就職活動・転職活動で増えているのがカジュアル面談です。面接はなにが違うのか、どういった点に気をつければいけないのか。今回はカジュアル面談について、言葉の意味や注意点まで解説します。
目次
カジュアル面談とは
カジュアル面談は、通常のフォーマルな雰囲気の面接とは異なり、よりリラックスした雰囲気で行われる面談のことを指します。カジュアル面談は、個人的な目的や、その場での相互理解を目的として行われることが多く、就職活動やビジネス上の目的だけでなく、社員とのコミュニケーションやサークルの勧誘にも利用されます。
カジュアル面談は、通常の面接とは異なり、服装や話題に制限がなく、よりカジュアルでリラックスした雰囲気で行われます。また、時間制限があまりなく、長時間話をすることも可能です。カジュアル面談は、双方にとって有益な情報を交換することを目的としているため、お互いに質問し合い、話題を共有することが重要です。
日本ではインターン、新卒採用、中途採用、業務委託など様々な採用シーンで利用されています。カジュアル面談プラットフォーム『Meety(ミーティー)』といったサービスも生まれています。
カジュアル面談のメリット
カジュアル面談には、以下のようなメリットがあります。
リラックスした雰囲気で会話できる
通常の面接と比べて、カジュアル面談ではリラックスした雰囲気で会話ができるため、双方の本音を引き出しやすくなります。また、面接官としての緊張感を緩和することができるため、面接官自身もより自然な態度で接することができます。
双方の相互理解が深まる
カジュアル面談では、業務に関する話だけでなく、趣味や興味関心など、個人的な話題にも触れることができます。このような話題によって、双方の相互理解が深まり、信頼関係が築ける場合があります。
面接では採用企業が求職者を一方的に判断する場になりがちですが、カジュアル面談では相互理解を基本としています。そのため求職者側も職場理解・仕事内容の理解を高めるために積極的に発言することが理想です。
採用後のミスマッチを防ぐことができる
カジュアル面談は、採用された場合にはその後も会社との関係が続くことが前提となります。そのため、双方が合わないというミスマッチを避けることができます。
採用者自身も、よりリラックスした雰囲気で会社や仕事についての情報を収集することができるため、採用後のスムーズな職務遂行につながる場合があります。
新たなビジネスチャンスが生まれる
カジュアル面談は採用だけに限らず、大学生や社会人サークルなど様々な場面で利用されています。
カジュアル面談では、双方が持つビジネスチャンスやネットワークについても話題にすることができます。こうした話題によって、新たなビジネスチャンスが生まれる可能性があります。
以上のように、カジュアル面談には多くのメリットがあります。企業側は、採用やビジネスチャンスの発見に役立ち、求職者側は、自分に合った企業や職場環境を見つけることができます。
カジュアル面談のデメリット
カジュアル面談には、以下のようなデメリットがある場合があります。
面談内容が曖昧になる
カジュアル面談では、リラックスした雰囲気で話すため、面談の目的や予定された質問に沿った回答が得られない場合があります。このため、採用担当者が必要とする情報や、求職者自身が知りたい情報が曖昧になる可能性があります。
採用基準が明確でなくなる
カジュアル面談では、求職者の印象や個人的な話題が面談内容に含まれるため、採用基準が明確でなくなる場合があります。そのため、採用担当者が客観的に判断することが難しくなる場合があります。
話題が過剰に個人的なものになる
カジュアル面談では、通常の面接と比べて、話題が個人的なものに偏る場合があります。このような場合、業務に関する情報が十分に伝わらないため、採用担当者が必要とする情報を得ることが難しくなる可能性があります。
時間のロスが発生する
カジュアル面談は、リラックスした雰囲気で話をするため、時間が長くなる場合があります。そのため、本来の目的に沿わない話題や、時間をかけ過ぎた話題が発生すると、採用担当者や求職者自身にとって無駄な時間が発生する場合があります。
以上のように、カジュアル面談にはデメリットもあります。カジュアル面談を行う場合には、採用担当者や求職者自身が目的を明確にし、必要な情報を得るために努める必要があります。
カジュアル面談の注意点
以下は、カジュアル面談を行う際に注意すべき点です。
カジュアル面談も選考面接である
カジュアル面談は選考ではないと言いつつも、企業側の本音は選考です。
当たり前ですが開始時間が守れない・タメ口が話す・なれなれしい態度・過去の職場をけなす等の言動や行為は絶対に厳禁です。相手から「ヤバい人だ」「この人とは働きたくない」と思われると次の選考で不利になります。
また、カジュアル面談と言いつつ面接色が強い企業も存在します。
カジュアル面談をどのように捉えているかは企業次第です。企業がカジュアル面談を導入する背景としてエントリー数を稼ぎたいという狙いがあります。
「興味はあるが応募するほどではない」層に対するアプローチ方法としてカジュアル面談を導入している企業は多く、そうした企業はいざ当日になると面接感の強くなるでしょう。
また、ひどいときは求人企業側から「カジュアル面談だと知らなかった。面接だと思った」と言われた口コミもあります。どのような形式になるかは誰もわからないので、心構えだけしておきましょう。
礼儀正しさを忘れない
カジュアル面談であっても、相手に対する礼儀正しい態度を忘れてはいけません。挨拶や敬称の使用、適切な言葉遣いなど、基本的なマナーを守ることが大切です。服装もセミフォーマル程度が望ましいと言えます。
目的を明確にする
カジュアル面談を行う場合には、目的を明確にすることが重要です。面談の目的や求職者自身が得たい情報をあらかじめ明確にしておき、話題がそれに沿ったものになるように心がけましょう。
話題に適度なバランスを保つ
カジュアル面談では、会社や仕事内容に関する話題だけでなく、プライベートな話題にも触れられることがありますが、話題に偏りがあると面談の目的を達成できません。
適度なバランスを保ち、必要な情報を得るための話題に集中することが大切です。
面談時間を守る
カジュアル面談は、時間が長くなりがちですが、採用担当者や求職者自身の都合に配慮し、時間を守ることが大切です。時間に余裕がある場合でも、相手の意向を確認した上で、無理に時間を延長しないようにしましょう。
個人情報の取り扱いに注意する
カジュアル面談で得た情報は、個人情報に該当する場合があります。情報の取り扱いには十分に注意し、適切な方法で保護するようにしましょう。また、個人情報を不正に利用しないようにすることも重要です。
以上のように、カジュアル面談を行う際には、相手に対するマナーの確保や目的の明確化、話題のバランス、時間や個人情報の取り扱いについて、注意する必要があります。
書類選考で速攻で落ちる可能性がある
企業側は「選考ではない」という建前のため、ミスマッチだとわかっていてもカジュアル面談を設定しなければいけない裏事情があります。
よくあるのが20代をもとめているのに40代や50代からエントリーされることです。
明らかに求める人物と違っていても面談では「不合格」と言われません。スキル不足だと内心思われていても「まずは本選考にどうぞ」と言われます。
考え方にもよりますが、きっぱり断りがないので時間の無駄が増える可能性があるでしょう。
まとめ
カジュアル面談は、リラックスした雰囲気で行われる面談であり、採用活動や社員とのコミュニケーションに利用されます。とはいえ、リラックスしすぎるのも要注意です。事前準備と適切な緊張感をもって挑むようにしましょう。
今後さらにカジュアル面談を導入する企業は増えると思われますので、今回のデメリットや注意点を理解し、相手に好印象を与えられるようにしましょう。そして、入社の判断軸となる有意義な時間にしましょう!