はてなブログでの採用活動の注意点と商用利用の話

よく採用担当者に「情報発信は大事です」と伝えており、その際に気軽に導入できるツールとして「ブログサービス(はてなブログ)」を紹介・推奨していました。しかし、はてなブログにおいては2017年5月に法人利用のガイドラインが改訂され、機能面で説明していた内容が一部禁止されました。変更内容と合わせて注意点を説明させて頂きます。

無料ブログ利用のメリット

情報発信を始めたくても「コーポレートサイトを変更するのはお金がかかりすぎる…」「コーポレートサイトの更新は別部署の稟議が必要なんだよね…」と現実的な運用が難しいケースがあります。情報発信の重要性を理解していても、社内ルールの関係上、難しいと回答する採用担当者にお会いしたことも多いです。

こういったケースの場合、外部のブログプラットフォームを利用することで解決することがあります。例えばamebaブログ、はてなブログ、ライブドアブログなど無料ブログサービスは多いので、ケースバイケースでおススメしています。

アメーバブログは「〇〇ではたらく社長のアメブロ」のように、社長ブログ・企業の広報ブログとして利用しているケースも多いですよね。はてなブログもIT/WEB業界での利用者は多いです。はてなブログは商用禁止とされていますが、広報的な利用 はOKとされています。

※コンセプトや運用目的次第では外部サービスを利用できない場合もあります。

法人利用ガイドライン改訂

これまでも「はてな利用規約」および上記ガイドラインに沿ってご利用いただいておりましたが、従来のガイドラインでは主に個人の利用を想定しており、企業や団体による利用を定義するには不明瞭な内容となっているところがありました。

引用:http://staff.hatenablog.com/entry/2017/05/12/170000

2017年5月に法人企業の利用が厳密化しました。これまでも商用利用は禁止されていましたが、商用利用の定義が一部明確になりました。難しいのが改定後においても「何が商用利用に該当するのか」における具体的な基準は公開されていないことです。

「はてなブログでアフィリエイトをしていなければOK」「自社ドメインとして利用しなければOK」と考える人もいるかと思いますが、はてなブログでの商用利用の定義はかなり広範囲にわたるため注意が必要です。

採用ブログとして利用するにあたり注意したいのは「採用活動は商用利用に該当するのか」「採用活動は広報活動に分類できるのか」「自社の採用サイトへの誘導は問題ないのか」「採用活動の一環として自社サービスの紹介は問題ないのか」という部分ですが、(安心・安全を期すためには)全部グレーゾーンの可能性があります。

正確には記事の内容や実際のカスタマイズ次第で利用規約に抵触するかどうかの判断をされるでしょう。仮に活動を紹介する記事の掲載を主目的に出来ている場合でも、大量のリンクを貼っている記事であれば利用規約に抵触すると思います。自分で「この内容は安全だろう」と考えていると、ある日突然ブログの利用停止(垢BAN)されてしまうこともありえます。

法人ブログの「not found」表記は受け手の印象がかなり悪くなるので、注意してください。安全に運用するためにも一度問い合わせフォームから連絡して確認することをおススメします。なお問い合わせ内容次第ですが返信は比較的時間がかかり、数日から10日前後かかる場合があります。

明確に定義された禁止事項

明確に禁止されたのは「自社サイトの一部として運用するなど、デザインやドメインなどで過度なカスタマイズ」です。「自社サイトの一部」とはブログ以外の自社サイトと一体的に運用するようなサブドメイン(独自ドメイン)での運用が該当すると推測されます。

デザイン上の「過度なカスタマイズ」とはどこまでが過度なのか曖昧な表現ですが、「デザインのカスタマイズはあまりしないほうがいい」と考えたほうが運用上は無難かと思います。ある程度はカスタマイズできると思いますが、グレーゾーンに抵触しそうなことはしないのが安全であることは間違いありません。デザインは、公式テーマから選択することをおススメします。

法人利用のはてなブログ事例

メルカリのエンジニアブログ(http://tech.mercari.com/)はデザインを結構カスタマイズされており、独自ドメインでも運用しています。「はてなブログを利用していることが一見して分かる状態」ではないと思いますが、OKのようですね。

人材サービス企業のゴーリストは所属事業部ごとにはてなブログを活用しています。はてなブログProでは最大10個までブログ開設ができる機能を有効活用し複数の部署で利用しています。表面的にはわかりづらいですが部署ごとにドメインを変更し、営業ブログ(http://sales.goalist.co.jp/)やエンジニアブログ(http://developers.goalist.co.jp/)など独自ドメインでの運用です。デザインはここら辺を基準に考えてもいいと思います。

人材サービス企業のリブセンスはエンジニア部署(http://made.livesense.co.jp/)がはてなブログを利用しているようです。独自ドメインで運用し、カスタマイズもかなり凝っています。

日本最大級のクラウドソーシング「クラウドワークス」運営の株式会社クラウドワークスもクラウドワークス エンジニアブログ(http://engineer.crowdworks.jp/)としてはてなブログを利用しています。Twitterでのはてなブログで紹介されています。

こうして各社を比較してみると各社とも独自ドメインで、カスタマイズもかなりやっている企業がいますね(笑)。はてなブログ標準のヘッダーおよびフッターを表示していないので、はてなブログであることがわからないように設定しているので、利用規約(ガイドライン)に沿っていないと思うのですが…

一部でははてなブログの広告主になれば利用規約の対象外になれるという噂があります。ここら辺は不確定な情報ですから「メルカリもやっているなら自社も大丈夫!」「別に守らなくてもいいや」と考えて何か問題があっても一切の責任を負いませんのであしからず。

有料プラン利用の注意点

無料のはてなブログでは広告が表示されます。「法人ブログでアドセンス等の広告が表示されるのはユーザーに誤解を与えかねない」として嫌がる企業もいます。そういった採用担当者の方には、はてなブログpro(600円/月)という有料プランに申し込めば広告を非表示にできますので、有料プラン利用を推奨していました。

「有料プランに申し込んだら商用利用だと勘違いされないかな?」と心配する方も多いと思いますが、これは大丈夫なようです。ただし「ヘッダとフッタを非表示」にすることで、はてなブログを利用していることを隠す行為は禁止されています。(ただしヘッダとフッタ非表示に関しては守っていない企業が多い)

まとめ

法人なのか個人なのか曖昧に運用している人もいるかと思います。例えば「代表の個人ブログ」「新宿で働く社長のブログ」「〇〇株式会社の中の人ブログ」として利用している人です。

ブログのタイトルだけで商用利用禁止に該当すると判断されることはないと思いますが、記事の内容次第ではNGとされる場合も考えられます。はてなブログを利用するのであれば利用規約・ガイドラインをよく読んで安全に運用してほしいと思います。

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