「不採用はゴネれば覆るのか?」——就活中に一度は気になったことがある人も多いはずです。実際に、不採用の電話で「イヤです」と泣いて訴えたことで内定を得たというエピソードが拡散され、賛否両論を呼びました。
結論から言えば、ゴネ得で選考結果が覆るケースは「例外的に存在するが、再現性はほぼない」のが実態です。
本記事では、採用支援会社の視点から「不採用通知は覆るのか」「企業はどう判断しているのか」をリアルに解説します。就活で損をしないために、正しい立ち回りを理解しておきましょう。
採用でも覆る?「イヤです」で内定を得た話題のエピソード
多摩美の女の子で、採用見送りの電話を入れたら「イヤです」と言って電話口で泣き出し、社長の「ならとりあえず来れば」で入れたコが入社10年目となり、制作の大黒柱になってる。その子が先日、社内恋愛で結婚した。相手に最初はフラれて「イヤです」とゴネて付き合いゴールしたと聞いた。一貫してる。
【執念】採用見送りの電話口で「イヤです」と泣いて内定を勝ち取った女子の10年後の姿に賛否両論 – Togetterまとめ
この投稿は約4万8000件以上リツイートされ、「不採用でも覆るのか?」「ゴネ得はアリなのか?」という議論を巻き起こしました。
肯定的な意見|あきらめない姿勢は評価されるべき
これくらいの図太さが必要なんだ
仕事も結婚も粘りが必要だよねえ
すごいなぁ。自分の欲しいものがちゃんとわかってて、ゆくゆくは自分がそれに見合うようになった、ってことかな。人生をちゃんと生きてる。
嫌です、とゴネて入社できる場合があるって、就職活動中の人に勇気、もしくは面倒な技を与える話ですね(笑)
ゴリ押しでいけるんならゴリ押すよね。結果うまくいってんなら最高じゃん。頼れるな。
肯定的な意見としては、「あきらめない姿勢」「意思の強さ」「行動力」を評価する声が多く見られました。結果的に会社で活躍している点もあり、“美談”として受け取る人も少なくありません。
否定的な意見|ゴネ得は不公平で危険という見方
ゴネ得。そんなモンかねェ?
ゴネればどうにかなると思ってそうで……こわい。
いろんな生き方があるなぁ。でもこんな生き方、ワシは「イヤです。」
将来「理不尽な要求をとにかくゴネて押し通す人」にならないか心配です。
一方で、「それは不公平ではないか」「言えば覆るのは理不尽」「他の不採用者が納得できない」「クレーマー気質を助長する」といった否定的な意見も多く見られました。
結局どう見るべきか|再現性のない例外的な成功例
このエピソードは確かにインパクトがありますが、あくまで結果論であり、誰でも再現できる成功パターンではありません。
むしろ「ゴネれば不採用が覆る」という誤った認識を持ってしまうことのほうが、就職活動においてはリスクが高いと言えるでしょう。
問題は学生より企業側|不採用を覆す判断は正しいのか
今回のケースは「学生の行動が良いか悪いか」で議論されがちですが、実際に問題なのは企業側の判断だと思います。
一度は不採用と判断しているにもかかわらず「イヤです」と言われたことで採用に変えてしまう。この対応は、正直あまり良いとは言えません。たまたまその後活躍したとしても、それはあくまで結果論です。
不採用を覆すと「不公平な会社」と見られる
もし「ゴネれば結果が変わる会社」という噂が出回ったらどうなるか。他の応募者からすると納得感はありませんし、「選考基準が曖昧な会社」と見られてしまいます。
採用は企業の信用そのものです。一貫性がなければ、それだけで評価を落としかねません。
現場の採用担当としての判断
自分が採用担当だったら「公平性の観点から特別対応はできません」と伝えて終わりです。泣いて訴えること自体を熱意と評価することはありません。
「不採用理由を教えてほしい」と言われることもありますが、基本的には「総合的に判断しているためお答えできません」と返すしかありません。
本当に志望度が高いなら、アルバイトで関わる、他社で経験を積んで再挑戦するなど、別のやり方を考えるはずです。
なぜこういう判断が起きるのか
こうしたケースは、ワンマン経営者がいる中小企業で起きやすいです。
大手企業や採用担当主導の組織であれば、ルールや基準があるので簡単に覆ることはありません。一方で、経営者が最終判断をする会社だと「そこまで言うなら」と感情で決まることもあります。
今回のケースも「アルバイトなら一度来てみる?」という話であれば、まだ納得感はあったかもしれません。
ゴネ得で選考が覆ったが、結果は裏切りだった体験談
実際に、私が関わった採用現場でも似たケースがありました。一次面接で不採用となった学生が「どうしても御社に入りたいので、もう一度チャンスをいただけませんか」と新卒採用エージェント経由で再打診してきたのです。
その熱意を受けて、社長が「そこまで言うなら通過させよう」と判断し、本来は不採用だった選考結果が覆りました。いわゆる「ゴネ得」の形で最終面接に進んだケースです。
しかし結果は、最終面接の直前に「他社の内定が決まったので辞退します」と連絡が入り、面接はキャンセル。企業側は時間とリソースを割いたにもかかわらず、何も残らない形となりました。
冒頭で紹介したエピソードのように、結果的に活躍して美談になるケースもゼロではありません。ただし現実には「熱意があるように見えて、実は優先度が低かった」というケースも十分に起こり得ます。
だからこそ、企業側が一度決めた選考結果を感情で覆すのはリスクが高い判断ですし、求職者側も「ゴネればどうにかなる」と考えるのは危険です。
採用のリアル:公平性はどこまで担保されているのか
学生はあらゆる可能性に賭けてチャレンジしていいと思います。ただし今回のケースは、中小企業や経営者判断だからこそ成立した例外と捉えるべきです。
実際、私の周囲でも熱意をもって行動した学生の話は多く聞きますが、それだけで内定を獲得できたケースはほとんどありません。
(熱意を伝える姿勢は大切ですが、熱意の方向性を正しく認識し、自己中心的で相手に迷惑をかけるような行動は控えましょう。)
また、採用する企業側にも課題があります。本来、採用は公平公正であるべきですが、現実にはコネ採用や学歴フィルターなど、不透明な選考が存在しているのも事実です。
面接自体も人が判断する以上、どうしても主観が入ります。だからこそ、せめて採用結果の判断だけは一貫性と公平性を保つべきではないでしょうか。
まとめ
不採用を覆したエピソードは印象的ですが、それを再現しようとするのはリスクが高い選択です。採用の現場では、感情的な主張よりも「再現性のある実績」や「論理的な志望理由」が重視されます。
だからこそ、不採用に納得できないときはゴネるのではなく「なぜ評価されなかったのか」を冷静に振り返ることが重要です。その積み重ねが、次の内定に直結します。
もし自分一人で整理が難しい場合は、第三者の視点を入れるのも有効です。採用基準や企業の本音を理解したうえで戦略を立てることが、結果的に最短ルートになります。


























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