今後、ニーズが高まりそうな資格として社会福祉士に興味を持っている人も多いのではないでしょうか。もしくは、すでに社会福祉士の資格を持っている人もいることでしょう。この社会福祉士ですが、お給料は一体どのくらいなのでしょうか。今回は社会福祉士給料の平均から仕事内容まで詳しく調べてみました。
目次
社会福祉士の給料ってどれくらいなの?
社会福祉士とは、現在ではとても需要の高い職業であるため、人気のある国家資格であると言われています。しかし、現在はこのような介護系の国家資格が増えていることから、介護福祉士との区別などがつかない人も多いのではないでしょうか。
今回は、この社会福祉士の仕事内容や資格の取り方、給与の違いや各地方においての求人傾向まで詳しく調べてみました。これから社会福祉士の資格を取ろうと考えている人や、社会福祉士の資格を持っており、これから就職する人は、ぜひこちらの記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。
社会福祉士とはそもそもどんな仕事?
現在では似たような名称の国家資格もたくさんあることから、社会福祉士の資格や内容についてあまり知らない人も多いのではないでしょうか。まずは、この社会福祉士とはどんな仕事内容で、どのようにすれば得られる国家資格なのかを詳しく説明していきます。
社会福祉士の仕事内容
社会福祉士とは、高齢者や障害を持つ人で日常生活が困難な人や、その家族の相談に乗り、助言したり指導を行う仕事であると言われています。直接的な介護はせず、あくまでも相談や援助をする立場であり、「ソーシャルワーカー」や「生活相談員」とも呼ばれています。
おもに福祉施設や行政機関などで働くことが多いですが、介護福祉士やホームヘルパー、理学療法士、作業療法士、医師などと連携をし、デイサービスを行ったり病院などでも援助を行うことが多い仕事です。
社会福祉士になるには国家資格が必要!
社会福祉士になるには、社会福祉士の国家試験を受け、合格する必要があります。さらに、国家試験を受けるためには、いくつかの条件を満たし受験資格を得ることが必要となります。また、合格しても資格証明がないため、卒業証書がおもに就職するにあたって参考にされることが多いようです。
社会福祉士の受験資格
社会福祉士の受験資格を得るには、以下のような方法があります。
1.厚生労働省が指定する指定科目18科目の4年制大学を卒業する
2.福祉系の4年制大学で指定の課程を修了する
3.福祉系の短大で指定課程を修了し、1〜2年ほど実務経験を積む
4.一般の4年生大学を卒業後、一般の養成施設で学ぶ
5.一般の短大を卒業後、実務を1〜2年経験したのち、一般の養成施設で学ぶ
6.通信制大学で指定の大卒資格を得る
社会福祉士試験の難易度
社会福祉士の難易度は、偏差値ランキングではおおよそ57くらいであり、合格率は30%程度であるため、難易度としては普通であると言われています。しかし、実際には必須の履修科目や実務経験が必要であり、勉強期間も長いことから、受験資格を得るまでには約1,500時間以上もかかると言われています。
また、試験内容も浅く広く、かなり包括的な内容が中心となるために、福祉関係・支援・相談以外にも、行政の知識や診療報酬、社会調査、精神医学、心理学、民法、経済理論までと、かなり広範囲な内容です。そのため、難易度は普通であると言われているものの、簡単そうに見えて実際にはやや難易度の高い国家資格であると言われています。
介護福祉士との違いはなに?
社会福祉士は、年齢や性別、障害の種類に関係なく、日常生活でなんらかの支障を持つすべての人に対して相談にのり、助言や指導を行うことがおもな仕事です。そのため、福祉について幅広い知識が必要であり、福祉関係の法律や制度、さらにはカウンセリングを行うための心理学についての知識も必要になります。
それに対し、介護福祉士は、高齢者や身体が不自由な人に対して、直接自らが介護を行うことがおもな仕事です。身体の不自由な人や介護が必要な人の、日常生活のすべての介護を行うため、直接的な関わりが多い仕事になります。このようなことから、社会福祉士と介護福祉士との大きな違いは、直接介護を自らが行うかどうかという点になります。
社会福祉士の給料の平均はどれくらい?
社会福祉士の初任給はどれくらい?
社会福祉士の初任給は、卒業の資格によりそれぞれ異なります。大卒である場合には、17〜20万円程度、短大や専門卒である場合には、15〜18万円程度が初任給であると言われています。これは額面の給与であるため、手取りで考えた場合にはさらに数万円が引かれることから、実質手取り金額は10万円台前半〜15万円くらいであることが多いようです。
また、社会福祉士は勤務先や地域により給料や待遇に差があると言われています。都道府県の施設や団体に勤務した場合には、各地方自治体の公務員給与規定に準じた安定した給与を得ることができると言われています。民間の施設で働いた場合でも、その地域の公共機関の職員と同程度の給与額であることが多いようです。
一般的に社会福祉士は、社会福祉法人や医療法人の職員として採用されることが多いため、一般企業よりも給与や待遇などは安定性があると言われています。
20代の場合
社会福祉士の20代の平均年収は、200万円〜400万円未満であると言われています。とくに高額な給与ではありませんが、基本給以外にも資格手当などが多少上乗せされることもあるので、同年代の一般的な職種の給与よりも多いこともあるようです。
30代の場合
社会福祉士の30代の平均年収は、400万円〜600万円未満であると言われています。30代にもなると、キャリアを積んでいることもあり、給与が大幅にアップしている人も多いようです。
社会福祉士は、公務員でも社会福祉施設の職員であっても、将来を有望視されている人材であるため、キャリアを積むことによって昇進や昇格も期待できる職業であるからです。そのため、自分の頑張り次第でキャリアアップ・年収アップと両方を期待できる可能性が高い職業であると言われています。
40代の場合
社会福祉士の40代の平均年収は、400万円〜600万円であると言われています。年齢やキャリアに応じてそれなりに給与も上がりますが、上がる金額にだいたいの上限があるため、40代以降の給与アップは金額的にはさほど大きい額にはならないようです。
どこで働くの?職場の選択肢は多い?
給料が安い社会福祉士の職場
国が直接的に関係している大きな施設ではなく、小さな施設や事業所で社会福祉士として働くと、給料が安いと言われています。
社会福祉士とは、将来性があり有望視されていると言われていますが、実際には社会福祉士でなくてもある程度の知識や人柄で対応できてしまうことと、社会福祉士を雇うことでの経営的なメリットが雇う側にあまりないからです。
なぜなら、社会福祉士は身体的・精神的な障害で日常生活に支障がある人に対して相談にのり、援助を行う仕事だからです。そのため、病院などに社会福祉士を配置したとしても、その事業としての直接的な収入につながるわけではありません。
小さな施設や事業所などでは社会福祉士のメリットをあまり感じることができないことが、給料が安い理由と言われています。
給料が高い社会福祉士の職場
逆に、各地方自治体や社会福祉法人・医療法人の職員として就職した場合には、待遇もよく給料も公務員給与規定に準ずるため、安定した金額を得ることができると言われています。そのため、給料を重視して就職したい場合には、なるべく自治体や社会福祉法人・医療法人の職員に応募するようにした方が良いでしょう。
独立した場合の給料
最近では個人で事務所を構え、相談支援などをおこなう「独立型社会福祉士」も増えていると言われています。そのため、日本社会福祉士会でも独立の養成研修を行うなど、社会福祉士の独立を後押ししているようです。
このような独立型社会福祉士の収入ですが、現在はまだ社会福祉士として独立している人が少ないために、正確なデータが存在していません。そのため、平均的な給料はわかりませんが、起業して独立している人と変わりはないため、経営手腕や営業の仕方によって、その収入も様々であると言えるでしょう。
地域によってこんなに違う!?社会福祉士の求人の傾向
平均年収などをご紹介してきましたが、社会福祉士の求人とは場所によって変わるのでしょうか?次からは、日本全国の社会福祉士の求人の傾向を解説していきます。就職の際には、この求人傾向を参考にし、ぜひ効率的なアプローチをしてみてください。
北海道・東北地方の求人の傾向
北海道・東北地方の社会福祉士の求人の傾向は、おもに病院や介護施設、地域包括センターなどが多いようです。平均月収は14〜20万円程度であり、中でも一番給与が良いのは生活相談員、もしくは大学病院などで最高28万円程度の給料の会社もあります。働く職場により、賃金にかなり金額の差があるので、慎重に選ぶことをおすすめします。
関東・中部地方の求人の傾向
関東・中部地方の求人は、やはり人口が多い東京、埼玉、神奈川に求人が集中しているのが特徴です。また、求人としてはおもにデイサービスのある施設や病院で、物価などの違いからか、平均月収は18〜26万円程度が多いようです。
このようなことから、社会福祉士の求人は、やはり人口が密集している地域に多く、あまり大きな病院や施設がない場所の場合には、需要が少ないといって良いでしょう。
近畿・中国地方の求人の傾向
近畿・中国地方の社会福祉士の求人も、大阪などの人口が多い地域の方が需要が高いようです。大阪の場合には、行政法人や国の支援している事業所も多く、比較的給料が良い求人が多いのが特徴です。そのため、平均月収は20〜25万円程度と他の地域に比べやや高めになっています。
四国地方の求人の傾向
四国地方の社会福祉士の求人の傾向も、病院もしくはデイサービスなどを行う施設が多いようです。平均月収は13〜17万円程度であり、就職する病院や施設の大きさで給料が異なります。
また、社会福祉士よりも、ヘルパーとしての求人も多いため、どちらかというと現場の人出が足りない現状が見受けられます。社会福祉士として就職しても、ヘルパーとして働くことも多い可能性があるため、よく募集案内を読んでから応募するようにした方が良いでしょう。
九州地方の求人の傾向
九州地方の社会福祉士の求人の傾向は、病院および地域包括センターなどが多いようです。中には、36万円と、社会福祉士給料の中ではかなり高額な賃金の地域包括センターもあるため、求人要項はよく調べた方が良いでしょう。
また、沖縄の社会福祉士の求人は、他の地域と比べ案件が少ないため、社会福祉士になろうと考えている人は、一度検討する必要があるかもしれません。給料も物価が安いためか、平均月収は12〜20万円程度となっており、金額にもかなり差があるため一度問い合わせてみた方が良いかもしれません。
就職先や地域の傾向をよく知って求人に応募しよう!
社会福祉士とは、高齢者や障害を持つ人で日常生活が困難な人や、その家族の相談に乗る仕事であり、介護福祉士のように直接的に介護を行う職種ではありません。しかし、現在では介護福祉士の人手が不足していることにより、社会福祉士であっても現場での作業や送り迎えなどが仕事の中心となる場合もあると言われています。
そのため、社会福祉士になって働きたいと思うのであれば就職先を慎重に選ぶ必要があるでしょう。また、社会福祉士は就職先によって、待遇や給料に差があります。なるべく高い給料の職場で働きたい人には、大きな病院や施設、もしくは各地方自治体や社会福祉法人・医療法人の職員として就職することをおすすめします。
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