30歳で転職を検討している方の中には、「転職時期を逃した」「未経験業種では採用されない」など、転職活動に一歩踏み出せない方もいるでしょう。
結論から言うと、30歳の転職は遅くありません。また、未経験業種への転職も可能です。本記事では、30歳で転職を検討している方に向けて、転職を成功させるコツや注意点について解説します。
目次
30歳の転職は遅くない
多くの方が30歳を過ぎると、転職に不安を感じます。しかし、30歳でも転職は遅くありません。
厚生労働省の「令和2年雇用動向調査結果の概況」によると、2020年の年齢階級別転職入職者率は、20代と30代前半の割合は、ほぼ同じ結果であることがわかりました。
年齢 | 男性 | 女性(合計) |
---|---|---|
19歳以下 | 17.1% | 20.7% |
20~24歳 | 12.7% | 14.3% |
25~29歳 | 12.2% | 13.8% |
30~34歳 | 11.1% | 10.0% |
35~39歳 | 7.6% | 10.6% |
厚生労働省「令和2年雇用動向調査結果の概況」
厚生労働省の調査結果から、男性・女性どちらも30歳の転職は、まったく遅くない、と言えるでしょう。
30歳の転職でキャリアアップと未経験転職の違いとは
30歳で転職を考えている方には、2通りの目的があります。それは「キャリアアップ転職」なのか、「未経験業種への転職」なのかです。それぞれの転職で意識すべきポイントを解説します。
キャリアアップで転職する場合
30歳でキャリアアップを目的とした転職をする場合、これまで培ってきた経験やスキルを、新しい職場でどのように活かせるのかアピールすることが大切です。
30歳は5〜10年社会人を経験している方が多く、即戦力で採用したいと考えている企業はたくさんあります。
特に、キャリアアップを目指すのであれば、これまでのマネジメント経験が採用担当に好印象を与える強いポイントです。
あなたが目指しているポジションを考え、転職先で実現できるかを、面接の中で見定めることが大切です。
未経験業種へ転職する場合
30歳で未経験業種へ転職する場合は、これまでのスキルや経験よりも、なぜその仕事をしたいのか、をしっかりと面接官に伝えることが大切です。
企業が未経験で人材を採用する場合、経験者を採用するよりも教育コストがかかります。そのため、長期間活躍してくれる人材を採用したいと考えるのが普通です。
30歳でも、仕事に対する熱意があれば、長期的なキャリア形成が見込めるため、採用される可能性は高いと言えるでしょう。
また、これまで培ってきた経験やスキルを活かせる場面があれば、積極的にアピールすることが大切です。未経験でも、即戦力で活躍できる人材、だと面接官に好印象を与えられます。
30歳で転職を成功させるコツ
次に、30歳で転職を成功させるコツを4つ紹介します。
転職の目的をしっかりと考える
30歳で転職する際は、なぜ転職するのか、しっかりと考えることが大切です。
なぜなら、なんとなく転職をして早期退職すると、次の転職難易度が上がってしまうからです。前述したとおり、30歳の転職は長期的なキャリア形成を考えられます。
しかし、30歳で短期離職をしてしまうと、次の転職で「長く活躍してくれない人」と採用担当に思われてしまう可能性があります。
そのため、なぜ転職するのか、理由を明確にしてから転職活動を進めることが大切です。
これまでのスキルや経験を整理する
30歳で転職を成功させるためには、これまでのスキルや経験を整理しましょう。なぜなら、企業側は即戦力で働けるかどうか、判断しているからです。
応募先企業の仕事内容を把握し、これまでの経験やスキルをどのような場面で活かせるのか、面接官に伝えられるようにしておきましょう。
スケジュール管理を徹底する
30歳まで会社に勤めていると、任せられる仕事量が増え、責任感のある仕事を多く抱えます。人によっては、中間管理職で部下をまとめている方もいるでしょう。
そのため、転職活動では現職に支障が出ないためにも、スケジュール管理の徹底が大切です。また、業務内容を正確に引き継ぐことができるよう、逆算して退職日を決めます。
転職活動のスケジューリングが苦手な方は、転職経験のある先輩社員や転職エージェントに相談しましょう。
転職エージェントを活用する
30歳で転職を成功させやすくするには、転職エージェントを活用しましょう。
転職エージェントは、あなたの希望条件にマッチした求人を紹介してくれたり、応募書類の添削や面接対策をしてくれたりします。
また、非公開求人など、求人サイトには掲載されていない特別な求人を保有しているため、高待遇求人が見つかりやすいでしょう。
転職エージェントのサービスは、基本的に無料です。そのため、転職エージェントを途中で退会しても金銭的な損はしません。
転職活動を一人で進めるのが不安な方は、積極的に転職エージェントを活用しましょう。
30歳で転職する際の注意点
こちらでは、30歳で転職する際の注意点を3つ紹介します。転職活動で失敗しないためにも、事前に確認しておきましょう。
ネガティブ発言をしない
30歳の転職では、特に面接での発言に注意しましょう。その中でも、一番気を付けなけれならないのが、ネガティブ発言です。
例えば、前職の退職理由や短所、愚痴などが挙げられます。ネガティブ発言をしても、面接官から共感は得られず、マイナスな印象を与えてしまうだけです。
そのため、ネガティブ回答をポジティブ回答に言い換えられるよう、準備しておきましょう。
転職する時期に気を付ける
転職する時期は、現職を円満退職するためにも気を付けなければなりません。例えば、退職することを伝えるのが遅かったり、繁忙期と退職時期が被ってしまったりなどです。
転職時期は、遅くても退職日から3カ月前に伝え、できる限り閑散期に退職できるよう転職活動を調整しましょう。
転職の悩みを一人で抱え込まない
転職の悩みを一人で抱え込むことは危険です。
なかなか転職先が決まらなかったり、現職をスムーズに退職できるか不安を感じたりなど、転職活動ではさまざまな不安や悩みが出るでしょう。
転職の悩みを一人で抱え込んでしまうと、ネガティブに考えてしまい、転職成功までの道のりが遠ざかってしまいます。
転職活動をスムーズに進めるためにも、悩みや不安を相談できる相手を事前に見つけておくことが大切です。
30歳の平均年収
最後に、30歳の平均年収を紹介します。30歳の平均年収を知っておくことで、応募先企業の年収を決める、一つの指標となるでしょう。
転職サイトのdodaによると、30歳の平均年収は以下のとおりです。
年齢 | 平均年収 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
30歳 | 407万円 | 435万円 | 365万円 |
参照:doda「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報)」2022/12/19更新
また、あわせて30代の平均年収を見てみましょう。全体の平均年収をみると、31歳と39歳では、58万円の差があると分かります。
年齢 | 平均年収 | 男性 | 女性 |
---|---|---|---|
31歳 | 416万円 | 447万円 | 369万円 |
32歳 | 425万円 | 457万円 | 373万円 |
33歳 | 433万円 | 469万円 | 374万円 |
34歳 | 441万円 | 478万円 | 378万円 |
35歳 | 450万円 | 488万円 | 387万円 |
36歳 | 463万円 | 505万円 | 395万円 |
37歳 | 465万円 | 509万円 | 394万円 |
38歳 | 471万円 | 518万円 | 395万円 |
39歳 | 474万円 | 528万円 | 390万円 |
参照:doda「平均年収ランキング(年代別・年齢別の年収情報) 」2022/12/19
上記の結果から、全体、男性、女性それぞれの最高年収は全体で「474万円」、男性「528万円」、女性「395万円」であることが分かります。
そのため、30歳の転職で年収500万円以上の企業に転職できれば、30代の平均年収よりも高い給料であると言えます。
まとめ
30歳の転職は遅くありません。したがって、30歳のあなたが転職を考えているのであれば、前向きに転職活動を進めていきましょう。
また、30歳の転職では「キャリアアップ転職」なのか、「未経験業種への転職」なのか、転職の目的によって意識すべきポイントが変わります。
「キャリアアップ目的」:これまでの経験やスキルを応募先で活かせるかが大切
「未経験業種への転職」:なぜその仕事をしたいのか、仕事に対する熱意が大切
本記事で紹介した転職を成功させるコツや、転職の注意点を意識し、30歳の転職活動を成功させましょう。