リファラル採用のメリット・デメリットと注意点

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この数年間で一気に導入する企業が増えたリファラル採用。NHKでも報道されるなど注目度が高まっています。リファラル採用のメリットばかりに注目されがちですが、様々なリスクもありますので、しっかり理解したうえで判断してもらいたいと思います。リファラル採用これから導入しようと検討している企業にリファラル採用のメリット・デメリットや注意点をまとめてみました。

リファラル採用とは

リファラル採用(リファーラルリクルーティング)とは社員の人脈ネットワークを活用して、友人や元同僚などを紹介・推薦してもらう制度です。人手不足や売り手市場の背景から、求人広告や転職エージェント経由では採用できなくなったことから注目を浴びるようになりました。広義では同じ意味になりますが縁故採用は親族や血縁関係、リファラル採用は友人や知人を指す場合が多いです。

リファラル採用のメリット

≪メリット1≫マッチング率

紹介や推薦の時点で企業風土や社風とのマッチング率が高いです。すでに働いている従業員からの紹介であれば、自社に合いそうな人材からの紹介が高く、また人柄(人間性)も期待できます。会社の良い点や悪い点を理解してくれている従業員であれば、その企業の価値観にあった人材の採用が見込めます。ただし紹介者がどういった理由、どの程度の感覚で推薦しているかは事前にヒアリングしておいたほうがいいです。

≪メリット2≫アプローチ層の変化

なかなかアプローチできない人材が見つかる可能性があります。転職活動をおこなっていない人へのアプローチも可能になります。また人材紹介会社経由だと大手有名会社と競い合いがちですが、紹介経由だと競合他社に奪われるという心配が少ないです。

≪メリット3≫採用コストの削減

採用コストの削減につながります。紹介報酬(インセンティブ)を導入する企業が多いですが、それでも人材紹介会社に支払うフィー(手数料)よりも格段に安く抑えられます。エンジニア1名採用の採用コストが数百万円と言われている中で、紹介報酬(インセンティブ)100万円以下で抑えることができるのであれば採用コストは大きく削減可能です。

リファラル採用のデメリット

≪デメリット1≫引き抜き行為

前職のメンバーや就業中の友人に声をかけると「引き抜き行為をしている」と思われる可能性があります。特に管理職に声をかけるときは配慮が必要になります。軽い食事やオフィス案内レベルでさえ誤解される可能性がありますので、事前に目的を説明することが大切です。

例えば同じ業界の仲間(会社)として業界やサービスを盛り上げたいと考え、意見や情報交換を積極的におこなっていこうと提案しても、それらを情報流出やノウハウ盗用と捉える人もいます。説明には十分に気をつけてほしいと思います。

≪デメリット2≫紹介者と候補者の関係性

不合格になった場合に紹介した側とされた側の関係が悪くなる可能性があります。紹介数が少ない場合の多くはここに問題点があります。どれだけ魅力的な報酬を設定しても関係性の悪化を懸念して社員は紹介を躊躇します。

採用担当が社員に理解を求めるだけでなく、誘い方のアドバイスが必要です。誘われた方は「ヘッドハンティングされた」「誘ったなら必ず受かる」と思われてしまう可能性がありますので、「入社してほしい」と誘い方ではなく「気になったら一度会社を見ていない?」というフランクな誘い方が大切です。

≪デメリット3≫入社動機の形成

リファラル採用では入社動機や志望動機が曖昧になりがちです。一般的な候補者であれば転職理由や志望動機が明確ですが、リファラル採用の場合「誘われたので、とりあえずエントリーしました」という志望動機になってしまいがちです。

採用担当者はファーストアプローチの際に会社の魅力を詳しく伝え、候補者自ら「入社したい!」と思わせることが大切です。どれだけ優秀な人でも「会社に貢献しよう」「この会社で頑張ろう」というモチベーションが低ければ活躍できません。面接はあとからでも設定できますので、まずは能動的な入社環境を創り出しましょう。

リファラル採用の注意点

≪注意点1≫温度感に注意

採用担当者と社員と候補者の温度感に注意が必要です。採用担当者が「制度を導入すれば皆が紹介してくれる」「会社に来てくれたということは入社したいと思っている」と考えてしまうと社員や候補者とギャップが生まれてしまいます。多くは特定の数名の社員のみが少し紹介してくれると考えたほうが無難です。少しずつ成功体験を共有したり、定期的に告知したりすることで社員の温度感を高めていきましょう。

紹介案件は数ヶ月もしくは1年がかりの場合もあります。あせらず長期的視野で進めるのが大切です。いくらすぐ入社してほしいと思っても、あせらないことです。あせりは相手にも伝わってしまいますので、引かれないようにしましょう。

≪注意点2≫制度設計は必要不可欠

社員紹介報酬制度(インセンティブ)の制度設計は必要不可欠。低すぎない設定がベターです。報酬が数万円だと労力やリスクより手間のほうが高い印象を受けます。出し惜しみが良い結果に繋がることは少ないです。高額すぎるのも法律的に問題になりますが、低すぎないようにしましょう。

また評価制度で会社貢献が高いとしてプラス評価をすれば社員のやる気も変化します。紹介する社員にとって友人(候補者)の人生の判断を背負う覚悟(リスク)があるのに、紹介してくれる行為は本当に会社のことを愛してくれている社員です。

≪注意点3≫中小企業の成功率は低い

経営者や採用担当は制度設計をしっかりすれば従業員が自然に友達を紹介してくれると思わないことです。リファラル採用を実施しているのが株式会社LIG、株式会社クラウドワークス、株式会社メルカリ、株式会社ビズリーチ、株式会社ディー・エヌ・エーなど大手企業や有名IT企業です。

成功事例として紹介されている企業は前提として知名度が高く、魅力的なサービスを展開しています。大手企業であれば入社したいと考えている人は多いため、比較的リファラル採用の紹介数や成功率が高いですが、中小企業がリファラル採用を導入しても多くは残念な結果に終わります。

リファラルリクルーティングの支援ツール

株式会社リクルートキャリア提供の『GLOVER HR(グラバーHR)』や株式会社インテリジェンス提供の『MyRefer』など大手企業がリファラルリクルーティングを支援するツールやシステムを展開しています。これらはリファラル採用の採用管理だけでなく求人票の作成など様々な機能があります。

300人以上など従業員数が一定規模の会社には価値があり、人材紹介会社と5社~10社以上付き合っているレベルの場合は人事部の管理工数の削減にも役立ちます。従業員規模が少ない場合は、紹介制度を導入しても1人あたりの紹介人数は平均で年間0.2名以下も多いため、管理工数が多くなくExcel管理で十分な場合もあります。

私が携わった会社は従業員規模60名の会社でしたが、従業員全体の年間の紹介人数は約5名でした。もちろん社員からの紹介人数は採用担当者の本気度や会社の待遇条件にも左右されますが、まずは様子を見ながら採用支援ツールを導入するかどうか判断するのがベターだと思います。

まとめ

リファラル採用が注目されていますが成功しているのはほんの一握りの会社だけです。多くは「導入しているが紹介数は少ない」というのが現状です。リファラル採用は完璧ではありません。当たり前ですがリファラル採用だけでは採用は成功しませんので、あくまで「紹介してくれたらラッキー」「やらないよりかはマシ」程度で考えておくことをおススメします。

リファラル採用を実施しても積極的に友人や前職メンバーに声をかける人はいません。前職のメンバーと会った時に話のネタとして「そういえば今の会社は社員紹介経由で入社するとインセンティブがあるんだよね。気になったら声かけてね」程度だと認識しておきましょう。

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