【パワハラや労災認定基準】職場でとるべき行動・対策・裁判事例まとめ

社会問題化しているパワハラ対策をするためには、パワハラとは何かについて正しく理解する必要があります。

パワハラの定義・種類・対処法、訴える前にやるべきこと、裁判の判例、労災認定に必要な要件、最終手段である退職についてなど、パワハラ対策について徹底解説します。

目次

パワハラの種類は?パワハラに屈しないための対策

セクハラ、モラハラ、マタハラなど、職場には様々なハラスメントが存在しており社会問題化しています。中でも男女関係なく被害者になりえるのが、上司と部下の間で行われるパワーハラスメントです。

企業側も対策をしているとはいうものの、2002年には約6,600件であったものが、2010年には約39,400件と、年々急速に増加している実態があります。

パワハラは注意や指導との線引きが難しいため、加害者がパワハラと意識せずに発言・行動している場合や、被害者がパワハラを相談できずに、ひたすら耐えてしまうこともあり、表面化していないパワハラ問題はどこの職場にも潜んでいるのです。

パワハラの被害者の中には、精神を病み休職や退職を余儀なくされる人もいる一方で、自分の能力のなさやルール違反を棚に上げ、多少の叱責や処罰に対して「パワハラだ!」と大げさに騒ぎ立てる新入社員などもいます。どちらが悪いのか難しい場合もあるため、その対応には企業側も頭を抱えているのが実情です。

職場の人間関係に悩んでいる人、ちょっと指導が行き過ぎではないか?と感じている人はパワハラとは具体的にどういう行為なのか?どんな種類があるのか?を正しく理解し、パワハラに屈しないための対策法を身につけましょう。「退職」という最終手段の前に、やるべきことはたくさんあります。

パワハラの定義とは?

パワハラの意味

2012年1月、厚生労働省の「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキング・グループ報告」によれば、職場のパワーハラスメントとは「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいう」と定義されています。

職場での優位性

パワーハラスメントの言葉通り、力を持つ上司が部下に対して嫌がらせやいじめを行うことがパワハラだと思いがちですが、実はそれだけではありません。

先輩と後輩の間柄、同僚同士、ときには部下から上司に向けて行われる嫌がらせもパワハラになることがあります。職場での優位性とは、単に社内的地位を指すものではなく、専門知識の有無、業務の経験値、人間関係における優位性などもそれにあたります。

例えば、社内異動でまったく知識のない部署に配属になり、そこで経験値が豊富な同期や後輩から怒鳴られたり邪魔者扱いされるようなケースもパワハラと認定されるこがあります。

業務の適正な範囲

厳しい叱責や指導も、業務上の適正範囲であればパワハラとは認められません。

セクハラ・パワハラと一緒に語られることが多いため、誤解している人が多いのですが、パワハラは、セクハラのように「受けた人がどう感じたか」ということが判断の基準になるわけではありません。「怒られてショックを受けた」だけでは、パワハラには当たらないのです。

また、厚生労働省の定義には「強制」という要件もありません。「強制的な業務命令」だけでは、パワハラにならないことになります。「どこまでが業務の適正範囲なのか」は、職場によって違うため、企業側がその範疇を明確にする取り組みをしていく必要があります。

精神的・身体的苦痛と職場環境の悪化

精神的・身体的苦痛とはどんなものか?暴力行為は別として、「一度怒鳴られた」ぐらいでは、パワハラと認められることはないでしょう。

怒鳴る、机をたたくなどの威嚇行為や、相手に精神的なダメージを与えるような言葉による暴力が、日常化していて継続的に行われる場合は、パワハラと認められることが多いようです。

また、パワハラが行われている職場では、被害者本人だけではなく、周囲の人も萎縮したり閉塞感を感じるようになります。加害者の行為により、仕事に集中できない状態が継続するようであれば、職場環境の悪化に繋がります。

パワハラには実は法律的根拠がない?

パワハラは、ある程度のガイドラインが整備されているものの、パワハラを規定する明確な法律は今のところありません。セクハラであれば「男女雇用機会均等法」が法的根拠となりますが、パワハラには法律的根拠は存在しないことになります。

そのため社内でパワハラ行為が発覚した場合は、事実関係や状況をしっかり把握し、社内の共通認識やこれまでの判例を元に判断していく必要があります。

上司のパワハラの種類と対処法

厚生労働省のワーキング・グループ報告によると、パワハラには様々な種類があるとされています。どんなパワハラがあって、どのように対処すれば良いのかまとめました。

仲間はずれ型(人間関係切り離し型)

無視や仲間外れ、必要な情報を意図的に回さない、忘年会や送別会に呼ばないなど、子どもじみた嫌がらせも立派なパワハラです。業務上必要な連絡を別の人を経由して行うなど、個人を孤立させる行為も該当します。

原因と背景

上司との口論後の報復や、古参社員の影響力による派閥行動がきっかけになることもあります。

対処法

まずは自分の言動に問題がなかったかを振り返り、それでも理由が思い当たらない場合は直属の上司、またはさらに上の管理職に相談しましょう。

言葉の暴力型(精神的攻撃型)

脅迫・侮辱・名誉棄損などの言動を伴う、もっとも被害報告が多いパワハラです。例:「お前なんて辞めさせられる」「小学生並みだな」「死ね」「殺す」など。

影響

日常的に浴びせられると精神的に追い詰められ、うつ病や自殺に至るケースもあります。

対処法

発言を録音・記録して証拠化し、人事部や労基署に相談。軽度な嫌味であれば、受け流しや職場全体で加害者を孤立させる戦略も有効です。

暴力行為型(身体的攻撃型)

灰皿や物を投げつける、叩く、威嚇のために大きな音を立てるなど、身体に危害を加える行為。

特徴

直接的な被害がなくても、周囲が萎縮し職場環境が悪化します。刑事事件に発展する可能性も。

対処法

日時・場所・行為を記録し、録音や証人を確保。人事部や外部機関に相談します。

懲罰型(過大な要求型)

終業間際に大量の仕事を押し付ける、新人に不可能なノルマを課す、懲罰的に始末書を何枚も書かせるなど。

注意点

「能力不足」を理由に残業代未払いが発生するケースも多く、労働基準法違反の可能性があります。

対処法

就業規則や残業の取り扱いを確認し、不当な指示や未払いがあれば証拠を持って申告しましょう。

窓際型(過小な要求型)

本来の業務を外され、コピーや掃除など能力とかけ離れた業務だけを長期間続けさせられる状態。

背景

退職勧奨や「追い出し部屋」の一環として行われる場合もあります。

対処法

長期化している場合は第三者機関に相談。社内人事に期待できないケースが多いです。

強要型

非効率な上司のやり方を強制され、それに従わないと叱責されるパターン。効率低下の責任を部下に転嫁されることも。

対処法

上司の上司に事実を共有し、改善を求める。客観的な効率比較データを示すと効果的です。

介入型(個の侵害型)

私生活や交際相手の詮索、ロッカーや私物の覗き見、信仰やプライバシーに関する干渉。女性が被害に遭うことが多く、セクハラに該当するケースも。

対処法

毅然と「プライバシーの侵害はやめてください」と伝え、必要に応じて有給取得拒否などの事例は証拠化して相談します。

まとめ:パワハラ対処の鉄則は「証拠」と「第三者の介入」

パワハラは種類や加害者の立場によって対応策が異なりますが、共通するのは証拠を残すことと信頼できる第三者に相談することです。

社内相談窓口、人事部、労働基準監督署、弁護士など、複数の選択肢を持って行動することで、早期解決につながります。

上司からパワハラを受けたときー訴える前にやるべき対策

「もう我慢できない!上司を訴えたい!」と思うほどのパワハラ被害を受けた場合、すぐに法的措置を取りたくなるのは自然なことです。しかしパワハラを訴える前には、必ずリスクと事前準備を理解し、効果的な対策を取ることが重要です。

パワハラを訴える前に知っておくべきリスク

訴訟には以下のようなリスクがあります。

  • 金銭的負担:弁護士費用や訴訟費用が発生
  • 職場での立場悪化:勝訴しても居づらくなり退職に追い込まれる可能性
  • 会社への影響:社会的信用の低下や業績悪化につながる場合も

訴えることで得られるメリットとデメリットを冷静に比較し、短絡的に行動せず、事前にできる対策を進めておきましょう。

パワハラに屈しない毅然とした態度を持つ

パワハラ上司は、相手が怯えたり動揺したりする様子を見て、攻撃をエスカレートさせる傾向があります。

  • 目をそらす、小声でしか話さない、落ち着きのない態度は逆効果
  • 理不尽な要求にははっきり「NO」と告げる
  • 本来の仕事に集中し、成果を上げて言いがかりを防ぐ

場合によっては、集めた証拠をもとに直接「この行為はパワハラに該当します。続く場合は第三者機関に相談します」と伝える方法もあります。ただし、状況を悪化させるリスクもあるため、その後の経緯を必ず記録しておきましょう。

同僚と情報共有し、味方を作る

同じ上司からパワハラを受けている同僚がいる場合、複数人で事実を共有することは非常に有効です。

  • 被害状況を聞き取り、共通の問題として対策
  • 一緒に避ける行動パターンを作る
  • 複数人で証言できれば、証拠の信頼性が高まる

会話ややり取りを証拠として残す

パワハラを会社や法的機関に訴えるには、客観的な証拠が不可欠です。

  • スマホやICレコーダーで会話を録音
  • メールやLINEのやり取りを保存
  • 信頼できる同僚に証人を依頼
  • 医療機関の診断書(精神疾患・体調不良の記録)

証拠があれば「言った・言わない」の水掛け論を避けられます。

人事部や社内相談窓口に相談する

大手企業には必ずパワハラ相談窓口があります。証拠を持参して相談すれば、改善が期待できます。

  • 窓口がない場合は、人事部・労働組合・加害者の上司に相談
  • 就業規則・服務規程を確認し、規定に沿った対応を求める
  • 「個人の問題」ではなく「会社全体の問題」として認識してもらう

社内全体に問題意識を広めることで、大きな対立を避けつつパワハラを止めさせることが可能です。

外部機関に相談する

社内で改善が見られない場合は、外部機関の活用を検討しましょう。いきなり労基署に行くのではなく、まずは相談窓口を利用して対策を整理します。

主な相談先

  • 働く人の悩みホットライン(03-5772-2183/無料)
  • こころほっとライン(0120-565-455/無料)
  • 法テラス(0570-078374/無料・弁護士相談可)

厚労省「明るい職場応援団」を活用

厚生労働省が運営するパワハラ専門サイト「明るい職場応援団」では、

  • パワハラの事例集
  • 企業向けマニュアル
  • 労基署への相談窓口検索

が利用できます。証拠を揃えたうえでの法的手続きや助言依頼も可能です。

まとめ:訴える前に「準備8割」

上司のパワハラを訴える前には、

  • 冷静な状況分析
  • 証拠の確保
  • 社内外の相談窓口活用

を行うことで、解決の可能性が大きく高まります。感情的に動くよりも、戦略的に準備を進めることが、パワハラ解決の最短ルートです。

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パワハラの裁判例

パワハラ裁判の判例を知ることは、誰のどんな行為が責任を問われるのか、またどのような場合にパワハラが認められないのかを理解する上で非常に重要です。ここでは、実際のパワハラ裁判例を2つ紹介し、それぞれから学べるポイントを解説します。

なお、厚生労働省が運営する「あかるい職場応援団」サイトには多数の判例が掲載されています。自分のケースに近い事例を検索し、参考にすることをおすすめします。

パワハラが認められた事例:誠昇会北本共済病院事件

事案の概要

男性准看護師Xさんは、Y病院に入社後、先輩であるA(男性)らから継続的ないじめや嫌がらせを受けていました。具体的には以下のような行為です。

  • 遊びへの無理やりな付き合いの強要
  • 肩もみ、家の掃除、送り迎えなどの私的雑用の命令
  • 交際相手への無断連絡やデート中の呼び戻し
  • 社員旅行中の飲み会でアルコールを強要 → 急性アルコール中毒に
  • 「馬鹿」「死ね」「殺す」などの暴言や嫌がらせメールの送付

これらが原因でXさんは精神的に追い詰められ、自殺。その後、両親が損害賠償請求訴訟を提起しました。

判決の内容

裁判所は、A個人に対し1,000万円の損害賠償を命じ、さらにY病院にも安全配慮義務違反があったとして賠償を命じました。ここで重要なのは、会社や上司が違法ないじめを認識していた場合はもちろん、「認識可能」と判断された場合でも安全配慮義務違反が成立するという点です。

パワハラが認められなかった事例:ホンダカーズA株式会社事件

事案の概要

元従業員(原告)は、先輩社員Dから暴言や暴行などのパワハラを受けたとして、勤務先である被告会社に慰謝料を請求しました。原告の主張は以下の通りです。

  • ミスを責任転嫁され「能力が低い」「段取りが悪い」と罵倒
  • 不当な叱責の繰り返し
  • 徹夜作業を命じられ、翌日も通常勤務を強要 → 「お前のせいで俺の作業が増えた」と罵倒され謝罪を要求
  • 暴言・叱責・過剰勤務が続き、会社代表に複数回訴えたが無対応
  • 逆に「協調性がない」「上司の言葉は神様の言葉」などと非難され、2日間の強制休業処分

判決の内容

裁判所は、原告の主張するパワハラについて客観的証拠が不足していると判断し、慰謝料請求を棄却しました。一部の事実は認められたものの、それらが不法行為や安全配慮義務違反にあたるとは言えないとされています。

また、会社側の対応についても、原告が具体的な措置を求めなかったことなどを理由に、不法行為の成立は否定されました。

パワハラの場合適応される労災認定基準

パワハラにより心身に異常をきたすようなことがあれば、労災として認められるケースがあります。労災が認められれば、治療費や休業補償を得ることができますし、会社もパワハラを放置するわけにはいかなくなります。

労災認定は、労働基準監督署により判断されるものですが、2009年に精神疾患を労災認定する際の判断基準である「職場における心理的負荷評価表」が見直しされ、パワハラに関する項目が追加されたことにより労災認定のハードルが低くなったと言われています。パワハラによる労災認定を得るためには、大きく3つの要件を満たす必要があります。

精神障害を発症している

うつ病をはじめとして、認定基準の対象となる病気を発症しており、病院でその診断を受けていることが条件の1つになります。医師の診断がない場合や、対象外の疾患であれば労災とは認定されません。

業務に関連して発病する可能性がある疾患としては、うつ病や急性ストレス性反応などで、その他統合失調症なども対象になるようです。

発症前6ヵ月に業務による強い心理的負荷が認められる

業務上の特定の事象が労働者に心理的な負荷を与えたかどうかを判断します。負荷の強度は、「心理的負荷評価表」に基づき、三段階で評価されます。これは個人がどう受け止めたかではなく、一般的にどう感じるかという観点で判断されます。

例えば、「達成困難なノルマを課せられ、不達の場合はペナルティがあることを告知された」「時間外業務が急に著しく増加(100時間以上)し、その後の業務に多大な労力を費やした」場合などは負荷が「強」と判断されます。詳細は、厚生労働省のパンフレット「精神障害の労災認定」業務による心理的負荷評価表で確認することができます。

職場外の心理的負荷によって発病したものでない

家庭事情などプライベートなことが原因である場合は、当然ながら労災は認定されません。「離婚又は夫婦が別居した」や「多額の財産を損失した又は突然大きな支出があった」など「職場以外の心理的負荷評価表」に基づき、労働基準監督署が調査の上判断します。

精神障害の労災認定

パワハラで退職するとき必要なこと

退職は最後の手段ですが、「しかるべき部署に相談しても改善が見られない」「会社にパワハラを容認する風潮がある」などの場合は、転職を考える余力があるうちに退職するほうが良いかもしれません。パワハラで退職する際には気をつけなければいけない点があります。

退職届には「パワハラが理由で辞める」ことを明記する

退職をするときは、必ずしも退職届を書かなければいけないということはありませんが、パワハラが理由で退職するときは、退職届に「パワハラが理由で退職する」ことを明記して提出しましょう。退職届に「一身上の都合により」と書いたり、会社が用意した届出書にサインだけするというのは禁物です。これでは、離職票の退職理由が「自己都合」とされてしまいます。

「自己都合」と「会社都合」では、その後の失業給付金の支給内容に大きな違いが出てきます。「自己都合にすれば、退職金を上乗せする」などの条件を提示されることもありますが、その場合は、どちらが得になるのか、きちんと調べてから返事をするようにしましょう。

口頭での約束は反故されてしまうこともあるので、退職届にパワハラが理由で辞めることを明記しておくことは重要です。必ずコピーを保管しておきましょう。受け取ってもらえない場合は、配達証明郵便で会社に送っておきましょう。会社は「受け取っていない」という言い訳はできなくなります。

万が一、会社側が一方的に自己都合退職にしてしまった場合でも、ハローワークにパワハラがあったことを申請すれば、特定受給資格者として扱ってもらうことができます。そのためにも、集めた証拠はしっかり残しておきましょう。

転職理由を「パワハラ」と言うことの是非

面接で必ずと言っていいほど聞かれるのは「転職理由」。パワハラが理由で辞めたことを言うべきなのか、言わないほうが良いのか迷うところだと思います。

確かに「パワハラを受けた」というと、何か問題がある人なのか?面倒な人かも?と思われそうですよね。それが気になるのであれば、一般的な「キャリアアップのため」と答えることをおススメします。

一つ言えることは、「パワハラに負けた」「逃げ出した」と自分を責めたり、卑下したりしないことです。そのようなネガティブな感情に捉われているうちは、転職もうまくいかないでしょうし、転職先でも同様のことが繰り返されるかもしれません。

悪いのはあなたではなく、パワハラを行った上司やそれを放置した会社です。さっさと気持ちを切り替え、前を向くようにしましょう。「過去の経験を活かして、人間関係には柔軟に対応できます!」とパワハラを自己アピールの1つに変えられるようにしていきましょう。

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上司だけがするものじゃない?逆パワハラとは?

上司から部下に対して行われるパワハラとは逆に、部下が結託して上司の指示に従わない、嫌がらせを行うなどの「逆パワハラ」も増えているといいます。

逆パワハラが起こる原因

逆パワハラは、仕事上の立場の上下関係とは別の力関係が生じていることによって起こります。

例えば、店舗や工場で店長やグループ長だけが正社員、実際業務はパート社員やアルバイトを使っているような職場では、管理者より長年勤めているベテランパート社員の方が業務を熟知しており、他の従業員からの信頼も厚いことがよくあります。

もし、管理者がベテランの機嫌を損ねるようなことをすれば、パート社員の中には結託して管理者を排除しようとしたり、嫌がらせを行う人も出てくるでしょう。

また、インターネット業界など進歩が速い業種では、管理者よりも現場社員の方が最新知識を有することになり、「こんなことも知らないんですか?」「わからないなら口を出さないでください」と言う反抗的な社員もいたりして、管理者としては立場がなくなってしまいます。

気の弱い人がターゲットにされることもありますが、管理者とは名ばかりで、実質的な権限を持たされていない管理者がターゲットになりやすいようです。

逆パワハラ特有の問題

逆パワハラのターゲットは、ほとんどの場合中間管理職です。上からは売上目標や業務改善などの業務命令を課せられ、それに従って部下を指導しようとすれば反発される。上からは押さえつけられ、下からは突き上げられるというまさに板挟み状態になります。

逆パワハラを会社に訴えれば、自分の管理能力や指導力を疑われることになるので、誰にも相談できないし、自分でも認めようとしないことが多いようです。このため、逆パワハラの実態があっても顕在化しにくい特徴があります。

逆パワハラを止めさせるには?

管理者の指示に従わない部下は服務規程違反です。上司の権限で配置転換や懲戒処分などの厳格な対処を行うことも検討するべきです。でもそのような強硬な手段に出る前に、管理者としてやるべきことは健全な職場環境の整備です。

業務が属人化しないようにマニュアルを整備したり、課題を見つけたり、目標を明確にしたりなど、管理者にふさわしいリーダーシップを発揮していけば、部下の逆パワハラもなくなるでしょう。部下から「尊敬できる上司」「信頼できる仲間」と認めてもらえる行動をしていきましょう。

まとめ

厚生労働省の報告によれば、4人に一人が過去3年間の間にパワハラを受けた経験があると回答しています。パワハラの問題は、企業にとっても経営上の重要な課題と認識されているものの、まだ具体的な対策が整っていないのが実情で、特に従業員数99人以下の企業では、対策済みは2割未満とかなり遅れています。

もし今パワハラで苦しんいるのなら、まずは誰かに相談してみましょう。社内の対策が整っていなくても第三者機関に相談することで解決策が見つかったり、話すだけでも気持ちが軽くなることもあるでしょう。この記事で紹介しているサイトを有効に活用してください!

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ABOUT US
秋場亮一株式会社リクエストエージェント代表取締役
明治大学経営学部卒業後、ディップ株式会社に新卒入社。求人広告の法人営業に従事。2011年に転職し、成功報酬型求人サイトの立ち上げと事業成長に尽力。2016年に求人広告代理店を創業。企業の採用活動を支援しつつ、これまでの豊富な経験を活かし、就職・転職ノウハウを情報発信中。