「転職エージェントって、なんで無料なんですか?」
はじめて転職活動をする方ほど、こうした疑問を持つものです。
実際、転職エージェントには「強引に応募を勧められた」「希望と違う求人を紹介された」「連絡が急に来なくなった」など、さまざまな口コミや不信感があります。中には「転職エージェントは怪しい」「使わないほうがいい」と感じている方もいるでしょう。
もちろん、すべての転職エージェントが悪質というわけではありません。ただし、転職エージェントには「企業から報酬を受け取るビジネス構造」がある以上、求職者側が知らない「裏事情」や「営業都合」が存在するのも事実です。
この記事では、同じ人材業界で働く求人広告代理店の立場から、転職エージェントの闇・裏事情、無料で利用できる理由、断られやすい人の特徴、利用時の注意点までリアルに解説します。
転職エージェントの闇・裏事情
転職エージェントは便利なサービスですが、ビジネスである以上、求職者側が知らない「営業事情」や「裏側」も存在します。
登録してから後悔しないためにも、実態を理解しておきましょう。
求職者によって優先順位を決めている
転職エージェントでは、「転職しやすい人」が優先されやすい傾向があります。
キャリアアドバイザーは、一度に多くの求職者を担当しています。そのため、年齢・経歴・転職回数などを見ながら、「内定につながりやすい人」を優先的にサポートしているのが実情です。
実際、若手や経験者は連絡が早い一方で、未経験転職や転職回数が多い人は、求人紹介が少なかったり、返信が遅くなったりするケースもあります。
なかなか求人を紹介してもらえない場合は、あなたの優先順位が低くなっている可能性があります。
キャリアアドバイザーには厳しい営業ノルマがある
転職エージェントの担当者は、想像以上に「営業数字」を追っています。
転職エージェントでは、毎月の売上目標や内定人数、応募数などのノルマが設定されている場合があります。未達成だと査定や賞与に影響するため、担当者も必死です。
そのため「まず応募しましょう」「3日以内に内定承諾するか返事をください」と急かされたり、内定承諾を急がされたりするケースもあります。
もちろん親身にサポートしてくれる担当者もいますが、転職エージェントはあくまでビジネスです。求職者のペースより、営業都合が優先される場面もあることは理解しておきましょう。
関連記事:【完全版】人材紹介会社とは?メリット・デメリットと失敗しない使い方
早期退職すると転職エージェント側も損をする
転職エージェントは、紹介した人がすぐ辞めると売上を返金しなければいけません。
多くの転職エージェントでは、紹介した求職者が短期間で退職した場合、企業へ紹介料を返金する契約になっています。そのため「辞めたい」と相談しても、担当者から強く引き止められる場合があります。
特に「あと数ヵ月だけ頑張ってください」と言われた場合は、返金期限を意識している可能性もあります。もちろん本気で心配してくれているケースもありますが、背景にはビジネス事情があることも少なくありません。
担当者によって当たり外れが大きい
転職エージェントは、担当者によって満足度がかなり変わります。
業界知識が豊富で丁寧な担当者もいれば、経験が浅く、的外れなアドバイスばかりする担当者もいます。
特に若手アドバイザーの場合、求人票を読んでいるだけで、実際の仕事内容を理解していないケースもあります。
もし「話が噛み合わない」「強引すぎる」と感じたら、遠慮せず担当変更を依頼しましょう。転職エージェントは担当者との相性で大きく変わります。
希望条件と違う求人を勧められる場合がある
転職エージェントでは、希望とズレた求人を紹介されることがあります。
理由はシンプルで、転職エージェント側にも「紹介したい求人」があるからです。特に、採用を急いでいる企業や、紹介料が高い求人は優先的に勧められやすい傾向があります。
もちろん、自分では気づかなかった選択肢を提案してくれる場合もあります。しかし「とりあえず応募しましょう」と強引に進めてくる場合は注意が必要です。
求人を紹介された際は「なぜこの求人を勧めているのか」を必ず確認するようにしましょう。
登録後に電話や連絡が増える場合がある
転職エージェントによっては、登録後に営業連絡が増えることがあります。
転職エージェントでは、一度登録すると求職者データがシステムに残ります。そのため、転職活動を止めた後でも、定期的に電話やメールが届くケースがあります。
特に転職意欲が高そうな人材は「最近どうですか?」「新しい求人があります」と頻繁に連絡が来る場合もあります。
もし連絡が負担に感じる場合は、担当者へ連絡頻度を伝えるか、退会手続きをしておきましょう。
転職エージェントは「企業側の味方」である
転職エージェントは企業側の利益を優先して動いています。
転職エージェントは企業から紹介手数料を受け取るビジネスです。つまり、求職者をサポートしながらも、企業との関係維持や採用成功を優先して動く必要があります。
そのため、「今ならコンサル業界の求人が多く、とくに●●社がおすすめです」紹介数を確保したい企業側を優先的に推薦したり、意図的に応募を誘導したりする場合もあります。
特に応募数や面接数を増やしたいタイミングでは、求職者の希望よりも「いま応募しないとクローズする」「まず応募しましょう」と営業色が強くなるケースも珍しくありません。
もちろん、すべての転職エージェントが悪質というわけではありません。ただし、「完全に求職者だけの味方ではない」という前提は理解しておく必要があります。
求人を大量応募させるエージェントもある
転職エージェントによっては、とにかく大量応募を勧めてきます。
転職エージェントの中には「まずは20社応募しましょう」「数を打てば受かります」と、大量応募を推奨してくる担当者もいます。
なぜなら、転職エージェント側としては応募数が増えるほど、内定や売上につながる可能性が上がるからです。
もちろん、転職活動ではある程度の応募数も必要です。しかし、興味のない企業まで大量に応募すると、スケジュール管理が大変になるだけでなく、面接対策も浅くなりやすく、結果的に転職活動が雑になってしまいます。
特に「とりあえず応募してから考えましょう」と強引に進めてくる場合は注意が必要です。転職活動は数だけではなく、自分に合った企業を見極めることも重要です。
釣り求人・空求人問題
転職エージェントの中には、実際には募集していない求人を掲載しているケースもあります。
いわゆる「釣り求人」「空求人」と呼ばれるもので、求職者を登録させるために人気企業や条件の良い求人を掲載しているケースです。
実際に問い合わせると「その求人は終了しました」「非公開になりました」と言われ、別の求人を紹介されることがあります。
もちろん、求人は日々変動するため、本当に募集終了している場合もあります。ただし、毎回似たような理由で別求人へ誘導される場合は注意したほうが良いでしょう。
特に高年収・フルリモート・未経験歓迎など、条件が良すぎる求人ばかり並んでいる場合は、集客目的の可能性も疑ったほうが安全です。
関連記事:転職エージェントやめとけ?騙された・役に立たないと感じた人の共通点と回避策
40代・低年収層は対応が消極的になる
転職エージェントでは、40代や低年収層は求人紹介やサポートが手薄になるケースがあります。
転職エージェントの売上は、求職者の想定年収に比例して高くなります。そのため、年収が高い人材や、転職市場で需要の高い20代〜30代前半は優先順位が高くなりやすい傾向があります。
一方で、40代以降や低年収層、未経験転職を希望する方は、紹介できる求人が限られるため、求人紹介が少なかったり、連絡頻度が減ったりするケースもあります。
実際「登録したのに求人をほとんど紹介されなかった」「対応が雑だった」と感じる人も少なくありません。転職エージェント側もビジネスである以上、転職成功しやすい人を優先しやすい現実は理解しておく必要があります。
転職エージェントに断られる人の特徴
転職エージェントは誰でも平等にサポートしてくれるわけではありません。転職市場で厳しいと判断された場合や「転職成功の可能性が低い」と見なされた場合は、求人紹介を断られたり、対応が消極的になったりすることがあります。
「登録したのに連絡が来ない」「求人をほとんど紹介されない」という方は、以下の特徴に当てはまっていないか確認してみましょう。
早期退職の経験が多い人
短期離職が多い人は、転職エージェントから確実に敬遠されます。
転職エージェントは、企業へ紹介した求職者がすぐ退職すると、紹介料を返金しなければならない場合があります。そのため「またすぐ辞めそう」と判断されると、サポート優先度が下がりやすいのです。
特に20代で1年以内の退職が複数回ある場合は「紹介が難しい」と判断されます。ただし、ブラック企業や体調不良など、やむを得ない理由だった場合は、退職理由と改善策を整理して説明できれば、サポートを受けられる可能性は十分あります。
転職意欲が低い人
「なんとなく登録した人」は、転職エージェントから後回しにされやすいです。
転職エージェントは、転職成功で売上が発生するビジネスです。そのため、「市場価値だけ知りたかった」「いますぐ転職をする気はない」「良いところがあれば転職したい」程度の温度感だったりすると、優先順位が下がります。
特に初回面談で転職理由や希望条件が曖昧だと「本気度が低い」と判断されやすくなります。すぐ転職する予定がなくても「なぜ転職したいのか」「どんな方向性を考えているのか」は整理しておいたほうが、サポートを受けやすくなります。
過去に面接辞退・内定辞退を繰り返している人
面接辞退や内定辞退が多い人は、転職エージェントから信用を失いやすいです。
転職エージェントは、企業との信頼関係で成り立っています。そのため、面接直前キャンセルや内定辞退が続くと「この人を紹介すると危険」と判断されてしまいます。
特に担当者へ相談せず突然辞退した場合は、同じ転職エージェントは使えないと思ってください。もちろん、条件面のミスマッチなどで辞退すること自体は悪いことではありません。ただし、辞退理由を誠実に説明しないと「また同じことを繰り返す人」と見なされやすくなります。
希望条件が厳しすぎる人
条件を絞りすぎると、「紹介できる求人がない」と判断される場合があります。
未経験なのに高年収を希望していたり、フルリモート限定や大手企業限定など条件が多すぎたりすると、紹介できる求人が極端に少なくなります。
転職エージェント側も、紹介できる求人がなければサポートしようがありません。もちろん妥協しすぎる必要はありませんが「絶対に譲れない条件」と「できれば叶えたい条件」は分けて考えることが大切です。
レスポンスが遅い人
返信が遅い人は、転職エージェントから優先順位を下げられやすいです。
転職市場では、良い求人ほどすぐ埋まります。そのため、連絡が遅い人は「転職意欲が低い」「選考が進めにくい」と判断されやすいのです。
日程調整の返信が遅かったり、既読スルーが続いたりすると、担当者側も他の求職者を優先し始めます。転職エージェントを利用するなら、最低限のレスポンス速度は意識しておきましょう。
空白期間が長い人
ブランク期間が長い場合は、転職エージェント側も慎重になります。
特に半年〜1年以上の空白期間がある場合「なぜ働いていなかったのか」を企業から必ず確認されます。転職エージェント側も「企業へ説明しにくい」と感じると、サポートが消極的になります。
ただし、資格勉強や療養など理由を説明できれば問題ない場合も多いです。重要なのは「空白期間に何をしていたのか」を整理しておくことです。
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転職エージェントが無料サポートできる理由
転職エージェントは、求職者ではなく「企業側」からお金をもらっているビジネスです。
転職エージェントは、求職者を企業へ紹介し、その人が入社したタイミングで企業から紹介手数料を受け取ります。つまり、求職者は無料でも、企業側がお金を払っているためサービスが成り立っているのです。
紹介料は「想定年収の30〜35%前後」が相場と言われています。例えば、年収500万円の人材なら、企業側は150万円前後の紹介料を支払うケースもあります。
そのため、転職エージェント側は「年収が高い人材」や「転職成功しやすい人」を優先しやすい傾向があります。
もちろん、無料で面接対策や求人紹介を受けられるのは大きなメリットです。ただし、「なぜ無料なのか」というビジネス構造は理解したうえで利用したほうが良いでしょう。
企業が転職エージェントを使う理由とは
転職エージェントは「求職者のためのサービス」と思われがちですが、実際は企業側にも大きなメリットがあります。なぜ企業がお金を払ってまで転職エージェントを利用するのか、その理由を知っておきましょう。
企業側は「採用できた時だけお金を払えばいい」
転職エージェントは、企業にとって失敗リスクの少ない採用手法です。
リクナビNEXTやマイナビ転職などの求人サイトは、掲載した時点で費用が発生します。そのため、応募が来なくても数十万〜数百万円の広告費が無駄になる場合があります。
一方、転職エージェントは成功報酬型です。基本的には「採用が決まった時だけ費用が発生する」ため、企業側としてはリスクを抑えながら採用活動を進められます。
さらに、候補者への連絡や日程調整、面接フォローまで代行してくれるため、採用担当者の負担も大きく減らせます。
企業は「できるだけ失敗しない採用」をしたい
企業は、転職エージェントに「自社に合う人材」を見つけてもらいたいと考えています。
中途採用は、1人採用するだけでも大きなコストがかかります。そのため、企業側は「すぐ辞める人」や「社風に合わない人」をできるだけ避けたいのです。
転職エージェントは、求職者の性格や転職理由、希望条件までヒアリングしたうえで紹介するため、企業側としてもミスマッチを減らしやすくなります。
逆に言えば、転職エージェント経由の応募は、企業側の期待値も高めです。「とりあえず応募」よりも、「なぜこの会社に入りたいのか」を整理している人のほうが選考で有利になりやすい傾向があります。
転職エージェントを利用する際の注意点
最後に、転職エージェントを利用する際の注意点を3つ紹介します。
初回の面談でアドバイザーとの相性を確認する
転職エージェントを利用する際は、初回の面談でアドバイザーとの相性を確認しておきましょう。
というのも、アドバイザーとの相性が悪いと思うように転職活動が進まず、ストレスを抱えてしまう可能性があるからです。
例えば、面談中に希望しているキャリアや職種、働き方などを否定されたり、上から目線でアドバイスしてきたりする場合は、相性が合わない可能性があります。
なお、人によって相性が合わないと感じる要因は異なります。このアドバイザーなら転職活動を任せられる、と感じられるかを初回の面談で確認しておきましょう。
1つの転職エージェントに絞らない
転職エージェントを利用する際は、複数の転職エージェントを利用することが大切です。
複数の転職エージェントを並行して利用すると、求人情報の幅が広がり、より自分に合った求人を探せます。
また、1つの転職エージェントに絞ってしまうと、1人の担当アドバイザーに依存してしまうため、アドバイザー次第では転職に失敗してしまう可能性があります。
そのため、転職エージェントを利用する際は複数の転職エージェントを並行し、求人の幅を広げたり、自分に合ったアドバイザーを見つけたりすることが大切です。
外せない希望条件に妥協しない
転職エージェントでは、希望条件とはまったく異なる求人を紹介される可能性があります。
そして、希望条件とは異なる求人でも、担当アドバイザーの言われるがままに、入社したくもない企業の面接を受けることになる可能性もあります。そうならないためにも、外せない希望条件がある場合は、妥協しないことが大切です。
希望条件に妥協して入社した会社は早期退職になる可能性が高く、転職活動を再開しなければならなくなります。転職エージェントはあくまでもサポートする存在です。最終的な決定は自分自身で行う必要があります。
登録している転職エージェントで希望条件に合った求人が見つからない場合は、他の転職エージェントを利用するなどして、自分自身で探し続けることも大切です。
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まとめ|転職エージェントの闇を理解して活用する
転職エージェントには、今回紹介したような裏事情があります。担当者には営業ノルマがあり、転職しやすい人が優先されることも珍しくありません。希望と違う求人を勧められたり、転職を急かされたりするケースもあります。
ただし、転職エージェント自体が悪というわけではありません。非公開求人の紹介や面接対策、年収交渉など、自分一人では難しいサポートを受けられるメリットもあります。
大切なのは「転職エージェントは完全な味方ではなく、企業と求職者を仲介するビジネス」だと理解したうえで利用することです。担当者の言葉を鵜呑みにせず、自分自身でも冷静に判断しながら活用していきましょう。


























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