一部ネット情報で新卒採用サイトのログイン回数を企業の採用担当者がチェックしている。採用選考の指標になっているという都市伝説を聞きました。なぜそういう話が就職活動中の学生のあいだで出回っているのか考えてみました。
技術的には難しくない
まず技術的にはログイン回数・アクセス回数をチェックすることは簡単です。技術的なハードルの低さが信憑性を高めている理由にあると思います。他にも滞在時間や最終ログイン日やログイン時間も技術的には全然可能です。
また採用ソリューション会社が提供しているサービスの機能の一部に実際にあるという話も出回っています。この可能性は否定できません。ただし採用担当者としては必要ないとは思っている可能性も高く、標準機能として存在しているだけの機能だと考えられます。実際にあったとしても数ある機能の一つだと言えます。
ログインのチェックが有効なケース
ログインチェック機能があったとしてもメール管理の活用が中心じゃないでしょうか。「面接通過のメールを送ったけど、確認できているかな?」「もしかしてメールを見落としていないかな?」という意味でログインチェック機能は有効です。
ログインしなくても採用情報はわかる
今回の都市伝説ですが、「ログイン数が多い=志望度が高い」というむちゃくちゃな論理が前提としてあります。しかし、そもそもログインをしなくても採用情報を見られる会社がほとんどです。また採用パンフレットや、ナビサイトでも企業研究できます。なにも新卒採用サイトが企業研究の全てではありません。
もしログインしないと採用情報が見られない会社があったとしたら、いじわるな設定です。現在はパソコン以外にもスマホが主流になってきており、「ログインIDを忘れたから、後回しにしよう」とアクセス数を下げるだけだと思います。
内定者交流サイトは存在している
内定者SNSなど内定者フォローサービスを導入する企業も多いですが、内定者交流サイトにはログイン回数や最終ログイン日をチェックする機能が備わっているタイプがあります。これは(一部の会社を除き)懇親会の案内状を確認できているかチェックする目的で活用されています。
この話が巡り巡って新卒採用サイトに変化してしまった可能性も否定できません。なお内定者交流サイトでログイン回数が少ないからと言って内定取り消しにはなりませんのでご安心を。
基本的には指標にしない
私も三菱・三井・住友などの財閥系企業や、官僚型と言われるトヨタ自動車、元国営の日本郵便株式会社、NTT関連や大手総合商社など日本を代表する会社とお付き合いした経験がありませんので確実なことは言えませんが、少なくとも上場企業を含めた多くの一般的な会社は指標にはしないと思います。
採用担当者は年間で数百名~数千名の応募者を管理しなければならず、いちいち全員のログイン回数をチェックするなんてことは不可能ですので、学生の方は安心してほしいと思います。