求人広告を作るとき「若い人歓迎って書いていい?」「主婦歓迎は違反?」「高時給を強調しすぎるとNG?」と悩んだことはありませんか。
実はアルバイト求人には、年齢制限・男女表現・給与表記・誇大広告など、法律や媒体ガイドラインで禁止されている表現が数多くあります。知らずに掲載してしまうと、求人サイトの掲載停止や応募者とのトラブル、最悪の場合は行政指導につながるケースもあります。
特に最近は、応募者側の権利意識も高まっており「実際の条件と違う」「差別的な表現では?」とSNSや口コミで炎上するケースも珍しくありません。
この記事では、求人広告代理店として数多くの求人原稿を運用してきた視点から、アルバイト求人募集で注意したいNGワード・禁止表現・法律上のルールを、OK例・NG例付きでわかりやすく解説します。
求人広告は「法律」と「媒体ルール」の両方を守る必要がある
求人広告は「とりあえず応募が来ればOK」というものではありません。
実際には、求人募集には労働基準法・職業安定法・男女雇用機会均等法・最低賃金法など、さまざまな法律が関係しています。さらに、Indeed・求人ボックス・バイトル・マイナビなど各求人媒体ごとに独自の掲載ガイドラインも存在します。
そのため、法律上は問題ない表現でも媒体審査で掲載NGになるケースや、逆に「昔は普通に使えていた表現」が現在では炎上・クレーム対象になるケースも増えています。
特に最近は、
- 若い人歓迎
- 女性向けのお仕事
- 高収入確実
- アットホームな職場
など、何気なく使っていた言葉が審査落ちや掲載停止につながることも珍しくありません。
また、SNSの普及によって、求職者側のチェックも年々厳しくなっています。「実際の条件と違った」「差別的では?」と拡散されることで、企業イメージや採用活動に大きな影響が出るケースもあります。
だからこそ現在の求人広告では「盛った表現」よりも「誤解なく正確に伝えること」が重要になっています。まずは、求人広告で特に関係する代表的な法律を簡単に整理しておきましょう。
求人広告で特に注意したい法律一覧
| 法律名 | 主な内容 | NGになりやすい例 |
|---|---|---|
| 労働基準法 | 労働時間・休憩・休日・賃金などの最低基準を定める法律 | 休憩なし、最低賃金未満、違法シフト |
| 男女雇用機会均等法 | 性別による差別を禁止する法律 | 女性限定、営業マン募集、主婦歓迎 |
| 雇用対策法 | 年齢による差別的募集を制限する法律 | 35歳以下限定、若い人歓迎 |
| 最低賃金法 | 最低賃金以上の給与支払いを義務付ける法律 | 地域最低賃金以下の時給 |
| 職業安定法 | 求人情報の虚偽表示や誤認表示を禁止する法律 | 実際と異なる仕事内容・給与 |
| 景品表示法 | 誇大広告や優良誤認を防ぐ法律 | No.1、誰でも簡単高収入 |
法律違反だけでなく「媒体審査落ち」にも注意
最近の求人広告は「法律OK=掲載OK」ではなくなっています。
特にIndeedや求人ボックスなどはAIによる自動審査が強化されており、抽象的な表現や誇張表現があるだけで掲載停止になるケースがあります。
例えば、
- 高収入確実
- 夢を追う人歓迎
- 若いスタッフ活躍中
- 女性が活躍できる職場
などは、媒体によって修正依頼が来ることがあります。
また、同じ求人原稿でも媒体ごとに基準が異なるため「バイトルでは通ったのにIndeedではNGだった」ということも実際によくあります。
そのため最近は、求人広告代理店でも「応募が集まる文章」だけでなく、「審査に落ちにくい文章設計」が重要視されるようになっています。
労働基準法
労働基準法とは、労働時間・休憩・休日・給与など、働く人を守るための最低ルールを定めた法律です。正社員だけでなく、アルバイト・パート・契約社員にも適用されます。
求人広告では「実際に働けない条件」を掲載すると、掲載NGや応募者トラブルにつながるため注意が必要です。
特にアルバイト求人では、勤務時間・休憩・給与・年齢条件まわりで審査に引っかかるケースが多くなっています。
差別的な募集表現
国籍・信条・社会的身分による差別表現は禁止されています。
求人広告では、特定の国籍や思想などを理由に応募を制限することはできません。
NG例:外国人お断り
労働条件の明示
仕事内容や給与を曖昧にした求人はトラブルになりやすいです。
求人募集では、仕事内容・勤務地・勤務時間・給与・雇用期間などを明確に記載する必要があります。
特に最近は「聞いていた条件と違う」というクレームが増えているため、曖昧な表現は避けたほうが安全です。
労働時間と休憩時間
長時間労働や休憩不足は掲載NGになりやすいポイントです。
原則として、1日8時間・週40時間を超える働き方には注意が必要です。また、6時間超勤務では45分以上、8時間超では1時間以上の休憩が必要です。
NG例:09:00~20:00(休憩1時間)
NG例:10:00~19:00(休憩30分)
休日・有給休暇
「休みなし前提」のような募集は違法リスクがあります。
労働者には最低限の休日を与える必要があります。また、一定条件を満たしたスタッフには有給休暇も発生します。
NG例:2週1休
NG例:有給休暇なし
18歳未満の深夜勤務
高校生アルバイトの深夜シフトは特に注意が必要です。
18歳未満は、原則22時〜翌5時まで働かせることができません。
NG例:16歳以上歓迎(18:00〜24:00勤務)
男女雇用機会均等法
男女雇用機会均等法とは、性別を理由に採用や待遇で差別することを禁止する法律です。
求人広告でも「男性限定」「女性向け」など、特定の性別だけを対象にした表現は原則NGとされています。特に最近は、Indeedや求人ボックスなどのAI審査でも性別表現が厳しくチェックされるため、昔は普通に使われていた言葉でも修正依頼が入るケースが増えています。
掲載できない求人広告
何気なく使っている言葉が、性別制限と判断されることがあります。
特に注意したいのが、職種名や歓迎条件に性別が入っているケースです。
- NG例:主婦歓迎 ⇒ 主婦(夫)歓迎
- NG例:営業マン ⇒ 営業、営業職、営業スタッフ
- NG例:ウエイター⇒ ウェイター・ウエイトレス、ホールスタッフ
- NG例:カメラマン⇒ フォトグラファーor撮影スタッフ
- NG例:看護婦 ⇒ 看護師
- NG例:スチュワーデス ⇒ 客室乗務員(キャビンアテンダント)
- NG例:女性向けのお仕事⇒どちらか一方の性別に向けた発言やメッセージは不可。
「主婦活躍中」は現場の様子を表している事実のためOKとされています。ただし「活躍できる」という表記だと、特定の性別を排除してしまう表現のため不可になります。
男女とも募集対象としながら、男女それぞれの募集・採用人数を設定するもの。
- NG例:募集人数…男性10名・女性5名
- OK例:募集人数…15名
いずれかの性に対し、異性と異なる条件を付けるもの(年齢・未既婚・通勤状況など)。
- NG例:販売スタッフ(男性30歳まで・女性25歳まで)
- NG例:女性は未婚者に限る
- NG例:女性は自宅通勤できる方のみ
- NG例:女性のみ住宅手当有 ※男女同一の条件としなければならない。
いずれかの性に対し、異性と異なる情報を提供するもの。
- NG例:男性への説明コメントが、女性向けよりも詳細 ⇒男女同一の内容
- NG例:会社説明会の対象を男性のみとする ⇒会社説明会の対象を男女合同とする
いずれかの性に対し、異性と異なる採用試験などをするもの。
- NG例:女性のみ面接をする
- OK例:男女同一の試験内容にするor男女とも実施しない
男性または女性であることを理由として、募集・採用の対象を限定するもの。
- NG例:女性ホールスタッフ ⇒ホールスタッフ
- NG例:男性ドライバー ⇒ドライバー
参照:雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために-厚生労働省
例外として掲載できる求人広告
業務上どうしても必要な場合は、例外的に認められることがあります。
適用除外職種とは業務を行う上で片方の性別でなければならない理由があるものを指します。適用外職種として認められている求人は女性限定もしくは男性限定とすることは違反にはなりません。
例えば銭湯やスパにおいて女湯の清掃が含まれる場合は女性限定とすることが認められています。その他の例外としてできる例をご紹介させて頂きます。
2-1.芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請から一方の性に従事させることが必要である職務。ただし「イベントコンパニオンとして30歳以下の方を募集」といった特定の年齢層を対象とした商品やサービスの提供等が目的であり、芸術・芸能の分野に該当しない場合は認められません。
<OK例>女優、男性モデル
2-2.守衛、警備員等防犯上の要請から男性に従事させることが必要である職務。
<OK例>現金輸送車の警備員
2-3.宗教上、風紀上、スポーツ競技の性質上その他の業務の性質上いずれか一方の性に従事させることについて1、2と同程度の必要性があると認められる職務。
<OK例>巫女、女性更衣室の係員、レースクイーン
2-4.労働基準法で女性の労働が制限、または禁止されていて、通常の業務を遂行するために、女性に対して男性と均等な機会を与え、または取り扱いをすることが困難であると認められる場合。
<OK例>重量物運搬(男性のみ)
2-5.風俗、風習等の相違により男女のいずれかが能力を発揮しがたい海外での勤務が必要な場合、その他特別の事情により、労働者の性別にかかわりなく均等な機会を与え、または取り扱いをすることが困難であると認められる場合。
<OK例>イスラム諸国での勤務(男性のみ)
「女性積極採用」が認められるケース-ポジティブ・アクションについて
女性比率改善を目的とした募集は、一部認められています。
実質的な機会均等を実現することを目的にし、企業における女性の活躍を拡大するため、特定の職種や役職についている女性が男性より少ない場合に、企業が優先的に女性を「採用・配属」することを推奨するものです。
<例>営業職にほとんど女性がいないので、女性を採用する。管理職は男性ばかりなので、女性を昇格させる。女性を優先する理由と一緒に「女性のみ募集」や「女性歓迎」と記載することができます。
- OK例:女性歓迎(ポジティブアクションによる募集のため)
- OK例:女性限定(ポジティブ・アクション適応求人)
- OK例:女性積極採用中(ポジティブアクション適用)
- OK例:女性営業職がいないため、女性からの応募をお待ちしています。
- NG例:女性のみ住宅手当有 ※諸手当など待遇の差をつけることはできない。
- NG例:男性歓迎 ※ポジティブ・アクションは、男性には適用されない。
参照:ポジティブ・アクション(女性社員の活躍推進)に取り組まれる企業の方へ-厚生労働省
最低賃金法
最低賃金法とは労働者の生活の安定や労働条件の改善を図る事を目的に、使用者が労働者に支払わなければならない最低限度の賃金を定めた法律です。掲載される求人広告はこの法律を遵守する必要があります。
最低賃金制度とは
最低賃金法に基づき、国が賃金の最低限度額を定め、使用者はその最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です。
仮に最低賃金額より低い賃金を労働者、使用者双方の合意で定めても、法律により無効とされ、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされます。
最低賃金の種類
最低賃金には、以下の2種類があります。
地域別最低賃金
産業や職種にかかわらず、都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者に対して適用される最低賃金です。都道府県ごとに定められており、雇用形態や呼称に関わらず適用されます。
地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、罰金(50万円以下)が定められています。毎年10月頃に全国で改定がおこなわれており最低賃金で募集している事業主は注意が必要です。
特定(産業別)最低賃金
特定の産業について、地域別最低賃金より高い水準で定められた最低賃金です。
全国で269件(平成28年12月15日現在)定められています。 地域別最低賃金と特定最低賃金の両方が適用される場合は、高い方の最低賃金額が適用されます。
参照:地域別最低賃金の全国一覧-厚生労働省
参照:特定最低賃金の全国一覧-厚生労働省
職業安定法
職業の紹介や募集、供給を規定する法律です。公共職業安定所や、その他の職業安定機関、職業安定機関以外の者が行う職業紹介事業などの運営を適正にし、職業の安定を図り、経済と社会の発展に寄与することが目的とされています。掲載される求人広告はこの法律を遵守する必要があります。
労働条件等の明示(第5条の3)
職業紹介事業者、労働者の募集を行う者等は労働者の募集等にあたり、下記の事項を書面により明示しなければならない。①仕事内容②賃金③労働時間④雇用期間⑤社会・労働保険の適用の有無…等
有料職業紹介事業(第30条)
有料職業紹介事業を行うには事業所ごとに厚生労働大臣の許可を受けなければならない。許可の有効期間は3年。
有料職業紹介事業の取扱職業の範囲(第32条の11)
有料職業紹介事業者(人材あっせん会社)は、港湾運送業務、建設業務について職業紹介を行うことができない。
委託募集(第36条)
労働者を採用している企業が、自社の従業員以外の者を募集業務に従事させようとするときは、厚生労働大臣の許可または、届出が必要。また、その者に報酬を与えようとするときには、報酬額について大臣の許可が必要。
報酬受領の禁止(第39条)
労働者の募集を行う者と募集受託者は、募集に応じた者から、いかなる名義でも、報酬を受けてはならない。
報酬供与の禁止(第40条)
労働者の募集を行う者は、労働者の募集に従事する者への賃金、募集受託者に対する厚生労働大臣許可の報酬以外に一切の報酬を与えてはならない。自社の従業員に、謝礼として、報奨金・図書券・テレフォンカード等を支給することは法令違反。
雇用対策法
労働者の再就職促進を目的に、事業主の募集・採用における年齢制限の緩和と、事業主に対する指針を定めた法律です。掲載される求人広告はこの法律を遵守する必要があります。
1.掲載できない求人広告
(1)年齢を理由として、募集・採用の対象から特定の年齢層を排除するもの。
NG例:募集年齢:40歳まで
NG例:18歳以上
OK例:年齢を表記しない
OK例:「年齢不問」と表記
(2)特定の年齢層の応募を排除する表現を使用するもの。
NG例:若い方歓迎。
OK例:学生歓迎。⇒高校生・大学生には、「年齢の決まり」はないため、年齢制限にはならずOK。
OK例:「若い方活躍中」と表記する⇒採用の意思ではなく、現場の様子を表しているためOK。ただし「活躍できる」という表記だと、特定の年齢層を排除してしまうため不可。
(3)特定の年齢層に対し、他の年齢の者と異なる条件付加・採用試験をするもの。
NG例:40歳以上のみ適性検査実施。
OK例:全員実施する。
OK例:全員実施しない。
2.例外として掲載できる求人広告
2-1.長期勤続によりキャリア形成を図る観点から、若年層等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合(原則正社員のみ該当)。ただし、1.対象者の職業経験について不問とすること、2.新規学卒者以外の者にあっては新規学卒者と同等の処遇であること、の2つの要件を満たす必要があります。
OK例:「35歳未満の方を正社員で募集」(職務経験不問)
NG例:「アルバイトで35歳未満の方を募集」(営業経験者)
NG例:「20歳以上35歳未満の方を募集」
2-2.技能・ノウハウ継承の観点から、特定の職種(※2)において労働者数が相当程度少ない(※3)特定の年齢層(※4)に限定し、かつ期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合。
OK例:「□□社のシステムエンジニアとして30~39歳の方を募集」
(□□社のシステムエンジニアは、20~29歳100人、30~39歳40人、40~49歳120人)
NG例:「□□社〇〇支店のシステムエンジニアとして30~39歳の方を募集」
⇒労働者数は、原則として企業単位で判断するので、支店単位は不可。
NG例:「□□社のシステムエンジニアとして25~45歳の方を募集」
⇒年齢幅が「5~10歳」を超えており、また「30歳~49歳の範囲」におさまっていないので不可。
2-3.定年年齢を上限として、当該上限年齢未満の労働者を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合。原則正社員のみ該当、契約期間に定めのあるアルバイト・派遣・契約社員は、該当しない。
OK例:「60歳未満の方を募集」(定年が60歳)
NG例:「60歳未満の方を募集」(定年が63歳)
NG例:「(アルバイトで)60歳未満の方を募集」
2-4.労働基準法等法令により年齢制限が設けられている場合。
OK例:「警備業で18歳以上の方を募集」
OK例:「22:00~翌5:00で18歳以上の方を募集」
OK例:「資格関連で年齢が定められているもの。」⇒自動車のドライバーとして18歳以上を募集。
NG例:「タバコのキャンペーンスタッフのため20歳以上の募集」⇒パチンコ店、居酒屋、たばこのキャンペーンスタッフ、麻雀店、ゲームセンターなどは18歳未満も働ける。 ※「たばこのキャンペーンスタッフ」は喫煙が必須の場合は「20歳以上」になります。
※2.技能・ノウハウの継承が必要となる具体的な職種を記載する。
※3.相当程度少ないかどうかは、支店や部署単位ではなく、企業単位で判断する。
※4.30歳~49歳のうちの特定の5~10歳幅の年齢層を指す。
※5.原則正社員のみ該当、契約期間に定めのあるアルバイト・派遣・契約社員は、該当しない。
2-5.芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請がある場合。
OK例:演劇の子役のために、18歳以下の方を募集。
NG例:ファッションモデルとして、30歳以下の方を募集。⇒単に、特定の年齢層を対象とした商品販売が目的であり、芸術・芸能の分野に該当しないので不可。この場合「10歳代後半~20歳代前半までの若者向けの洋服を着用していただくお仕事です。」に変更する。
2-6.60歳以上の高年齢者または特定の年齢層の雇用を促進する国の施策の対象となる者に限定して募集・採用する場合。ただし、60歳以上の高年齢者を募集する際には上限の設定は不可。
OK例:「60歳以上の方を募集」
NG例:「60歳以上70歳未満の方を募集」
優位性を示す表現
No.1、業界1位、唯一など他に対して優位性を示す表現のことです。使用に際しては事実確認し、誇大表現にならないよう、表現に注意をしてください。
不当景品類及び不当表示防止法
景品表示法とも呼ばれます。事業者が利益の増大のために広告などで自社商品やサービスについて不当(虚偽・誇大)に表現することを防ぎ、消費者が適正に商品・サービスを選択できる環境を守る法律です。
トップ表現の使用について
「No.1」「日本最大」などトップを表す表現を使用する場合、客観的に証明できるものがなければ掲載が難しいとする求人サイトがあります。
客観的に証明できない場合は、表現を変更することで問題ないとされています。「業界トップの待遇」など調べようがなく、客観的に事実が証明できない場合は極力使用を避けたほうが無難です。
<例>国内No.1、一番、日本初、最大、大手、元祖、トップ、有名。
<例>トップクラス、最大級、最上位、昔ながらの
<例>業界トップの待遇、仲の良さならNo.1、最大の明るさ
ランク付け表現の使用について
「業界2位」「○○ランキング3位」など、ランキングに基づく表現を使用する場合、客観的に証明できるものがなければ掲載できません。
<例>顧客満足度の高い人材派遣会社3位に選ばれました(オリコンDD株式会社調べ)⇒この場合、オリコンDD株式会社に掲載許可が必要。
唯一表現の使用について
掲載できる内容「日本で唯一○○を導入している会社です」などの、唯一表現を使用する場合、客観的に証明できるものがなければ掲載できません。<例>唯一、当社のみ
差別表現
ある表現が、特定の人々に対する差別的な意図のもとになされている場合、もしくはその表現が特定の人々をいわれなく傷つけるような場合、その表現を「差別表現」といいます。また言葉だけでなくイラストやビジュアルも同様に注意が必要です。
差別意識の有無に関らず、「使われた側の立場になって考える」ことを意識し、受け取り手が不快な思いや苦痛を感じるような用語の使用・表現は避けてください。
例にあげる用語・表現例は、あくまでも一部であり、差別を行なわない姿勢を常に意識し、安易な表現は使用しないでください。差別表現を含む求人広告は掲載できません。
1.人種・民族・国家
特定の人種・民族・国家を貶めたり、優劣をつけたりするような表現は使用できません。
NG例:外人 ⇒ 外国人
NG例:土人、原住民 ⇒ 先住民(族)、現地人
NG例:後進国、未開国、低開発国 ⇒ 発展途上国
2.部落差別(同和問題)
同和問題は日本の歴史過程において重大な社会問題です。問題の重要性を理解し、無意識に差別につながる表現は使用できません。一般語としても誤解を生じる恐れがあるため、使用は避けましょう。
NG例:特殊部落 ⇒ 差別地区、被差別部落、同和地区
3.地域
どこで生まれたかどこに住んでいるかは本人の能力に関係ないため、出身地や居住地を特定しての募集はできません。
OK例:Uターン者歓迎
NG例:神奈川県にお住まいの方歓迎
NG例:○○エリアから通勤が1時間以内の方
4.心身の障害、病気、身体的特徴
NG例:めくら、おし、つんぼ、びっこ、○○キチ
NG例:色盲、色覚異常 ⇒ 色覚障害
NG例:ブラインドタッチ ⇒ タッチ・タイピング
5.性別
男女は本来対等のものなので、優劣をつけるような表現は使用できません。
6.職業
本来職業に貴賎はなく、職業の貴賎を意識させるような表現は使用できません。
NG例:産婆 ⇒ 助産師
NG例:坊主 ⇒ 僧、僧侶
NG例:丁稚 ⇒ 店員
NG例:板前 ⇒ 調理師
NG例:町医者 ⇒ 開業医
NG例:潜水夫 ⇒ 潜水作業員
NG例:掃除婦 ⇒ 清掃作業員
NG例:バーテン ⇒ バーテンダー(「バー」と「フーテン」を掛け合わせた言葉のため。)
7.性格
性格の基準は曖昧で主観的要素が強く、客観的な判断ができないため、採用の条件としてはいけません。性格ではなく、仕事に対する姿勢や誰でも訓練すれば養えることを条件にしてください。
NG例:明るい元気な人 ⇒ 明るく元気に接客ができる人
NG例:真面目な人 ⇒ 真面目に業務に取り組める人(性格ではなく、個人の能力に関することなので表記可能。)
求人媒体で実際によくある掲載NG・審査落ち事例
求人広告では、法律違反ではなくても「媒体側の掲載基準」によって修正依頼や掲載NGになるケースがあります。
特に最近は、Indeedや求人ボックスなどAIによる自動審査も増えており、以前は問題なかった表現でも掲載停止になるケースが増えています。
ここでは、求人広告代理店として実際によく遭遇する「審査落ちしやすい表現」を紹介します。
「若いスタッフ活躍中」でも修正依頼が来ることがある
若いという言葉だけで年齢制限を疑われるケースがあります。
本来「若いスタッフ活躍中」は職場環境を説明している表現のため、必ずしも違法ではありません。ただし、媒体によっては「若年層を優遇しているように見える」と判断され、修正依頼が入ることがあります。
特に「20代中心」「若い男性活躍中」など、年齢や性別を連想させる表現はIndeed系媒体で厳しく見られる傾向があります。
そのため最近は「20代〜30代のスタッフが在籍しています」「学生スタッフも多数活躍中です」など、事実ベースで表現する企業が増えています。
「高収入確実」「誰でも簡単に稼げる」は誇大広告扱いになる
稼げる系ワードは、求人媒体側がかなり警戒しています。
応募を増やしたい気持ちから「月収100万円可能」「誰でも簡単高収入」「絶対稼げます」などの強い表現を使いたくなることがあります。
しかし、根拠が曖昧なまま掲載すると、景品表示法や媒体ガイドラインに抵触する可能性があります。
特にナイトワーク・営業職・業務委託案件では「実態以上に見せている」と判断されると掲載停止になるケースもあります。
最近は「月収例」「実際のスタッフ給与例」「インセンティブ制度あり」など、具体例ベースで記載する求人が増えています。
「アットホームな職場」はブラック企業認定されやすい
便利な言葉ほど、求職者に警戒される時代です。
以前は定番だった「アットホームな職場」という表現ですが、最近はSNSや口コミサイトの影響で、逆に警戒されるケースが増えています。
求職者側からすると「距離感が近すぎそう」「プライベート干渉がありそう」「体育会系かも」とネガティブに受け取られることもあります。
そのため最近は「社員5名ほどの少人数チームです」「店長とも気軽に相談しやすい環境です」など、具体的な職場環境を説明する書き方のほうが反応が良い傾向があります。
「夢を追う人歓迎」が媒体によってNGになることもある
ポエムっぽい求人は、審査AIに嫌われやすいです。
「夢を追う方歓迎」「熱い仲間募集」「人生を変えたい人歓迎」などの抽象的な表現は、一部媒体で修正対象になることがあります。理由としては、仕事内容や労働条件が不透明になりやすいためです。
特にIndeed系媒体は「具体的な仕事内容」「勤務条件」が重視される傾向が強く、精神論や抽象論が多い求人は審査落ちしやすい傾向があります。
「女性活躍中」でも書き方によってはNGになる
活躍できると活躍中では意味が変わります。
「女性活躍中」は現場の事実を説明しているため、基本的には問題ないケースが多いです。
ただし「女性が活躍できる職場」「女性向けのお仕事」のような表現になると「特定の性別を対象にしている」と判断される可能性があります。求人広告では、採用対象を限定する書き方になっていないかが重要です。
求人媒体ごとに掲載NG基準が違う点にも注意
求人広告で意外と多いのが、「法律的には問題ないのに媒体審査で落ちる」というケースです。
実際、Indeed・求人ボックス・バイトル・タウンワーク・マイナビなど、求人媒体ごとに独自の掲載基準があります。
そのため、ある媒体では掲載できた表現が、別媒体ではNGになることも珍しくありません。
Indeed系媒体は「具体性」がかなり重視される
抽象的な求人ほど、Indeedでは不利になりやすいです。
IndeedやIndeed連携ATSでは「仕事内容が曖昧」「給与条件が不透明」「精神論が多い」求人は審査落ちしやすい傾向があります。
例えば「楽しく働ける環境です」「やる気次第で稼げる」だけでは情報不足と判断されることがあります。
最近は、
- 具体的な業務内容
- 実際のシフト例
- 給与モデル
- 残業有無
などを細かく書いた求人のほうが掲載されやすくなっています。
求人ボックスやGoogleしごと検索は機械判定が多い
人間なら通じる表現でも、AI審査では落ちることがあります。
最近の求人媒体はAIによる自動審査が増えています。そのため「なんとなく伝わる」「雰囲気で読める」求人よりも「誰が読んでも条件が明確」な求人のほうが掲載されやすい傾向があります。
特に、
- 給与幅が広すぎる
- 仕事内容が曖昧
- 勤務地が不明確
- 雇用形態が不透明
といった求人は、自動審査で止まりやすくなっています。
媒体担当者によって判断が変わるケースもある
同じ表現でも、担当者次第で通る・通らないがあります。
求人広告は法律だけでなく、媒体運営会社の判断も大きく関係します。実際、同じ表現でも「前回はOKだった」「別担当では修正になった」というケースは珍しくありません。
特に近年は、SNS炎上や労働トラブルへの対策強化により、媒体側も慎重になっています。そのため「他社が使っているから大丈夫」ではなく、最新の掲載基準に合わせて見直すことが重要です。
まとめ|求人広告は「盛る」より「正確に伝える」が大切
求人広告では、応募を増やしたいあまりに表現を強くしたくなることがあります。しかし、実際には「誇張した求人」ほど応募後のクレームや早期離職につながりやすい傾向があります。
特にアルバイト採用では「思っていた仕事内容と違った」「聞いていた条件と違う」と感じた瞬間に面接辞退やバックレにつながるケースも少なくありません。だからこそ大切なのは、良く見せることよりも正確に伝えることです。
年齢・性別・給与・待遇などの法律ルールを守ったうえで、仕事内容や職場環境を具体的に伝えることで、結果的にミスマッチの少ない応募につながります。
媒体ごとに細かい掲載基準も異なるため、不安な場合は求人広告代理店や媒体担当者へ事前確認することをおすすめします。違反を避けるだけでなく「応募が集まりやすい安全な表現」に改善できるケースも多いです。


























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