手取り13万円の仕事に転職しようと考えている方の中には、ネット上で「大変」「やばい」「生活できない」などの口コミで不安を感じている方もいるでしょう。
結論、手取り13万円で仕事をすると、地方でギリギリの生活を送ることになります。そのため、手取り13万円の仕事には、多くのネガティブな口コミがあるのも当然です。
本記事では、手取り13万円の仕事内容や生活事情、日本人の平均賃金を紹介します。また、手取り13万円以上の仕事に転職する方法も併せて紹介しますので、就職・転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
手取り13万円の仕事はやばい?
結論から言うと手取り13万円の仕事は「やばい」です。
なぜなら、地方の一人暮らしでギリギリ生活できるレベルだからです。地方で一人暮らしする際の生活費は14万円ほどですので、手取り13万円であれば節約しないと生活できません。
また、東京都の最低賃金は、2022年10月1日から時給1072円に改正されました。時給1072円のアルバイトが、フルタイムで働いた際の毎月の賃金は、以下のとおりです。
【アルバイトの賃金】:1072円×8時間×22日=18万8672円
手取り額は額面の75〜85%ですので、都内のアルバイトでもフルタイムで働ければ手取り15万円程度はもらえています。つまり、手取り13万円の会社で働くよりも、都内でアルバイトしたほうが高い給料をもらえると言うことです。
手取り13万円の仕事で悩んでいる方は、他の求人も視野にいれましょう。
手取り13万円の給料事情
手取り13万円の額面は17万円ほどで、ボーナスなしの場合は年収204万円、ボーナスありの場合は年収238万円(ボーナスは2カ月分の場合)です。額面から引かれる項目は、主に以下のとおりです。
【額面から引かれる項目】
・所得税
・住民税
・厚生年金
・健康保険
・雇用保険
・介護保険(40歳以上の方が対象)
また、企業によっては、企業型DC(企業型確定拠出年金)が毎月の給料から引かれる場合があります。
手取り13万円の生活事情
次に、手取り13万円の生活事情を紹介します。手取り13万円であれば、実家暮らしの場合は問題なく生活でき、地方の一人暮らしでギリギリ生活できるレベルです。
実家暮らしの場合
実家暮らしの生活費は、8万5千円ほどです。手取り13万円であれば、問題なく生活できると言えるでしょう。
- 食費:2万円
- 携帯代:0.5万円
- 衣類・日用品:1万円
- 交際費:2万円
- 娯楽費:2万円
- 交通費:1万円
- 合計:8.5万円
実家暮らしであれば、家賃・水道光熱費・ネット代などの生活費を負担する必要がないため、毎月の出費をおさえられます。しかし、実家に生活費などを支払う場合は、ギリギリの生活になるでしょう。
一人暮らしの場合
一人暮らしの生活費は14万円ほどです。また、紹介している費用は、地方での一人暮らしを想定しています。したがって、都内に住む場合は、家賃や食費などが下記の金額よりも増えます。
- 家賃:3万円
- 水道光熱費:1万円
- 食費:4万円
- 携帯・ネット代:1万円
- 衣類・日用品:2万円
- 交際費:1万円
- 娯楽費:1万円
- 交通費:1万円
- 合計:14万円
ただし、寮生活をしている方は家賃を節約できるため、手取り13万円でも不便なく生活できる可能性があります。
二人暮らしの場合
二人暮らしの毎月の生活費は、23万5千円程度です。手取り13万円では、共働きをしないと、生活費を支払えません。また、こちらも地方での生活を想定しているため、都内で生活する際は家賃や食費などの生活費が上がるでしょう。
- 家賃:5万円
- 水道光熱費:1.5万円
- 食費:6万円
- 携帯・ネット代:2万円
- 衣類・日用品:3万円
- 交際費:2万円
- 娯楽費:2万円
- 交通費:2万円
- 合計:23.5万円
手取り13万円の仕事
手取り金額が低くなりがちな仕事を4つ紹介します。今から紹介する仕事に応募する際は、基本給や待遇などの給料面について、しっかりと確認しておくことが大切です。
事務職
事務職には、さまざまな種類があります。例えば、一般事務・営業事務・経理事務などです。中でも、一般事務は手取り額が低いです。
また、事務職の仕事内容は、主にアシスタント業務です。会議で必要な書類を作成したり、データを入力したりします。事務職は、女性から人気の高い仕事であるため、給料が低くても応募倍率が高くなりがちです。
仕分け作業
仕分け作業は、アルバイトや派遣社員などの非正規雇用者が担当するケースが大半です。主な仕事内容は、工場内の商品を店舗ごとに、必要な個数を仕分けする作業です。
誰でも簡単にできる仕事であるため、採用基準が低く、低い賃金でも多くの方が応募します。そのため、仕分け作業の給料は低くなりがちです。
飲食業
飲食業は、学生アルバイトをメインで採用しているため、最低賃金に近い金額からスタートするケースが大半です。そのため、地方での飲食業は、フルタイムで働いても手取り13万円ほどの給料となる可能性が高いです。
しかし、副店長や店長に昇格することを目標にすれば、手取り13万円以上を目指せます。長期的に働くのであれば、賃金は上がりやすい仕事だと言えるでしょう。
清掃員
清掃員は、主婦や定年退職した方が多く在籍している仕事です。そのため、どちらかと言うと、お小遣い稼ぎや、年金以外の収入源がほしい方が働いています。
清掃員は特別な資格が必要とされず、誰でも簡単に応募できる仕事です。したがって、最低賃金で募集している会社が多く、給料が低くなりがちです。ただ、特殊清掃(事件現場などを掃除する仕事)などであれば、手取り13万円以上の給料に期待できます。
日本人の平均賃金
こちらでは、日本人全体の平均月収、大企業・中企業・小企業別の月収を紹介します。日本全体の平均賃金を知っておくことで、就職・転職活動で役に立つでしょう。
厚生労働省の「一般労働者の賃金」によると、日本人全体の平均賃金は30万7700円との結果が出ています。(令和元年時点)
日本人全体の平均賃金
- 全体の平均賃金:30万7,000円(手取り23万円ほど)
- 男性の平均賃金:33万8,000円(手取り25万円ほど)
- 女性の平均賃金:25万1,000円(手取り19万円ほど)
次に、厚生労働省が調査した、大企業・中企業・小企業ごとの平均月収は、以下のとおりです。
【企業規模別】女性の平均月収※令和元年時点
- 大企業:30万4,900円(手取り23万円ほど)
- 中企業:27万2,200円(手取り21万円ほど)
- 小企業:24万4,700円(手取り19万円ほど)
参照:厚生労働省「企業規模別にみた賃金」
【企業規模別】男性の平均月収 ※令和元年時点
- 大企業:49万3,500円(手取り37万円ほど)
- 中企業:40万2,600円(手取り31万円ほど)
- 小企業:34万1,800円(手取り26万円ほど)
参照:厚生労働省「企業規模別にみた賃金」
上記の結果から、月収30万円(手取り23万円)以上の賃金をもらえる企業に転職できれば、日本人の平均以上の賃金をもらえているとわかります。また、手取り13万円は日本人の平均賃金と比べても、かなり低い水準だと言えるでしょう。
手取り13万円以上の仕事に転職する方法
最後に、手取り13万円以上の仕事に転職する方法を3つ紹介します。手取り13万円は、東京都のアルバイトがフルタイムで稼働するよりも低い給料です。(最低賃金1072円の場合)
そのため、転職活動のコツをつかむことで、より高い給料の会社へ就職・転職できます。
スキルや経験を整理する
手取り13万円以上の仕事へ転職するには、これまでのスキルや経験を整理することが大切です。なぜなら、整理しておくことで、面接官にあなたの強みを伝えられるからです。
例えば、コミュニケーション能力があったり、何かしらの大会で良い成績を残した経験があったりすると、アピールポイントにつながるでしょう。スキルや経験を整理して面接官にアピールすることが、高待遇求人で内定を獲得するための最低条件です。
転職エージェントを活用する
転職エージェントは、あなたの就職・転職活動を全面的にバックアップしてくれます。そのため、「手取り13万円以上」と希望条件で伝えると、それ以上の手取りで求人をピックアップしてくれます。
また、応募書類の添削や面接対策などの転職サポートも充実しているため、一人で就職・転職活動をするよりも、内定先が決まりやすいです。
非正規雇用からスタートする
手取り13万円の正社員に就職・転職するのであれば、契約社員や派遣社員などの非正規雇用かスタートすることも視野に入れましょう。正社員で雇用されると安定しますが、手取り額が少ないことが原因で、早期退職につながる可能性があります。
したがって、手取り額の高い非正規雇用求人で経験を積んだ後に、次の転職で正社員を目指すと、手取り額を高められるでしょう。早期退職を避けるためにも、手取り13万円の正社員にこだわらず、手取り13万円以上の非正規雇用も視野に入れることが大切です。
まとめ
今回は、手取り13万円の仕事や生活事情などを紹介しました。まとめると、手取り13万円であれば、地方の一人暮らしでギリギリ生活できるレベルです。
そのため、一人暮らし以上の生活を検討している方は、手取り13円で満足せず、より高い手取り額を目指すことが大切です。本記事で紹介した「手取り13万円以上の仕事に転職する方法」を参考に、手取り13万円以上の仕事を目標に、就職・転職を頑張りましょう。
参考:すべらない転職「手取り13万円の正社員はやばい?田舎との違いや新卒から転職する方法」