力を依頼する。
  • Wantedly Feedを更新する。

このような「採用広報」を継続しながら露出を増やしていく設計になっています。特にWantedlyは更新頻度が表示順位や閲覧数にも影響しやすいため「掲載したまま放置」では埋もれやすいです。

しかし、実際には契約後に「ここまで更新作業が必要なのか…」と気づく企業も多くあります。

毎週記事を考えるだけでも大変ですし、文章作成の負担も軽くありません。採用広報に慣れていない企業の場合、数カ月で更新ネタが尽きて止まってしまうケースも珍しくないです。

Wantedlyは「原因が分かっても改善が難しい」媒体

また、Wantedlyは「原因が分かっても改善が難しい」媒体でもあります。

例えば「記事が読まれていない」「SNSで拡散されない」「応募は来るがマッチしない」といった課題が発生しても、すぐ改善できるとは限りません。

ライティング力、企画力、情報発信力など、企業側に求められるスキルが多いためです。だからこそWantedlyは、単なる求人媒体ではなく「継続運用型の採用メディア」として考えたほうが良いと思います。

失敗理由②「料金が安いから」で導入してしまう

Wantedlyで失敗する企業は「採用効果」よりも「掲載料金の安さ」を優先して導入しているケースが多いです。

Wantedlyは月額3万円台から利用できるため、転職サイトの中では比較的導入しやすい価格帯です。

特にスタートアップ企業やベンチャー企業では「大手転職サイトは高すぎる」「まずは低コストで採用を始めたい」「採用予算を抑えたい」という理由から導入を決めるケースも多いと思います。

ただし、Wantedlyは「掲載すれば応募が来る媒体」ではありません。掲載課金型のため、極端な話をすると「半年掲載して応募ゼロ」「応募は来たが採用ゼロ」というケースも普通に起こり得ます。

つまり、料金が安く見えても、採用できなければコストパフォーマンスは一気に悪化します。

見落とされがちな「運用コスト」

また、見落とされがちなのが「運用コスト」です。

Wantedlyは募集記事の更新、ストーリー投稿、SNS連携など、掲載後の運用負担がかなり重い媒体です。更新内容にもよりますが、企画立案から執筆まで含めると、毎週数時間単位の工数が発生することも珍しくありません。

特に専任人事がいない企業では、通常業務と並行しながら更新を続けるのはかなり大変です。

そのため、本来は「掲載料金の安さ」だけで比較するのではなく、

  • 自社に継続運用できる体制があるか
  • 中長期採用と相性が良いか
  • 採用広報に工数を割けるか

まで含めて判断する必要があります。

もし「できるだけ低リスクで採用したい」「更新負担を減らしたい」という考えであれば、Green(グリーン)や転職ナビのような成功報酬型(採用課金型)サービスのほうが合うケースもあります。

媒体ごとに特徴は大きく違うため「料金が安い=コスパが良い」とは限らない点に注意しましょう。

失敗理由③応募は集まったが採用できていない

Wantedlyの特徴が転職顕在層よりも転職潜在層向けなので緩い応募者が多いです。エントリー理由は「働きたい」よりも「オフィスに行きたい」とか「話を聞きたい」といった内容です。この応募者属性を勘違いして失敗している人事が多く見受けられますので参考までに。

出典:ウォンテッドリー炎上と上場の経緯そして未来への期待

「応募者に会ったけど転職する気が全然なくて困った」「転職する気がない人に時間ばかり取られてやる気をなくした」という意見があります。Wantedlyのユーザー層は転職潜在層も含まれているため、短期間での採用を意識しているなら向いていません。

また中途採用専任の担当者がいれば大丈夫ですが、人事労務の兼任担当者であれば転職潜在層に会うのは費用対効果が悪いです。応募は集まったが採用は0人というケースや、年間36万円かけてインターン生2名だけ採用できた事例など採用単価で考えても高額です。勿体ないですよね。

Wantedlyも短期募集向けのプランがあります。3カ月以内にプログラマー職を2名以上採用したいなら月額50万円(最短6ヶ月契約のため合計300万円)がおススメです。

短期募集プランもありますが基本的に長期募集向けです。3年スパンで優秀な人に会おうとするなら相性が良いと思います。掲載するなら「お茶だけしてみたい」という人が毎月10名いても対応できるリソースを確保しましょう。

失敗理由④アクセスは集まったが応募されない

採用活動の一環としてWantedlyを活用されている企業も多いかと思いますが、株式会社MOLTSではページ公開初日でWantedlyランキング1位を獲得、それにもかかわらずWantedly経由での採用は0人だったそう。

引用:「Wantedlyランキング1位でも採用はゼロだった」 MOLTSそめひこ氏が語る採用広報の重要性

「アクセス数はそれなりにあるけど全く応募されないのは何故だろうか?」と質問されたことがあります。「Wantedly Feed」と呼ばれるブログ機能を活用してノウハウ系・知識系の記事の更新を非常に頑張っている企業が増えてきました。

記事を更新すればFacebookでいいね!されたり、Twitterで共有されるケースが増え、露出も増えます。ただしアクセス数があってもイコール応募数に繋がりにくいのがWantedlyです。

従来の転職サイトユーザーは転職活動中など転職顕在層が中心なので、一定のアクセス数があると応募数に必ず比例します。業種業態によって応募転換率の差はあれど、アクセス数との相関関係が必ず存在しています。

しかし、Wantedlyは記事単体でアクセスされるため「その記事を読みたいユーザー」が集まるため、掲載企業にとっての見込み顧客にはなりません。

一方で、露出を増やし続ければ読者がつきます。その読者がいつか転職したいと考えたときに候補先として選んでくれるかもしれません。

応募者に繋がる可能性も否定できませんので毎日blogを更新するとごくまれに良い事が起きるかもしれません。愚直に1年間更新し続けることができるかどうかがターニングポイントです。

失敗理由⑤求人原稿が素人っぽいまま掲載されている

Wantedlyで成果が出ない企業は、求人原稿の情報設計やペルソナ定義が曖昧なケースが非常に多いです。

少し厳しい言い方になりますが「結局どんな会社なのか分からない」「誰に向けた募集なのか見えてこない」求人をよく見かけます。

Wantedlyは給与や福利厚生を前面に出しにくい媒体です。そのため、仕事内容・カルチャー・働く環境などを通じて「この会社で働く意味」を伝えなければいけません。

しかし実際には、抽象的な表現だけで終わっている求人も少なくありません。

求職者が知りたい情報が抜け落ちている

例えばWEB制作会社の募集でも「どんな規模の案件を担当するのか」「直請け中心なのか」「チーム体制はどうなっているのか」といった情報がほとんど書かれていないケースがあります。

エンジニア募集でも同様です。使用言語や開発環境、担当フェーズなどが曖昧なまま掲載されている企業も珍しくありません。

企業側は毎日見ている仕事内容なので「当たり前」と思ってしまいますが、求職者からすると情報不足です。

特にWantedlyは「雰囲気採用」になりやすい媒体だからこそ、具体性がないと「なんとなく良さそう」で終わってしまいます。

抽象表現ばかりで差別化できていない

Wantedlyでは「成長できる」「裁量権がある」「若手が活躍している」といった表現が大量に並んでいます。ただ、どの会社も同じようなことを書いているため、それだけでは差別化になりません。

特にWEB制作会社、広告代理店、エンジニア派遣会社などは事業内容が似やすく、求人原稿も似通いやすいです。その結果「なんとなく良さそうだけど違いが分からない」という状態になり、応募まで繋がらなくなります。

一方で、本来は差別化ポイントは沢山あります。クライアントの特徴、案件規模、代表との距離感、社内の雰囲気、働き方、使用ツールなど、細かく見ると会社ごとの差は必ず存在しています。

ただ、それを求職者目線で整理し「魅力として翻訳する作業」が難しいのです。

社内だけで求人を作ると限界がある

Wantedlyは自由度が高い反面、求人原稿の完成度がそのまま成果に直結しやすい媒体です。

そのため、採用経験が少ない企業が社内だけで原稿を作ると、どうしても素人感が出やすくなります。

Wantedlyではトライアル企業向けの無料相談会も用意されていますし、一般的な転職サイトや転職エージェントであれば、営業担当が求人内容の改善提案まで行ってくれるケースもあります。

特にスタートアップ企業や中小企業は「どの媒体を使うか」だけでなく「どう見せるか」まで含めて考えることが重要です。

Wantedlyは掲載するだけで成果が出る媒体ではありません。だからこそ、求人原稿の完成度が想像以上に重要になります。

まとめ|Wantedlyは「掲載型」ではなく「運用型」

Wantedlyは「掲載すれば応募が集まる求人サイト」ではありません。情報発信・更新・SNS拡散・採用広報などを継続しながら、少しずつ認知と興味を積み上げていく“運用型採用媒体”です。

そのため、従来の求人広告の感覚で「とりあえず掲載して様子を見る」という使い方をすると、応募ゼロ・採用ゼロで終わるケースも珍しくありません。

特に中小企業やスタートアップでは、価格の安さだけを理由に導入してしまい「更新する時間がない」「ネタが続かない」「会いたい人材から応募が来ない」と途中で疲弊してしまうケースをよく見かけます。

一方で、Wantedlyの特徴を理解したうえで長期的に運用している企業は、採用だけでなく認知拡大・企業ブランディング・ファン作りにも成功しています。短期採用には向かない場面もありますが、企業カルチャーを発信しながら中長期で採用したい企業とは相性が良い媒体です。

Wantedlyに限らず、最近のHRサービスは「運用前提」の媒体が増えています。だからこそ、料金や知名度だけで判断するのではなく、「自社に運用できる体制があるか」「どんな採用を実現したいのか」まで含めて検討することが大切です。

更新負担は決して軽くありません。しかし、継続できる企業にとっては大きな武器になる可能性を秘めた採用サービスだと思います。

おすすめ転職サービス

ABOUT US
秋場亮一株式会社リクエストエージェント代表取締役
明治大学経営学部卒業後、ディップ株式会社に新卒入社。求人広告の法人営業を担当し、業種・職種を問わず数多くの採用支援に携わる。2011年に転職し、成功報酬型求人サイトの立ち上げと事業成長に尽力。中小企業から上場企業まで幅広く担当し、求人原稿設計、応募データ分析も担当。2016年に求人広告代理店を創業。企業の採用活動を支援しつつ、これまでの豊富な経験を活かし、就職・転職ノウハウを情報発信中。