2020年人材業界・労働問題・雇用市場・採用関連ニュース一覧まとめ

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2020年も残すところ1カ月になりました。人材ビジネス業界(求人広告・人材紹介・人材派遣・HR系)は、この1年間どんな労働問題・時事ネタ・人事関連ニュースが注目されたのか業界動向・業界分析・トレンドキーワードの振り返りをまとめました。

目次

2020年の雇用・就職・労働ニュースや話題の振り返り

新型コロナウイルスの流行

新型コロナウイルスの流行に伴い、日本各地で様々なイベントが中止または延期され、一斉休校も実施されました。宿泊業・旅行業・観光業が大打撃をうける中、中国から部品をうけていた様々な工場も生産調整や稼働停止といった対応を迫られました。

コロナウイルス感染対策として、全国的に外出自粛要請やソーシャルディスタンスの実施を余儀なくされました。居酒屋やレストランなどサービス業や外食業界も営業休止や営業時間短縮といった措置をとらざるをえなくなり、国内の採用市場にも雇い止めが発生しました。

感染拡大を抑制するために自宅勤務でのリモートワーク(テレワーク)や時差出勤を推奨する企業が増えました。新卒採用ではリクナビやマイナビの合同説明会が中止され、インターネットを活用した企業説明会が実施されるようになりました。ウェブ面接・オンライン面接ツールの導入が一気に増えることに。

ワンデーインターンシップの廃止

20年3月、全国求人情報協会に属するマイナビやリクルートキャリアなどは、自社の情報サイトで十分な就業体験が確保されない1日完結の「ワンデーインターンシップ」の廃止を表明。一方で、就業体験プログラムが担保される1日インターンについては「ワンデー仕事体験」などの名称に改めて掲載することを発表しました。

ウーバーイーツの台頭

東京都を中心に仕事を失った人が食事宅配サービス(シェアリングエコノミー)のウーバーイーツの宅配員をする姿を見かけるようになりました。コロナ禍で自宅で過ごす人が増えたことから、デリバリー需要が激増。

性別欄のない履歴書を発売

20年8月、トランスジェンダーに配慮して性別欄のない履歴書を文房具メーカーのコクヨ株式会社が発売する方針であることが分かりました。主要メーカーの履歴書では初めての試みながら今後は履歴書の様式として標準化されることが予想されます。

給料ファクタリング貸金業で、闇金が増加

数年前から盛り上がりを見せている給料ファクタリング貸金業で、闇金が増加。業者が「貸金ではなく債権譲渡」と謳っていても、貸金業法の登録が必要だと金融庁は正式な回答を述べています。給料前払いサービスを展開している株式会社ペイミーの今後の動向が注目されています。

パソナが兵庫県淡路島に本社移転

20年9月、パソナが兵庫県淡路島に本社移転を発表。東京本社に勤務している管理部門の社員を中心に1800名のうち約1200名を淡路島に順次移す計画であることを発表しました。

パワハラ防止対策が義務化

改正労働施策総合推進法(通称:パワハラ防止法)が20年6月から施行され、大企業では職場のパワーハラスメント防止対策を講じることが義務化されました。また、中小企業は22年4月から義務化が適用されます。

『クリエイト仕事発見』休刊が決定

株式会社クリエイトが発行している求人フリーペーパー『クリエイト仕事発見』が、2020年4月20日をもって休刊が決定。

『タウンワーク社員版』休刊が決定

リクルートが発行している社員募集向け求人フリーペーパー「タウンワーク社員版」が、2020年1月6日をもって休刊が決定。今後はタウンワーク通常版に、アルバイト・パート募集と社員募集を集約することになりました。

外国人労働者が過去最高を記録

厚生労働省は、日本国内の外国人労働者数は前年同期比で約7万人増加の約172万人(20年10月時点)と過去最高を更新したことを発表。国籍別では、ついにベトナムが中国を抜いて44万人を超えました。第2位は中国42万人、第3位フィリピン18万人。

在留資格別では「専門的・技術的分野の在留資格」が36万人で、前年比3万人増加。技能実習40万人で、前年比2万人の増加。資格外活動(留学含む)は37万人で、前年比2千人の減少。

採用・雇用関連の炎上・批判・事件・不祥事

20年6月、ベビーシッターマッチングアプリ運営の株式会社キッズラインが、登録者による性被害を理由に一方的に男性登録者を排除したことに、保育現場における男性差別ではないかと、疑問や批判の声があがりました。

20年8月、厚生労働省による地方創生関連イベントで、委託先のパーソルテンプスタッフが現金を配りサクラを動員していたことが発覚。委託企業のパーソルテンプスタッフが外注管理していなかったことや、複数回実施されたセミナーにはサクラ率が90%を超えているセミナーもあったことが問題視されました。

20年8月、新卒採用に関する記事でパーソルキャリア株式会社はたらクリエイティブディレクターによる「そのままだと落とすけどどうする」発言が炎上。過去には採用面接で「2億円で片腕を切り落とせるか」などの発言があったことが就活生に暴露され合わせてプチ炎上。

20年11月、株式会社リクルートコミュニケーションズの社員が、OB訪問アプリ『マッチャー』を利用し、就活女性に睡眠薬を飲ませて性的暴行を加えた準強制性交容疑で逮捕されました。被害には数十人があっていたとされます。リクルートとマッチャーは業務提携関係にあったことや、就活をビジネスにしている企業の社員が、就活を利用し性被害をしていたことが問題視されました。

大型倒産・上場廃止・事業再生・国内リストラ

スマートフォン決済サービスをおこなう株式会社Origamiは、1月にメルペイに会社を丸ごと売却すると発表しました。事実上の経営破綻で社員9割にあたるリストラも実行されました。

山梨県特化のフリーペーパーと求人サイトを運営している株式会社エールが、3月に資金繰りの悪化により自己破産申請にいたりました。

飲食業界専門の求人サイト「クックビズ」を運営するクックビズ株式会社は、8月に希望退職者の募集による50名(従業員の25%)の人員削減を明らかにしました。

地域情報誌「ぱど」や求人サイトを運営している株式会社ぱどは、5月に希望退職者の募集による100名の人員削減を明らかにしました。さらに追加募集として70名の希望退職者を募り総勢178名を削減することになりました。

株式会社ペッパーフードサービスは、7月に「いきなり!ステーキ」を114店舗を閉店し、希望退職者の募集による200名の人員削減を明らかにしました。またペッパーランチ事業を売却し、再建を図っています。

アパート賃貸大手の株式会社レオパレス21は、6月に希望退職者の募集による1000名の人員削減を明らかにしました。その結果、経理担当者が希望退職に想定以上に殺到してしまい決算再延期を発表しました。

20年3月、ステーキハンバーグチェーン店を展開している株式会社エムグラント・フードサービスが破産手続開始決定を受けました。創業社長の井戸実氏はロードサイドのハイエナとしてメディアに登場する機会も多かった経営者でした。

20年に希望退職募集を開示した上場企業は93社。2009年の191社に次ぐ高水準。募集人数は判明している時点で1万8千人を超えており、業種別ではアパレル・繊維製品を筆頭に、自動車関連と電気機器が多い結果になりました。

100名以上の応募者数を公表したのは35社。ミツバ、ノーリツ、ファミリーマート、三菱自動車工業、ワールド、東芝テク、オンワード、廣済堂、ロイヤルホールディングス、エイベックス、チムニーなど昨年から大幅に増加しました。

20年に経営破綻による上場廃止は2社です。アパレルの株式会社レナウン(東証1部)と、医療関連事業の株式会社Nuts(ジャスダック)です。ナッツは外部調査委員会の調査報告書が発表され、偽計や現金差異、不適切な資金流出などの問題が明るみとなりました。

業績悪化による上場廃止は3社です。上記2社に加えて、群馬県高崎市に本社を置く油圧プレス機器メーカーの株式会社小島鐵工所(東証2部)は時価総額が上場廃止基準の10億円未満になったため上場廃止となりました。

上場企業で事業再生を申請したのは2社です。東証2部上場の樹脂加工大手化学メーカー「児玉化学工業株式会社」と、東証1部上場のカーエアコン製造電機メーカー「サンデンホールディングス」になります。

2020年の人材系の新規上場会社一覧

02月07日 株式会社ジモティー(ジモティー運営)
03月06日 株式会社ウイルテック(機電系・建設系技術者派遣事業)
03月09日 株式会社フォーラムエンジニアリング(エンジニア人材の派遣事業・紹介事業)
03月13日 フォースタートアップス株式会社( スタートアップ企業対象の人材支援サービス)

まとめ

ユーキャン新語・流行語大賞では「3密」が年間大賞に選ばれました。その他にアベノマスク、愛の不時着、あつ森、鬼滅の刃、ソロキャンプが選ばれており、新型コロナウイルスに関連するキーワードが中心でした。

世界規模のコロナ感染症の影響で東京オリンピックが延期。2020年はコロナ禍またはアフターコロナと呼ばれ、各社とも営業戦略を見直すターニングポイントとなりました。

求人広告掲載件数は4月以降に40%~50%減に推移。一方で、各社の第一四半期の速報では、人材派遣や人材紹介領域はコロナの影響を感じさせない会社もありました。しかし、アフターコロナの環境がいつまで続くのかは不透明で、楽観視できない状況が続きます。

コロナ禍でも巣ごもり需要を商機とした通販やデリバリーなど生活様式の変化を捉えた企業が利益を伸ばしました。漫画で大ブームを巻き起こした『鬼滅の刃』は今年を代表するヒット作品となりました。

参考:https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20210121_01.html
参考:https://www.fukeiki.com/2021/01/2020-restructuring-list.html

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この記事を書いた人

求人広告代理店のリクエストエージェントが運営する採用ノウハウサイトです。アルバイト・パート採用から正社員採用まで、採用支援のプロが現場で使える採用ノウハウを伝えます。また就職活動・転職活動の悩みや不安を解決し、企業と求職者の架け橋を目指しています。

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