「思っていた仕事と違う」「人間関係が合わない」「このまま続けるのはつらい」──そんな理由で入社3年未満の早期離職(第二新卒)として転職を考える人は年々増えています。
ただし、勢いで辞めてしまい、間違ったやり方で転職活動を進めると、書類が通らない・ブラック企業に当たる・後悔するなど失敗しやすいのも第二新卒の特徴です。
本記事では、第二新卒が後悔しないための正しい転職方法、選ぶべき求人、企業が見ているポイント、失敗しやすい注意点までを徹底的にわかりやすく解説します。
第二新卒とは
第二新卒とは、転職市場では学校卒業後に正社員として就業をして、入社3年以内に転職活動をしている人を第二新卒と呼んでいます。基本的には正社員経験のある人を指しますが、企業によっては契約社員や派遣社員経験を含むことがあります。
第二新卒には明確な定義はなく、企業によって若干の認識のズレがあるものの、おおむね新卒入社3年未満、年齢幅は22~25歳前後としている企業が多いです。25歳以上(社会人経験3年以上)になると中途採用枠に分類されると思ったほうがよいです。
中途採用ではスキル経験など能力面が最も重要視されますが、第二新卒は社会人経験も少ないことからスキル経験を重要視されません。人柄やコミュニケーション能力など新卒採用に近いポテンシャル採用されるのが第二新卒採用の特徴です。
第二新卒を募集する理由
第二新卒を採用する理由には、若い以外にも実は「企業に都合の良い人材」だからという理由もあります。
長年同じ企業で働いている人と違い、早い段階で会社を辞めているため、まだ企業の色が染み付いていない第二新卒者は、自分の会社の色に染めやすいと企業は考えています。
他にも、新卒と比べて浅いながらも社会人経験があり、最低限のビジネスマナーを身に付けています。そのため、マナーから育成する必要がなくて、手間が省けるという点もメリットに挙げられます。
第二新卒市場の転職動向や転職メリット
中途採用の難易度が高いことから、転職市場では若手20代のニーズが高まっています。
30代の中途採用は一人あたり数百万円以上の採用コストがかかることも多いため、最低限のビジネスマナーが身についていて採用費用も安く済む20代前半の第二新卒が注目されています。
職種別では営業やエンジニアなどの職種が多く第二新卒では募集されています。首都圏の求人では上場会社や有名ベンチャー企業も通年募集しています。
一方で、大手サービスを運営している有名企業なら前職の実績を見られるため、ポテンシャル採用は通用せず、応募倍率も高く書類通過率も数%となります。
入社後数ヶ月で退職した人を受け入れてくれる企業はさらに減少します。これらのリスクを踏まえたうえで転職するか、検討してください。
第二新卒のデメリット
第二新卒の転職市場は需要が高まっていますが、すべての第二新卒が同じ条件で評価されるわけではありません。特に入社1年未満での早期転職は、不利になるケースがあることを理解しておく必要があります。
企業が慎重になる理由は、短期間で離職した背景に「また同じ理由で辞めてしまうのではないか」という懸念が生まれるためです。
第二新卒はポテンシャル採用として歓迎されやすい一方で、勤続期間が極端に短い場合は、採用リスクが高いと判断されやすくなります。
そのため、半年以内や数ヶ月で転職が決まる人は実際には少なく、多くの応募者は1年以上働いた段階で転職活動を始めています。
「同じ会社に3年」という古い価値観は薄れつつありますが、それでも1年程度働いてから転職を検討する人が増えているのは、企業側が第二新卒に対して一定の安定性を求めているからです。
逆に言えば、この“不安要素”さえクリアできれば、第二新卒は育成コストが低く、会社の文化に馴染みやすい若手人材として歓迎される傾向があります。
第二新卒の転職活動の時期とタイミング
第二新卒の転職は時期よりタイミングがすべて。在職中に動く人ほど成功しやすい。
第二新卒の転職は、年度や季節によって大きく有利・不利が変わるわけではありません。採用ニーズが通年で高い年代のため、基本的には思い立ったときが動きどきです。
ただし、多くの第二新卒が見落としがちなポイントがひとつあります。それは、転職活動を始めるタイミングは必ず 在職中 にしておくべきだということです。
退職してから転職活動を始めると、想像以上に早く貯金が減り、焦りからブラック企業の求人に飛びついてしまうケースがよくあります。精神的な余裕がなくなると、本来避けられるはずのミスマッチを引き起こし、第二新卒の強みである「選べる立場」が損なわれてしまいます。
一方で、在職中であれば収入があるため落ち着いて企業を比較でき、希望に合わない求人を無理に選ぶ必要もありません。
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第二新卒の面接で絶対に聞かれる定番質問6選
第二新卒の面接では、経験が浅いからこそ「入社後の伸びしろ」や「前職で何を学んだのか」を確認する質問が中心になります。特に次の6つは、ほぼ確実に聞かれる定番です。
- 退職理由(転職を検討した理由)
- なぜ1社目に入社したのか
- 入社後の仕事で何を学んだか
- 仕事探しの軸
- 得意な仕事・好きな仕事
- 苦手な仕事・嫌いな仕事
企業はまず、退職理由を通じて「同じ理由で再び辞めてしまう可能性はないか」を見極めます。そのうえで、なぜ1社目を選んだのか、どんな仕事を経験してどんな学びを得たのかを確認し、あなたの価値観や成長への姿勢を探っています。
自己分析が浅いと、これらの質問はすぐに矛盾が生まれたり、抽象的な回答になってしまいがちです。特に離職期間が長い人や、1年未満で辞めた人は「短期離職を繰り返さない理由」や「前職を通じて得た学びと改善点」を、論理的に説明できるよう丁寧な準備が欠かせません。
面接で聞かれる質問は、就活時に質問された内容と大きく変わりません。大学時代の経験を含めて聞かれる場合もありますので、「なぜその選択をしたのか」という過去の行動理由を振り返りながら、改めて自己分析を深めておきましょう。
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第二新卒の求人探しのポイント
第二新卒として転職活動を始める際は、まず求人の幅をしっかり確保することが重要です。
リクナビNEXTやマイナビ転職などの中途採用向け求人サイトでは、第二新卒歓迎の求人や「第二新卒特集」が組まれていることが多く、効率良く応募先を探せます。
中小企業やベンチャー企業の場合、採用ホームページに直接求人が掲載されているケースも多いため、カテゴリーに第二新卒の項目がなくても、募集要項が公開されていれば応募できる可能性があります。
第二新卒の転職成功率を高めるうえで欠かせないのが、転職エージェントの活用です。
マイナビエージェントやリクルートエージェントといった大手エージェントに加え、第二新卒専門の就職エージェントでは、一般には公開されていない非公開求人を多数扱っています。
特に第二新卒枠は採用スピードが速く、企業側がエージェント経由だけで募集を締め切るケースも多いため、複数の選択肢を確保する意味でも登録しておく価値は大きいと言えます。
また、在職中に転職活動を進める場合は、面接の日程調整や企業への推薦、応募書類の添削などを代行してもらえるため、短期間で効率良く選考が進むのもエージェントの大きなメリットです。
ただし、多くのエージェントに登録すると連絡が煩雑になりやすく、情報管理も難しくなります。大手エージェントと、業界特化型エージェントの二つに絞って活用するのが最もバランスの良い方法です。
求人選びでは、自分が得意と感じる仕事で活躍できるかどうか、入社後に希望するキャリアが実現できそうか、業界や職種に固執しすぎていないかといった視点を大切にしてください。
企業のリアルな働き方を知るために、OpenWorkやVorkersといった口コミサイトで評判や社風を確認するのも、ミスマッチを防ぐうえで有効です。
第二新卒の応募書類作成のポイント
第二新卒の応募書類は企業が求めていることを、把握したうえで作成してください。企業が求めている人物像と相違があると書類選考を通過することはできません。
【企業が第二新卒に求めること】
- ポテンシャルの高さ
- コミュニケーション能力
- 仕事に対する熱意、やる気、学習意欲(失敗から学べるか)
- 論理性
- 責任感
これらのことを踏まえて志望動機や自己PRを作成しましょう。志望動機や自己PRの使い回しはNGです。使い回しをすれば「どこか受かればいい」と考えていると思われて、やる気や熱意が伝わりません。また、抽象的な内容ではなく社会人経験の中で得たことを、ベースにしたエピソードを盛り込みましょう。
第二新卒の応募書類で悩むのが職務経歴書です。インターネット上に多くの見本やフォーマットがありますが、自分の経験が一目でわかるような工夫をしてください。また、読み手の立場に立って、職務経歴書を作成できるのもスキルの1つです。
本来の職務経歴書は客観的な事実や過去の経歴を記載する資料ですが、第二新卒の場合は書くことが少ないため、より具体的な仕事内容を記載するようにしましょう。また在職中に学んだことや上司に褒められたことを記載してもいいでしょう。
もしも書くことが少なければ研修期間中に学んだことを記載し「最低限のビジネスマナーは備わっている」ことをアピール材料にしてもいいでしょう。これらの内容をA4用紙に1枚に納めるようにしてください。志望動機と自己PRは履歴書にも書きますが、履歴書ではスペースに限りがあるため簡潔にしか記載できません。企業への思いは職務経歴書に書きましょう。
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第二新卒の面接のポイント
第二新卒の面接では、経験よりも「信頼できる人物かどうか」を重点的に見られます。そのため、まず意識すべきは退職理由の伝え方と言動の一貫性です。
辞めた会社の悪口を言ったり、環境や上司のせいにしたりすると、企業は「また同じ理由で辞めてしまうのでは」と不安を感じます。たとえ職場に問題があったとしても、前向きに学びへ変換し、改善点を冷静に語る姿勢が信頼につながります。
【面接で気をつけるポイント】
- 辞めた会社を悪く言わない
- 他人のせいにしない
- ポジティブに話す
- 退職理由と志望動機に一貫性を持たせる
- 応募書類と一貫性を持たせる
- 未経験の業界や職種に応募した時は今だからこそキャリアチェンジできると伝える
- 質問には正確に応える
- 明るくハキハキ程よいボリュームで話す
- 論理的かつ簡潔に話す
未経験の業界や職種へキャリアチェンジを目指す場合は、なぜ“今”その選択をするのか、どんな経験が活かせるのかを具体的に示すことで納得感が生まれます。
また、質問には正確に答え、明るく聞き取りやすい声で話すだけでも印象が大きく変わります。論理的で簡潔な回答を心がけ、必要以上に自分を大きく見せようとしないことが、第二新卒の面接では逆にプラスに働きます。
面接ではつい「あれもできます」「何でもできます」と背伸びをしたくなりますが、企業が求めているのは見せかけの即戦力ではありません。
素直さや学ぶ姿勢、そして自分の言葉で語る誠実さこそが、第二新卒が最も評価されるポイントです。取り繕うのではなく、ありのままの自分を丁寧に表現することが、面接突破の一番の近道になります。
第二新卒の志望動機・志望理由の例文テンプレ
第二新卒の転職では、志望動機の質が選考通過率を大きく左右します。ここでは、第二新卒が実際に使いやすい志望動機のテンプレートと、キャリアチェンジにも対応しやすい例文を紹介します。
文章の流れとしては「前職の経験 → 転職理由 → 志望企業を選んだ理由」を一貫性を持たせて書くことがポイントです。
24歳男性:システム提案営業から人材紹介会社の営業への転職
大学卒業後、〇〇株式会社に入社し、中小企業向けに業務システムの提案営業を行ってきました。経営者や管理部門の方々に業務課題をヒアリングし、システムによる効率化や業務改善を提案する中で、顧客の課題を言語化する力や折衝力を磨いてきました。
しかし、システムという“手段”だけで課題解決が難しいケースも多く、より根本的に企業の成長に関わる仕事に挑戦したいと考えるようになりました。
その中で、人材紹介は企業の組織課題に直接向き合い、事業の成長に必要な人材を採用することで、深い価値を提供できる点に魅力を感じました。求職者側とも関わることで、双方にとって最適なキャリアをつくる支援ができることにも強く惹かれています。
御社は業界未経験者への研修体制が整っており、コンサルティング型の支援にも力を入れているため、これまで身につけたヒアリング力や課題解決力を活かしながら、より本質的な採用支援ができると感じ志望いたしました。
24歳女性:食品会社のルート営業から提案型営業への転職
大学卒業後、〇〇食品株式会社に入社し、関西エリアのスーパー・飲食店に対するルート営業を担当してきました。売り場づくりの提案や季節商品の導入交渉を通じて、顧客の売上向上に貢献するやりがいを感じていましたが、既存顧客中心の営業では自分の提案の幅が広がりにくく、キャリアの停滞を感じるようになりました。
より主体的に課題を発見し、顧客のビジネスに深く関わる「提案型営業」に挑戦したいと考え、第二新卒枠での転職を決意しました。御社は新規・既存どちらもバランス良く経験でき、女性の営業職も活躍されている点に魅力を感じ、志望しております。
23歳男性:家電量販店の販売から営業への転職
専門学校卒業後、〇〇家電量販店に入社し、AV機器コーナーで商品説明や購入サポート、売り場レイアウトの改善などを担当してきました。店舗では販売データを分析し、売れ筋商品や顧客層の傾向を踏まえて売り場づくりを行う役割も担っており、数値を根拠にした提案を行う面白さを実感しました。
もっと自分の提案で成果が可視化される仕事に挑戦したいと考え、営業職に興味を持ちました。御社の営業職は課題ヒアリングから企画提案まで一貫して担当でき、データに基づく販売戦略の経験を活かせる環境だと感じ、志望いたしました。
24歳女性:アパレル販売から無形商材の営業への転職
アパレル企業の〇〇株式会社に入社し、都内の路面店で接客販売・商品管理・SNSを使った店舗発信など幅広く担当してきました。お客様の好みや生活スタイルに合わせた提案が評価され、指名をいただける機会も増えたことで、「もっと長期的に人と関係を築ける仕事に挑戦したい」と感じるようになりました。
中でも、無形商材の営業職は課題に合わせて提供価値を変化させられる点が魅力で、接客で培ったヒアリング力をより活かせると考えています。御社は未経験者の育成実績が豊富で、女性がキャリアを伸ばしやすい環境が整っているため、挑戦したいと考え志望いたしました。
まとめ
第二新卒の転職を成功させるうえで大切なのは、若さと基礎的なビジネスマナーという「第二新卒ならではの価値」を、採用担当者にしっかり伝えられるかどうかです。
企業は、新卒よりも育成コストが低く、経験者よりも柔軟で、自社の文化に馴染みやすい人材として第二新卒を高く評価しています。
もし一人で悩んでしまうなら、キャリアの棚卸しから応募書類の添削、企業選びまでサポートしてくれる転職エージェントを活用するのが最も効率的です。
第二新卒は、正しい準備さえできれば大きなチャンスをつかめる年代です。迷っている段階でも構わないので、まずは専門のアドバイザーに相談しながら、自分に合ったキャリアの選択肢を広げていくことをおすすめします。






















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