株式会社ビズリーチ運営の純国産の求人検索サイト「スタンバイ」。
2015年5月のリリースから早くも1年が経過しました。現在のビズリーチやスタンバイの評価や評判の状況を独自に分析・解説したいと思います。
株式会社ビズリーチの評判
株式会社ビズリーチ(代表:南壮一郎)は、国内最大級の会員制転職サイト「ビズリーチ」や、20代のためのレコメンド型転職サイト「キャリアトレック」を運営しています。
ビズリーチはテレビCMを積極的に展開しており、事業は順調に拡大しているようです。クラウド型の採用管理システム「HRMOS(ハーモス)」を始めとした新規事業にも積極的に取り組んでいます。
2016年3月には複数社から総額37億3000万円の資金調達を実施。すでにビズリーチ事業は単月黒字化していると発表。2016年6月には上場準備開始されたニュースも流れました。南壮一郎社長は自社の採用に自ら取り組んでいる社長としても有名です。
スタンバイの事業モデル
求人検索エンジンのスタンバイはYahoo!やGoogleの求人版と言えるサービスです。競合他社はリクルートのindeed(インディード)があり、indeed(インディード)は求人検索エンジンという業界において圧倒的なシェアを誇っています。
indeed(インディード)やスタンバイのようなサイトを正確にはアグリゲーションサイトと呼ばれており、複数のWebサイトからあらゆる情報を集約し、1つのWebページにまとめるWebサービスの事を指します。サービスの利用自体にユーザーから料金を取らず、広告課金で収益を成り立たせるのがビジネスモデルです。
バイトルやイーアイデムやハローワークといった国内のあらゆる求人サイトから、クローラーと呼ばれるシステムで巡回したり、APIなどを通じて提供されたりした情報を公開しているため現在では日本全国で約400万件もの求人案件数が掲載されています。
スタンバイの評価
現時点では応募効果も低く、indeed(インディード)に遠く及ばないという評価です。
後発サービスの影響からか特にSEO対策に苦労しているようです。スタンバイのビジネスモデルはWebサイトにアクセスするユーザー数に大きく影響を受け、トラフィックを如何に安価で安定的に獲得できるかが事業成功のポイントです。
競合分析ツール「シミラーウェブ」での記事『求人検索「indeed」の後は追えない!? 日本国内アグリゲーションサイトの限界』でも触れられていますが、自然流入数においてindeed(インディード)の百分の一以下の数字になっています。※2016年3月時点の記事であり、テレビCMを大量放映する前の段階なので現在では縮まっている可能性はあります。
テレビCMの戦略
スタンバイは2016年3月に大規模な資金調達をおこなって以降、マス媒体に広告予算を大量投入しています。
特にテレビCMを中心に知名度獲得を狙っています。最近放映されているスタンバイのテレビCMでは「検索エンジン」をPRしておらず、「地図で探せる仕事検索アプリ」と謳っています。
スタンバイはサイト上でも「家の近くや学校の近くにある仕事を、地図から簡単に探せるアプリです。」と訴求しており、競合他社のindeed(インディード)はテレビCMで「世界No.1求人サイト」とPRしているのと比較すると、同じサイトコンセプトでありながら、テレビCMは全く違うコンセプトを打ち出していることがわかります。
このことからサービス開始当初から競合他社としてターゲットにしていたindeed(インディード)と真正面から戦うのではなく、違うポイントでの競争・勝負に切り替えたと言えます。
このまま進んでも検索エンジン上での上位表示ランクインが困難だと見切りをつけたのか、それともindeed(インディード)との競争を早々にリタイアしたのか、はたまたプロモーション戦略なのかは不明ですが、1年間という短期間で大分コンセプトが変化させており、今回の判断がどのような影響を及ぼすのか今後に注目です。
スタンバイのサブ機能:スタンバイ・カンパニー
※2019年12月19日からスタンバイ・カンパニーはかんたん求人作成にサービス名称
※2019年12月19日からスタンバイ・カンパニーはURL変更(https://kantan-kyujin.com)
※2021年03月31日をもってかんたん求人作成はサービスを終了
スタンバイ・カンパニー(https://stanby.co/)という無料で採用ページを作成できるサービスを2015年5月から始めています。2016年7月27日にはiOS/Android版アプリをリリースするなど、企業にこの機能の活用を積極的にアピールしています。
最大のメリットは無料で採用ページが作成できる点です。比較的簡単に作成でき、スマートフォンにも最適化されています。スタンバイにも無料掲載されるようですが、スタンバイの効果が未知数の為、その部分は期待しすぎないほうがよさそうです。
デメリットは応募者管理が自社管理出来ない点と、原稿作成を自社で対応しなければならず、手間はかかります。
応募者管理は特に複数の求人媒体を利用している企業は、複数の管理画面で応募者対応をする必要が発生するため、めんどくさいと嫌がる人も結構います。スタンバイ・カンパニーでの求人数は現在約1万件あり、小売店や個人経営事業者が利用されているようです。
ビズリーチにとっては、スタンバイで掲載を勧めるだけでなく、周辺サービスからも企業獲得を狙っていこうという意図が読み取れます。企業の採用ページを掴むことで、間接的にスタンバイの企業数を増やすことが可能です。
メリットデメリットがありますが、総合的に良い機能(サービス)だと思います。企業側にとっては無料のためリスクもありませんので、採用ページがない企業は利用してみてもいいかもしれません。
スタンバイの今後の展開
スタンバイが今後も「地図で探せる仕事検索アプリ」をコンセプト・一番の強みとすると競合市場や競合他社が変化します。「地図で探す」ということは正社員ではなく、アルバイト・パート層がメインユーザーとなりますので、競合他社はアルバイト求人サイトになります。
アルバイト求人サイトはテレビCMでおなじみのバイトルやタウンワークがいます。どちらも日本最大級の求人情報メディアで、知名度も抜群に高いです。もちろんアプリもありますので、スタンバイは「地図で探せる仕事検索アプリ」という土俵でも苦戦すると考えられます。
スタンバイは「無料で求人掲載できる」が本来のコンセプトであり、各企業単位で掲載をしてほしいというのが本音だと思いますが、現状はバイトルやイーアイデムやanなど各求人サイトのまとめサイト的な印象が強いです。
アルバイトのまとめサイトというジャンルでは、株式会社じげんが運営している「アルバイトEX」があります。収益構造は全く違いますが、こちらも競合サイトになりうる存在です。
まとめ
スタンバイはまだサービス開始から1年と若く、成長途中のサービスと言えるでしょう。
現状では苦戦している部分も多く、試行錯誤していると思いますが、リリース当初の「純国産の求人検索サイト」の志の高さを思い出し、「仕事検索アプリ」と小さくまとまったサービスになってしまうのではなく、indeedよりも効果があり使いやすいサービスになってくれることを運営元のビズリーチには期待しています。
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