「登録販売者って実際どんな仕事?」「資格を取れば未経験でも転職できる?」「やめとけって聞くけど本当?」――そんな疑問を持つ人は多いと思います。
登録販売者は、ドラッグストアを中心に需要が高まっている人気資格のひとつです。実際、未経験から転職しやすく、全国どこでも働きやすいことから、20代〜40代の転職希望者や女性からも注目されています。
一方で、仕事内容は“薬を売るだけ”ではありません。レジ・品出し・接客・売場づくり・クレーム対応など、想像以上に販売職の側面が強く、「思っていた仕事と違った」と感じる人もいます。
この記事では、登録販売者の仕事内容・資格試験・年収・将来性・向いている人の特徴から「やめとけ」と言われる理由、未経験から転職成功するコツまで、求人広告代理店視点でわかりやすく解説します。
登録販売者とは
登録販売者とは、2009年に誕生した公的資格(公的性質を帯びている資格)の名称または職種名です。
国家資格ではありませんが、薬剤師の人手不足解消を目的に設立された国家資格に近い資格で、いまやドラッグストアには必要不可欠な存在です。
一度合格すれば失効することはなく、更新も必要ありません。大学の薬学部を卒業しなければいけない薬剤師と違い、試験だけで資格取得できる(※)ため、注目されている資格です。国家資格の薬剤師と比較して、短期間で取得できると言えます。
登録販売者が販売できる薬は処方箋がなくても購入できる、一般的用医薬品(OTC)のうち副作用が出にくい第2類・第3類医薬品だけです。
しかし、第1類医薬品は全体の1割程度のため、登録販売者が扱える商品が多く、ドラッグストアや薬局以外にもスーパーやコンビニ、ホームセンターでも活躍できます。
登録販売者資格は実務経験不要かつ学歴不問で受験可能なため、年1回各都道府県で実施される試験にパスすれば取得できます。
ただし、1人で売り場に立つ時や店舗管理責任者(店舗の運営や従業員の管理)になるには、過去5年間のうち2年間の実務経験が必要になります。
※2015年4月から施行された新制度の登録販売者試験では、旧制度で受験資格として定められていた実務経験が不要になりました。
登録販売者の仕事内容
登録販売者の仕事はスーパーやコンビニと遜色ありません。
出勤後は店内の清掃に始まり陳列棚の整理や商品補充、朝礼(声出し)、レジ開けを行って開店。開店後はお客様からの問い合わせ応対、レジ打ち、在庫管理、チラシと商品の発注を時間内に行います。
閉店後は季節ごとの装飾や推奨品の装飾、ポップ作り、本社への報告などを行って帰宅します。閉店後に店内の装飾を行うので、年末の営業終了後に年始の装飾をしてから帰宅することから、店舗の立地によっては除夜の鐘を帰宅中に聞くこともあるようです。
登録販売者はやめとけと言われる理由
登録販売者は「資格があれば安定して働ける」「未経験でも転職しやすい」と言われる一方で、「やめとけ」という声があるのも事実です。
実際、転職後に「思っていた仕事と違った」と感じて早期退職する人もいます。
特にドラッグストア勤務は、薬の販売だけではなく、レジ打ち・品出し・発注・売場づくり・クレーム応対など幅広い業務を担当するため、イメージとのギャップが起きやすい仕事です。
また、店舗によっては慢性的な人手不足になっているケースもあり、忙しい時間帯は休憩が取りづらいこともあります。正社員の場合はシフト制・土日勤務・長時間労働・全国転勤などが負担になる人も少なくありません。
資格を取っても「薬だけを扱う仕事」ではない
登録販売者=医療職のイメージで入社するとギャップを感じやすいです。
登録販売者は薬の専門知識を活かせる仕事ですが、実際の現場では日用品や食品の販売業務が大半を占める店舗もあります。
特に大型ドラッグストアでは、飲料・化粧品・お菓子・雑貨など取り扱い商品が非常に多く、「気づけば1日中品出ししていた」という声も珍しくありません。
そのため、「専門職として働きたい」という思いが強い人ほど、理想との違いに悩むケースがあります。
覚えることが多く、勉強を続ける必要がある
資格取得後も勉強が終わるわけではありません。
登録販売者は第2類・第3類医薬品を扱うため、副作用や飲み合わせなどの知識が求められます。さらにドラッグストアでは毎月のように新商品が発売されるため、メーカー研修や商品勉強会が頻繁に行われます。
「資格を取れば楽になる」と考えていると、入社後の勉強量に驚くかもしれません。特に未経験者は、接客・レジ・売場づくりを覚えながら薬の知識も身につける必要があるため、最初の数ヶ月は大変に感じる人が多いです。
店舗によって働きやすさの差が大きい
同じ登録販売者でも、会社や店舗によって働き方はかなり違います。
大手チェーンの中には教育制度や人員配置が整っている企業もありますが、人手不足の店舗では一人あたりの負担が大きくなりやすい傾向があります。
また、売上目標や推奨品販売のプレッシャーが強い会社もあり「思ったより営業職に近かった」と感じる人もいます。口コミや求人票だけでは見えない部分も多いため、転職前に企業研究をしっかり行うことが重要です。
立ち仕事・力仕事が想像以上に多い
体力的にきついと感じる人も少なくありません。
登録販売者は接客だけでなく、飲料ケースや日用品の補充作業を行うこともあります。店舗によっては2Lペットボトルや紙製品の搬入作業を担当することもあり、腰痛や疲労に悩む人もいます。
特に繁忙期やセール期間は店内を動き回ることが多いため「座って働く仕事」をイメージしている人には向かない可能性があります。
それでも登録販売者が人気な理由
一方で、未経験からでも挑戦しやすく、全国どこでも働きやすい強みがあります。
登録販売者は実務経験なしでも受験可能で、資格取得後はドラッグストア・薬局・スーパー・ホームセンターなど幅広い職場で活躍できます。
特に女性は結婚・出産後も復職しやすく、パート・派遣・正社員など働き方を選びやすい点が評価されています。
また、慢性的な人手不足業界でもあるため、接客経験がある人は未経験からでも転職しやすい職種と言えるでしょう。
登録販売者の受験人数・合格者数・合格率
全国平均で40%の合格率です。
- 2017年:受験人数61,126人/合格者数26,606人/合格率43.5%
- 2018年:受験人数65,500人/合格者数27,022人/合格率41.3%
登録販売者試験は各県都道府県ブロックにより試験問題の内容が異なるため合格率も都道府県で大きく違います。東京都なら合格率は35%(2018年)、26%(2019年)となっています。
東京都ではウエブ上に過去問が公表されているため、独学でも勉強可能です。東京都庁第一本庁舎都民情報ルームに行けば試験問題の閲覧及びコピーが可能です。
ユ-キャンでは勉強期間は8カ月とされています。
勉強方法は独学と通信講座と通学講座の3種類です。参考書が沢山あるので独学でも勉強のコツを効率よく学ぶことが出来ます。通学では短期集中型が多く、2週間~1ヶ月の学習での合格を目指します。
最近では登録販売者に特化した勉強アプリもあるので、忙しい人は空き時間や移動時間を有効活用して、スマホ学習しましょう!
登録販売者の試験日程・試験問題・受験申し込み方法
試験は年1回だけです。
試験日は都道府県によりますが毎年8月~12月におこなわれます。申し込み期間は1週間程度しかありませんので注意してください。
受験場所は都道府県によりますが、東京都では複数の場所でおこなわれています。下記は東京都の2019年度の受験情報です。
- 受験料:13,600円
- 受付期間:2019年5月27日~6月7日
- 試験日程:2019年9月8日(日)
- 試験時間:10:00~15:30
- 合格発表:2019年10月8日
- 試験場所:日本大学(東京都千代田区神田)、武蔵野大学(東京都江東区有明)、首都大学東京(東京都八王子市南大沢)、早稲田大学(東京都新宿区西早稲田)
- 合格通知:東京都福祉保健局ホームページまたは合格者全員に郵送で通知。
参考:登録販売者試験について-東京都福祉保健局
https://www.hokeniryo.metro.tokyo.lg.jp/policy/annai
都道府県別に試験日程が違うことから併願受験が可能です。
同じ年に複数の都道府県で受験できます。ただし地域ブロック同士は試験日が統一されています。
東京都の場合、埼玉県・千葉県・神奈川県と試験日が同じでした。そのため併願するなら埼玉県と群馬県のように少し離れた地域を選択する必要があります。
登録販売者の強み・メリット
登録販売者はニーズが高く就職・転職に強い資格です。
全国的に登録販売者は人手不足の状態で、全国どこにでもドラッグストアや薬局があるので、就職・転職先に困ることはありません。
高齢化社会を考えると将来性もあります。アルバイトや派遣社員といった働き方も可能で、女性が結婚・出産といった数年間のブランクがあっても問題なく採用されます。
登録販売者で身につけた知識は、売り場でお客様が抱える悩みを解消する商品提供を行う他に、実生活でも子供や友人の体調不良にどの薬が合うのかを見極めることができます。また、メーカーの商品研修でもらったサンプルをあげて喜ばれることもしばしばあるようです。
また、長く勤めれば勤めた分だけ知識が蓄積されていくので、一般的用医薬品(OTC)に関しては薬剤師と同等の話ができるレベルになります。このレベルになると、転職先としてOTCに力を入れている製薬会社への転職も可能になります。
登録販売者の苦労・厳しい面・デメリット
登録販売者のデメリットで1番多いのが、知識を活かす場面が少ないことです。
業務の大半が販売になってしまうので、生活用品や食料品の品出しやレジ打ちに追われて1日が終ってしまいます。
それにも関わらず、毎月のように新商品が発売されるので覚えることが多くて勉強が追いつかない人も多いようです。また、販売職あるあるですが、お客様にはさまざまな人がいるので相手に合ったコミュニケーション能力が問われますし、クレーム応対もあります。
さらに正社員になると、シフト通りに勤務できずアルバイトの代わりに出勤することや、長時間労働、全国転勤も厳しい面としてあげられます。
登録販売者に未経験から転職するコツ
登録販売者は未経験からでも挑戦しやすい職種ですが、「資格を取れば誰でも簡単に採用される」というわけではありません。
特に最近はドラッグストア業界でも人手不足が続く一方で、「長く働ける人材か」「接客に向いているか」を重視する企業が増えています。
そのため、未経験から転職を成功させるには、資格だけでなく“現場で働くイメージ”を面接で伝えることが重要です。
接客経験をしっかりアピールする
未経験でも、接客経験がある人はかなり有利です。
ドラッグストアは医薬品販売だけでなく、日用品や食品など幅広い商品を扱う接客業でもあります。
そのため、コンビニ・スーパー・飲食店・アパレルなどでの接客経験は高く評価されやすい傾向があります。
特に、
クレーム対応
レジ対応
売場づくり
アルバイト教育
発注業務
などの経験は、登録販売者の仕事とも相性が良いです。資格だけをアピールするより「お客様対応に慣れていること」を伝えたほうが面接では刺さりやすいでしょう。
最初から理想条件を求めすぎない
未経験転職では“経験を積める環境”を優先することが大切です。
「土日休み」「残業なし」「高年収」など条件を絞りすぎると、未経験ではなかなか採用されません。
まずは教育制度が整っている大手チェーンや、資格取得支援制度がある企業を選ぶのがおすすめです。
特に大手ドラッグストアはマニュアルや研修制度が充実しているため、未経験でも仕事を覚えやすい傾向があります。
最初の職場で実務経験を積めば、その後の転職で年収アップや働き方改善を目指しやすくなります。
「資格取得予定」でも応募できる求人を狙う
資格取得前でも応募可能な企業は意外と多いです。
ドラッグストア業界は慢性的な人手不足のため「登録販売者取得見込み歓迎」として採用している企業も少なくありません。
実際、入社後に資格取得をサポートしてくれる企業もあります。特に20代〜30代前半で接客経験がある人は、ポテンシャル採用されやすい傾向があります。
「資格を取ってから転職活動しよう」と考えている間に年齢を重ねるより、早めに求人を見始めたほうが良いケースもあります。
企業ごとの働き方を必ず比較する
同じ登録販売者でも、会社によって働きやすさはかなり違います。
ドラッグストア業界は企業ごとのカラーが強く、
- 全国転勤が多い会社
- 地域限定勤務ができる会社
- ノルマ色が強い会社
- 調剤併設に力を入れている会社
など、働き方に大きな差があります。口コミだけで判断せず、面接で「残業時間」「異動頻度」「登録販売者の人数」「資格手当」などを確認することが大切です。
転職エージェントを活用する
未経験者ほど転職エージェントを使ったほうが失敗しにくいです。
登録販売者は求人自体は多い職種ですが、実際には店舗ごとの離職率や人間関係、教育体制までは求人票だけでは分かりません。
転職エージェントを利用すれば、
未経験歓迎求人
資格取得支援あり
女性が働きやすい店舗
残業が少ない企業
など、自分に合う求人を紹介してもらいやすくなります。また、志望動機や面接対策もサポートしてもらえるため、初めての転職でも安心です。
登録販売者に向いているタイプ
登録販売者に向いているのは下記に当てはまる人です。
・接客が好きで販売+専門性を身につけたい
・健康や美容に感心がある
・ディスプレイや季節の装飾、ポップに興味がある
・全国どこに行っても通用するスキルを身につけたい
・結婚や出産後も働きたい
・忙しい環境が好き
・立ち仕事が苦にならない
・2ℓの水やトイレットペーパーの箱を運べる
・チームで目標に向かって取り組むのが好き
登録販売者は販売職なので、接客やディスプレイ、立ち仕事などの適性が必須になります。
また、登録販売者が多く活躍するドラッグストアでは店舗ごとで店舗全体と推奨品の売上目標で成績が評価されるため、チーム一丸となって目標達成できる人が求められます。
登録販売者の給与・平均年収
登録販売者の平均年収は314万円です。
店長は450万円~600万円、エリアマネージャークラスで650万円以上になります。地域格差があるので、ガッツリ稼ぎたい人は大都市圏で働きましょう。
意外と給与が少ないと思うかもしれませんが、登録販売者の人は残業代や推奨品と売上達成によるボーナスで稼いでいます。
※参照:登録販売者の仕事の年収・時給・給料情報-求人ボックス
登録販売者の新卒採用市場と採用傾向
2021年度の新卒採用にて、大手ドラッグチェーンは大卒の総合職で200人~300人の採用を予定しています。多くのドラッグストアチェーンでは販売職に関しては高卒以上を対象としているので、実際の採用数は500名前後になると思われます。
ただし、近年ドラッグストア同士のM&Aが盛んになっているので、経営状況によっては採用数が大きく変動する可能性があるでしょう。
登録販売者の中途採用市場と採用傾向
登録販売者は慢性的な人材不足のため、通年で中途採用を行っている企業が多くあります。
実務経験者であれば、特定の企業に特別枠を設けている企業があるので、横の繋がりを意識して転職活動を行うと年収アップに繋がります。
例:ドラッグストアチェーンAに在籍した人が転職する場合
・ドラッグストアチェーンBの中途採用にはドラッグストアチェーンA枠がある
・ドラッグストアチェーンCの中途採用にはドラッグストアチェーンB枠がある
この場合Bに行くと採用選考が簡略化されて年収アップが可能になります。
このような特別枠が設けられるのは、業界内で「XXの社員は教育が徹底されていて、よく働く」という業界内の高い評価がある、または経営陣に元XX出身者が多いということが考えられます。
なお、登録販売者未取得または未経験者が転職する場合は、販売経験者が優遇されます。
登録販売者の志望理由・自己PRの例文テンプレ
志望動機の例文テンプレート、雛形、フォーマット、サンプルをまとめました。
志望動機テンプレート
私が御社を志望したのは、専門知識を身につけてお客様のお役に立ちたいと思ったからです。前職では主婦をしながらスーパーのレジ接客を担当しており、接客には自信があります。私は元々美容やコスメに関心が高く、トレンドカラーやサプリメントの最新情報を収集しているため、友人が化粧品を買いに行くときに相談されることがあります。御社の店舗は他社に比べてコスメコーナーが広く充実しているので、入社後は独自のポップを作成して御社の売り上げに貢献したいと思います。
まとめ|登録販売者への転職で後悔しないために
登録販売者は、未経験からでも挑戦しやすく、全国どこでも働きやすい将来性のある資格です。一方で、実際の仕事は薬の販売だけではなく、レジ・品出し・発注・売場づくり・接客など幅広い業務を担当します。
そのため、資格取得だけをゴールにするのではなく、「どんな会社で働くか」を重視することが大切です。教育制度や残業時間、転勤の有無、女性の働きやすさなどは企業によって大きく違います。
登録販売者は人手不足業界のため、未経験からでも転職しやすい職種です。だからこそ焦って入社を決めず、自分に合った働き方ができる企業を比較しながら転職活動を進めましょう。


























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