女性限定の転職・求人情報サイトが存在できる理由と男女雇用機会均等法に関する注意点をまとめました。
男女雇用機会均等法
男女雇用機会均等法とは1985年に制定され、1986年4月から施行された職場における男女の差別を禁止し、募集・採用・昇給・昇進・教育訓練・定年・退職・解雇などの面で男女とも平等に扱うことを定めた法律です。
求人広告では「女性限定」「男性限定」という募集・文章は男女雇用機会均等法から一部の例外を除き禁止されています。もちろん求人サイトだけでなく、フリーペーパー・ハローワーク、自社サイトなど媒体や場所に関係なく法律上NGです。
雇用形態も関係なく、正社員・契約社員・パート・アルバイト・派遣社員を問わず適用されます。これに違反すると20万円以下の罰則が適用されます。
性別を理由とする具体的な禁止事項
①募集・採用の対象から男女のいずれかを排除すること。
②募集・採用の条件を男女で異なるものとすること。
③採用選考において、能力・資質の有無等を判断する方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。
④募集・採用に当たって男女のいずれかを優先すること。
⑤求人の内容の説明等情報の提供について、男女で異なる取扱いをすること。
参考サイト:男女均等な採用選考ルール-厚生労働省
ある広告主から「女性限定の求人サイトは違法ではないのか」という質問を受けました。女性限定の転職サイト、主婦特化サイト、女性に特化した人材紹介会社は存在しています。
「なんで募集企業だけがダメなのか?」と不思議に思う人がいるのも頷けます。
以下ではこの疑問について回答させていただきます。
求人サイト運営会社が違法とされない理由
結論から言うと違法ではありません。法律では事業主(求人企業)に対する法律であると明確に定義されており、求人媒体に関する規定や罰則はありません。そのため女性に限定した転職サイトは違法ではないのです。
「事業主は、労働者の募集および採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」(5条)
参考サイト:雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために-厚生労働省
次に男女雇用機会均等法に関する注意点をまとめます。
この法律は人材業界・求人広告業界では必須の知識ですが、異業種参入してきた会社はしっかり理解していない可能性が高いです。どういった注意が必要なのかまとめました。
求人サイトで募集する際の注意点
大手求人サイト運営会社では絶対にありえませんが、成功報酬型求人サイトや地域限定求人サイトなど中規模以下の求人サイトでは書いている内容に感知しない会社もあります。
特に無料掲載が可能なサイトや、審査がない求人サイトは自由に掲載できるメリットがある反面、男女雇用機会均等法に違反する内容・文章も掲載できてしまいます。
もしも応募者が「この企業は違反していないか?」と通報されたら罰則が適用される可能性があります。
掲載企業側(雇用主側)が求人サイト運営会社に苦情・クレームを入れても「私たちはプラットフォームだから関係ない」「事業主ではないので責任はない」と主張することが可能です。掲載企業側だけがペナルティを受けますのでご注意ください。
なぜ大手求人サイト運営会社は安心なのか
大手求人サイト運営会社は社員に業界団体の求人広告取扱者資格試験の合格を必須にしたり、社内に審査部を設けるなどして対策・努力しています。
また担当営業が男女雇用機会均等法の具体的な違反事例を教えてくれたり、求人・雇用・労働保険に関係する法律が変更される際に広告主への知識提供もしてくれる会社もあります。
まとめ
営業マン、カメラマン、スチュワーデス、保母、看護婦など全て男女雇用機会均等法に違反している内容です。
女性限定(男性限定)と同じ意味として男性不可(女性不可)もNGです。この表記をしている会社はいまだに存在していますが、言い方を変えるとこの表記を求人サイトが許してしまっているんですね。
求人サイト運営にあたり資格・許認可・届出は必要ありません。個人事業主でも運営できるため誰でも簡単に始められます。そういった背景もあり求人サイト運営側も男女雇用機会均等法を知らないケースがあります。そのため企業側は仮に審査があっても「求人サイトの審査が通過しているから大丈夫」と考えていると危険で、雇用主側がしっかりと知識をつける必要があります。
そこそこ有名なサイトも無知だったり、審査が緩かったりしているのでご注意を。合わせて最低賃金を下回っている案件が掲載している求人サイトもあります。無料掲載できる求人サイトだと放置しがちですが、注意してほしいと思います。
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