キャリア相談というと、多くの場合は転職を希望している人が受けるもの、というイメージがありませんか?
実際、キャリア相談を受ける人は転職希望者が多いですが、転職を検討していない方でもキャリア相談は利用できます。
今回は、転職を希望しない方のキャリア相談のメリットや相談先、相談方法について解説していきます。
転職を希望しない場合でもキャリア相談はできる?
転職希望がなくてもキャリア相談は可能です。むしろ、今の働き方にモヤモヤを抱える人にこそおすすめです。
キャリア相談というと「転職を考えている人が利用するもの」というイメージが強いかもしれません。しかし実際には、転職を希望していない人でも十分に活用できます。
たとえば、30代女性のなかには「今の働き方を見直したい」「育児との両立に不安がある」という悩みを抱える人も多くいます。また、40代男性の中には「このまま同じ職場にいてよいのか」「もっと自分らしいキャリアを描けないか」と考える方も少なくありません。
こうした不安や迷いは、転職を前提にしなくてもキャリア相談の場で整理し、自分の価値観や強み、今後の働き方の方向性を明確にすることでスッキリすることがあります。
また、将来的に転職の可能性がある場合にも、いきなり行動を起こすのではなく、まずはキャリアの棚卸しから始めることで、後悔のない選択ができるようになります。

キャリア相談を受けるメリット
キャリア相談は、転職だけを前提にしている方はもちろん、転職を具体的に考えていない方でも自分のキャリアに活かせる以下のようなメリットが期待できます。
自分の強みやキャリアを客観的に整理して自己分析ができる
キャリア相談を受けるメリットとして挙げられるのが、自分自身を知ることができる点です。
社会人としての経験が長くなるにつれて、自分の仕事に対するフィードバックをもらえる機会が減るため、自分が何をできるのか、どのような強みや価値観を持っているのかがわかりにくくなるものです。
そこでキャリア相談をすることで、カウンセリングを通して自分の強みやキャリアを客観的に整理してもらえます。自分一人では気づくことが難しい点を把握した上で自己分析を行うことで、自分自身に対する新たな発見や気づきが得られるでしょう。
キャリアプランを明確にできる
自分のキャリアについてよく考えたことがない、という方は多いかもしれません。
転職を具体的に考えてはいないものの、ただ何となく今の職場で仕事を続けている、という状態が続く毎日で、将来について不安を抱えたことはないでしょうか。
このままこの職場で働き続けるべきなのか、それとも転職をした方がいいのかという悩みに加えて、キャリアプランが定まっておらず将来目指すゴールが曖昧となっている方もいるでしょう。そのような目標がない状態では、目指すべきものがなくやるべきこともあやふやになってしまいます。
キャリア相談では、自分の過去や価値観、強みや興味や関心のあるジャンルなどを整理できます。すると、将来何を目指すべきか、今何ができるかがわかりやすくなり、中長期的なキャリアプランを立てやすくなるでしょう。
具体的なキャリアプランを明確にできるので、取り組むべきことがはっきりと自覚でき、仕事に対するモチベーションにも良い変化が期待できます。
仕事への不安を解消できる
キャリア相談では、仕事にまつわるさまざまな悩みや将来への不安について、客観的なアドバイスを受けることができます。
たとえば、「今のままでいいのか」「どんなスキルを身につけるべきか」といったスキルに関する悩みは、多くの人が就業中に感じるものです。自分だけでは判断が難しく、考えが堂々巡りになってしまうことも少なくありません。
また、出産や育児、介護などで将来的に休職する可能性がある場合、「復職後のキャリアはどうなるのか」といった不安を抱く方も多いでしょう。
こうした悩みに対して、キャリア相談では自己分析を通して方向性を明確にしたり、将来に備えたキャリアプランを立てたりするサポートが受けられます。「今の不安」に向き合いながら「これから」を見据えるためにも、キャリア相談は非常に有効な手段といえるでしょう。

キャリア相談を受けられる場所
キャリア相談は、さまざまな場所で受ける機会があります。場所によって無料・有料の違いもあるので、相談しやすい場所や環境などに応じて最適な場でキャリア相談を受けましょう。
公的機関
無料でキャリア相談を受けられる場所の代表格が、公的機関です。
例として、厚生労働省が運営するハローワーク(公共職業安定所)や、厚生労働省委託によって運営されているキャリア形成・学び直し支援センター、各都道府県所管のジョブカフェがあります。
これらの場所では相談員やキャリアカウンセラーが相談に乗ってくれますが、キャリアのプロではない場合もあるため、問題解決に至らないことがある点が難点です。
しかし、無料で受けられるのが大きなメリットなので、初めてキャリア相談する方、キャリア相談をしてみたい方の利用がおすすめです。さらに突っ込んだ内容の相談をしたい場合は、より専門性の高い後述する相談場所を利用してみましょう。
転職エージェント
転職希望者に対してカウンセリングを行い、一人ひとりに最適な求人の紹介や転職サポートを行う転職エージェントは、転職希望者が利用するのが一般的です。しかし、転職を希望していない、検討していない方でもキャリア相談は可能です。
転職エージェントのキャリアカウンセラーは専門的な知識を持ったプロなので、キャリアに関するさまざまな悩みに対応し、的確なアドバイスをしてくれるでしょう。
徹底的に自己分析を行い、そこから導き出す分析結果で最適な仕事やスキルを提示してくれるので、キャリアに悩む方の問題解決につなげられるでしょう。転職エージェントなら、すべて無料でキャリア相談ができるのもメリットです。
オンラインキャリア相談
キャリア相談は相談員と対面で行う形式のほか、オンラインで利用できるキャリア相談があります。
オンラインキャリア相談では、ビデオ通話を利用してキャリア相談ができるので、都市部から離れた場所に住んでいる方でも自宅にいながら気軽に相談できるメリットがあります。
オンラインキャリア相談は無料で受けられるサービスのほか、自分に適したキャリアカウンセラーを見つけて個人的に依頼をする方法があります。個人的に依頼をする場合は有料となることがほとんどですが、有資格者や経験豊富なプロのキャリアカウンセラーなど、希望に合ったカウンセラーとじっくり相談できるでしょう。
なお、上記の転職エージェントでも、オンラインでの面談に対応している場合はオンラインでの面談が可能です。

キャリア相談先を選ぶポイント
キャリア相談先は、自分の目的に合わせて選ぶことが大切です。
キャリア相談を受けられる場所はさまざまあり、どこを選ぶかは「何を相談したいか」「どんな支援を求めているか」によって変わってきます。
たとえば、転職の意思が明確な方は、求人紹介や選考対策などのサポートが受けられる転職エージェントの利用がおすすめです。実際の求人を見ながらキャリアを考えられるため、転職活動を前提にした相談がしやすくなります。
一方で、「今すぐ転職するかは決めていない」「今のキャリアにモヤモヤしている」といった漠然とした不安がある方には、キャリアカウンセラーによる有料相談のほうが適しています。自己分析やキャリア設計に特化しており、転職の有無に関わらず利用できるのが特徴です。
ただし、多くのキャリア相談窓口は、実際には転職を前提としたサービスが中心です。そのため、「転職は考えていないけれどキャリアを見直したい」という場合は、ハローワークやジョブカフェなど公的機関のキャリア相談を活用するのもひとつの手です。無料で利用でき、相談内容に応じて民間サービスの紹介を受けることもできます。

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キャリア相談を利用する流れ
キャリア相談を受ける際は、一般的に以下でご紹介する流れで進めていきます。
キャリア相談を受ける場所を決める
前述のキャリア相談を受けられる場所や選び方などを参考に、まずキャリア相談を受ける場所を決めましょう。いずれの相談先も、事前に相談日時の予約が必要であることがほとんどです。
オンラインでのキャリア相談や転職エージェントの場合は、最初にWeb上で登録が必要なので、登録を済ませてから相談日時を設定しましょう。
相談したい内容や必要書類を準備する
何も事前準備をせずにいきなりキャリア相談をしても、行き当たりばったりの内容となってしまい、納得いく結果が出ないことはあり得ます。
どんなに知識や経験豊富なキャリアカウンセラーであっても、漠然とした相談内容に対しては漠然とした回答やアドバイスしか出せないからです。
キャリア相談を有益なものにするためには、キャリアカウンセラーに具体的な悩みや問題を提示することが求められます。
キャリア相談の時間はおおよそ45~1時間で設定されていることが多いので、その時間内で効率よく相談するためにも相談したい内容をまとめておいた方がいいでしょう。
転職を希望する方のキャリア相談では、履歴書や職務経歴書を持参するとキャリアカウンセラーに自分の現状やスキルなどを把握してもらいやすくなり、その内容に応じたサポートや提案、添削などが受けられます。
キャリア相談の参考にする書類のフォーマットが用意されている場合もありますが、特に指定されていない場合でもこれらの書類を作成しておきましょう。
予約した日時にキャリア相談を受ける
最初に予約した日時に指定の場所、もしくはオンラインでキャリア相談を実施します。相談内容がすぐに解決できるとは限らないため、通常キャリア相談は一度きりで終わることは少なく、複数回受けるのが基本です。不安や悩みが解消できる、または納得いく結果が得られるまでキャリア相談を受けてみましょう。
キャリア相談を利用する際の注意点
キャリア相談を受けることで、自分では気づかないことに気づくことができたり、不安や悩みを解消できたりします。しかし、利用方法によってはキャリア相談の効果を十分に得られないこともあります。キャリア相談を利用する際は、以下で紹介する点に注意しましょう。
素直に本音で話す
キャリア相談をする上でまず心がけたいのが、本音で話すということです。
キャリア相談を担当するキャリアカウンセラーは、相談者の話を聞いて正確に状況を知るところから相談を始めます。
最初にヒアリングするその内容が曖昧だと、適切な回答を出せません。また、虚偽の内容を話すことは、キャリアカウンセラーとの間の信頼関係をなくしてしまう原因となります。
そのため、キャリア相談では自分の状況や悩みを本音で伝えて、正確な情報を伝えるようにしましょう。
キャリアカウンセラーが合わない場合は変更してもらう
キャリアカウンセラーは人によって「合う・合わない」の相性は存在します。
キャリアカウンセラーはキャリア相談のプロですが、合わないカウンセラーと無理に話し続けていても、納得いく回答は出にくいでしょう。
話をしていて合わないと感じたり、思うように話が伝わらないと感じたりする場合は、キャリアカウンセラーを変更してもらうよう申し出るのも一つの方法です。
相談内容を活かすことが重要
キャリア相談は、不安や悩みが解決できたら終わりではありません。
もちろん、不安や悩みを解消できることはキャリア相談の大きなメリットではありますが、相談内容をどう仕事や転職活動に活かすかが重要です。
キャリア相談を通してできたキャリアプランや目標へ向けて何をするべきか、達成するためにどのようなことに取り組むべきかを確認し、実践へ移してみましょう。
その過程で悩みや相談したいことができた際に再度キャリア相談を受けるなど、キャリアプランや目標実現のためにキャリア相談を適宜利用すると効果的です。
まとめ
キャリア相談は、転職を希望、または検討している方はもちろん、転職を希望してはいないけれどキャリアに不安や悩みを抱えている方でも利用できます。
キャリア相談は無料で利用できる公的機関や転職エージェントのほか、プロのキャリアカウンセラーに個人的に相談することも可能です。
キャリアに関する不安や悩みは自分一人で解決できないことが多いため、転職希望の有無にかかわらず、キャリア相談を上手に活用して抱えている問題を解決し、キャリア相談で得た内容をこれからのキャリアで活かしてみましょう。
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