不採用通知はゴネ得で覆る!?就職活動の公正公平の重要性を解説します!

8月に新卒採用の不採用通知に納得いかない学生が「イヤです」と泣いたことで内定を得られたというエピソードが話題になりました。元採用担当者・採用代行会社の立場からこの問題について考察してみました。

採用見送りの電話口で「イヤです」と泣いて内定を勝ち取った女子

多摩美の女の子で、採用見送りの電話を入れたら「イヤです」と言って電話口で泣き出し、社長の「ならとりあえず来れば」で入れたコが入社10年目となり、制作の大黒柱になってる。その子が先日、社内恋愛で結婚した。相手に最初はフラれて「イヤです」とゴネて付き合いゴールしたと聞いた。一貫してる。

【執念】採用見送りの電話口で「イヤです」と泣いて内定を勝ち取った女子の10年後の姿に賛否両論 – Togetterまとめ

このツイートは約4万8000件リツイートされ、賛否両論が起きました。

肯定的な意見

これくらいの図太さが必要なんだ

仕事も結婚も粘りが必要だよねえ

すごいなぁ。自分の欲しいものがちゃんとわかってて、ゆくゆくは自分がそれに見合うようになった、ってことかな。人生をちゃんと生きてる。

嫌です、とゴネて入社できる場合があるって、就職活動中の人に勇気、もしくは面倒な技を与える話ですね(笑) いえ、凄い話だな、って思っています。

ゴリ押しでいけるんならゴリ押すよね。結果うまくいってんなら最高じゃん。頼れるな。

筋が通っているしあきらめない力が強い(゚∀゚ ) ものわかりよろしく、すぐあきらめる人が多いけど、やっぱりあきらめない人の方が強いね(゚∀゚ )

肯定派には女性の意思の強さと行動を称賛する書き込みが多く見られました。

否定的な意見

 ゴネ得。そんなモンかねェ?

ゴネればどうにかなると思ってそうで……こわい。

いろんな生き方があるなぁ。こういうのを「ごね得」って言うのか。でもこんな生き方、ワシは「イヤです。」

将来「今流行の理不尽な要求をとにかくゴネて押し通す迷惑極まりない老人」みたいになったりしないかが心配です。

否定派には「こういう人とは関わりたくない」「クレーマー気質」「言えば覆るのは理不尽」「美談っぽく語られるのは違うんじゃないのか?」「もしも自分が同じく不採用になった立場だったら納得できない」という意見が多くみられました。

学生よりも企業の判断として良いのか?

諦めない姿勢を評価するか、自己中と判断するかで意見が分かれています。ここで問題視すべきは学生よりも企業側だと思いました。一度は不採用としておきながら、嫌だと言ったら採用にしてしまう企業の対応はマイナスだと思います。中小企業ならではの部分がありますが、なぜマイナスなのかまとめてみました。

※不採用の度合い。会社の貴重な戦力になったという結果論。それを見落としていた面接官問題については切り離して考えています。

選考が不平等なブラック企業だと思われる

ネットで「この会社はゴネたら不採用を取り消してくれる」という評判が出回ってしまったら会社の評判としては致命的です。「選考が不平等なブラック企業」として噂が広まってしまうでしょう。

もしも自分が採用担当者だったら

「公平性の観点から、〇〇さんを特別扱いは出来ない」と伝え、電話を切ります。イヤだと泣くだけの行為は熱意ある行動とは呼べません。類似のケースとして「合否結果(不採用)の理由を教えてほしい」という学生もたまにいますが「総合的に判断しており、採用選考内容は非公開です」と伝えています。

本当に熱意があるのならアルバイトで入社するという手段も検討できるし、数年他社で学んで再チャレンジするという選択肢もあります。本当に好きな会社ならそれぐらいすると思います。

ゴネ得は中小企業の経営者がやりがち

就職活動でゴネ得をOKにしてしまうのは中小企業の経営者です。大手企業であれば、公平性の観点からダメと言いますし、採用担当者だとルールや公正公平感を大切にします。しかし、経営者だと「熱意がある」として感情(気持ち)を大切にします。

特にワンマン経営の企業はゴネ得が通用する傾向が強いです。※今回の「とりあえず来れば?」が「アルバイト入社ならOKだけどどうする?」であれば問題ないと思います。

実際にあったゴネ得エピソード

今回と全く同じケースでほぼ同じエピソードを体験したことがあります。一次面接で落ちた学生が「どうしても入社したいからもう一度面接をしてほしい」と新卒採用エージェント経由で連絡がありました。社長は「そんなに熱意があるのだったら通過させる」と鶴の一声で合格に覆りました。

そのときは学生の言葉を信じて、最終面接の通知をだしましたが・・・・・結局、他社の内定が決まって、面接キャンセルという結果に!開いた口が塞がりませんでした。冒頭のケースでは結果的に美談になっていますが、言葉だけの場合も十分あり得ます。こういうことになりかねませんので、一度決めた選考結果は覆すべきではありません。

まとめ

学生はあらゆる可能性に賭けてチャレンジすればいいと思います。ただし今回のケースは中小企業だからこそOKになったケースだと認識したほうがいいかもしれません。私の周囲でもかなり熱意をもって様々なことにチャレンジした学生の逸話を聞きますが、そのおかげで内定をもらったという話を聞いたことがありません。

第一希望の企業に落ちたからと言っていつまでも落ち込むのではなく、気持ちを切り替えて別の企業にチャレンジすることも大切です。※なお熱意を伝える姿勢は大切ですが、熱意の方向性を正しく認識し、自己中心的で相手に迷惑をかけるような行動は控えましょう。

求人企業の採用担当者には私情で採用をしないように、公平公正性を正しく認識してもらいたいと思います。就職活動には広告代理店に代表されるコネクション採用や、学歴フィルターと呼ばれる不透明な採用フロー問題があります。そもそも採用面接も主観が入りがちであり、不公平・不平等な部分がどうしてもあります。せめて採用結果くらいは公平にしてもらいたいと思いました。

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