テレワーク(在宅勤務)導入メリット・デメリット・注意点・対策方法

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いまやテレワーク(在宅勤務)を導入しているかどうかで企業の評価は大きく分かれます。多くの企業が在宅勤務を導入を検討していると思いますが、制度を導入する前に人事や経営者に理解してほしいメリット・デメリットとともに、失敗しないための注意点や改善方法をまとめました。

テレワークとは

テレワークとは、場所や時間にとらわれずに柔軟に働き方を意味します。会社以外の場所で遠隔で仕事をおこなう勤務スタイル『リモートワーク』も同様の言葉として使われています。

副業解禁に伴い「土日にテレワーク(自宅勤務)でできる仕事をしたい」と求職者側のニーズも高まっています。

テレワークの目的は【働き方改革】

雇用機会の創出・業務効率の向上・ライフワークバランスの支援を目的に導入する企業が増えてきました。

テレワーク(在宅勤務)が増えてきた理由

働き方の多様性を広げるために内閣官房・総務省・厚生労働省・経済産業省が連携してテレワークを推奨する取り組みも始まっています。2017年から東京オリンピックの交通混雑緩和を目的とした「テレワーク・デイズ」と呼ばれる取り組みも毎年7月に実施されています。

よくある悩みや疑問として「自宅だと集中できるの?」「サボる奴がでる」「人事評価がしづらい」「仕事の管理ができない」といった理由でテレワークの導入に迷っている企業もありましたが、2020年の新型コロナウイルスの影響で一気に在宅勤務を実施する企業が増えました。

生産性を中心に様々なメリットがあると言われていますが、テレワークには相性の良い悪いがあります。それは業種業態の問題だけでなく、部署や個人の問題もあります。意外に知られていないメリット・デメリットともに対策や注意点をまとめました。

テレワーク(在宅勤務)のメリット5選

メリット1:生産性の向上

電話対応や同僚との世間話がなくなるので仕事の効率が向上します。

テレワーク導入にあたり会議の見直しもおススメです。例えば情報共有を目的にした打合せは原則廃止し、会議は意志決定が必要なものだけに限定にするのも有効です。各自がパソコン上で情報を共有することで、会議時間を最小限にするといった取組がテレワークには求められます。

無駄な会話が減る一方で、用件だけの会話になってしまったり、アウトプットが減る傾向にあるため意識的に情報共有をする必要があります。テレワーク社員だけ会議のメンバーから外すといった行為は不満や疎外感が生まれるので注意してください。

メリット2:経費・固定費の削減効果

テレワークになれば会社内の机やイスなど備品を購入する必要がなくなります。長期的には地代家賃(オフィス賃料)の削減が期待できます。

従業員の過半数がテレワーク中心であれば交通の利便性を考慮して都心にオフィスを構える必要もないため、大幅な固定費の削減が可能だと言えます。本来は従業員数に比例してオフィスも大きくしなければいけませんが、テレワークであればそうした負担がありません。

メリット3:交通費の削減効果

テレワークになれば通勤手当(通勤費・通勤定期代)が必要なくなります。

営業も企業訪問ではなく、テレビ会議や動画サービスの利用に切り換えれば電車・バス・タクシー等の乗車料金がなくなるので交通費や出張費も削減できます。会社によっては出張旅費や出張手当も削減できます。

対面式の営業訪問(新規獲得の企業訪問)を辞めることに抵抗がある企業もいますが、ある企業ではテレビ電話での商談に切り換えたところ1日の平均商談数が2件から約5件に増やすことができ、売上を伸ばすことに成功した企業もいます。

メリット4:従業員満足度の向上

朝の満員電車のストレスから解放されるので、従業員満足度が上がります。テレワークも職場環境の改善の一つだと言えるでしょう。天候や交通機関の遅延による仕事への影響もなくなります。

メリット5:離職率の低下と採用強化

テレワークにすれば日本中から優秀な人材がエントリーしてくれます。妊娠・出産・育児・介護で仕事を離れなければいけない人からの応募が期待でき、採用の母集団が広がります。ライフイベントの変化や家族の転勤で退職しなければいけない人もいなくなるので離職率も軽減できます。

東京都の会社で経理をリモートワークで募集したところ、大阪に住んでいる方で、会計事務所で長く勤務経験があり決算処理及び税務申告業務を経験した後、上場予定企業の財務部門で資金繰りや資金運用も担当したプロフェッショナルな人材が採用できた企業事例もあります。

テレワーク(在宅勤務)のデメリット5選

テレワークの弊害・懸念点・問題点ならびに対策をまとめました。

デメリット1:自宅だと集中できない

自宅には誘惑が多いです。例えば音楽を聴きながら作業をすることもできますし、テレビを見ながら作業をすることもできます。アメリカの会社では逆に生産性が落ちたデータもあるそうです。集中力が弱い人には向いていないかもしれません。

こうした問題に対してサテライトオフィスやレンタルオフィス(コワーキングスペース)を契約することで解決できます。東京都や大阪府など都市圏を中心にレンタルオフィスも増えているので、自宅付近のレンタルオフィスを契約して作業場として活用するのも有効な方法です。レンタルオフィスであれば印刷や会議もできるので、経費の管理も煩雑にならずに済みます。

デメリット2:管理(マネジメント)や評価の問題

テレワークの問題点として業務時間のチェックがあります。こまかく作業報告を求めず個人に仕事を任せるタイプの会社の場合、昼に休んで夜に働くことも可能になり、作業効率が悪くなってしまうことも考えられます。

一方で、出社退社の概念がなくなるため仕事をしすぎる社員も出てきます。仕事とプライベートが曖昧になりやすいため長時間労働に繋がりやすいです。会社として労働基準法に則った労働時間の把握(マネジメント)が求められます。

最近では業務可視化分析サービスや、パソコン操作している画面を共有するサービスもあります。

例えばパソコンに専用ソフトをインストールすることで、パソコン使用状況を可視化するサービスや、カメラ映像から写真の顔を認識し、在席・離席を自動判別して記録する「テレワークサポーター」、パソコンの利用情報やスケジュールをタスク別・アプリ別に集計して業務工数を見える化する「働き方見える化サービス」など、在宅勤務の状況を把握するためのサービスをメーカー各社が発表しています。

しかし、「監視されている」「信頼しなさすぎ」と嫌悪感を覚える社員もいます。業務上必要なときだけ画面共有するなど、強制的かつ一方的なルールまたは運用をしないように注意してください。

デメリット3: コミュニケーションの減少・欠如

テレワークだとコミュニケーションは難しくなることは事実です。特定の人間同士だけ会話が生まれやすくなり「途中から会話に参加しにくい」「業務連絡しかしない」といった問題が発生しやすいです。対面だからこそわかる「仕事が大変そう」「今日は体調が悪そうだ」といった機嫌や悩みもわかりませんし、対面のほうが理解が早いメリットがあります。

テレワーク社員が少数派の場合、「仲間外れ」が自然に起きてしまいます。例えば社内の人間だけで会議をして、テレワーク社員には結果だけを報告することのは不公平な対応です。情報共有を徹底し、平等な対応を心がけましょう。

テレワーク導入するためには文章でのコミュニケーションスキルが必須だと言えます。こうしたデメリットをカバーする、テレビ会議やビデオチャットサービスが多く登場しています。

また会社全体や部署の一体感やチームワークが欠如・希薄化しやすい傾向にあります。実際にアメリカのIBMではテレワークを廃止した実績もあり、グーグル、アップル、フェイスブックといった世界的な大手企業もテレワークは推奨していないそうです。

デメリット4:テレワーク導入に費用がかかる

自宅にインターネット環境がない社員や、パソコンを保有していない社員には会社負担で準備しなければいけません。情報通信用の機器(パソコン本体、周辺機器、携帯電話、スマートフォン等)、無線LAN等(工事費含め)の通信回線費用、文具、備品、宅配便等の費用がかかります。

切手や宅配メール便は事前に社員に渡したり、一時立て替えにしてもらったり精算方法もルール化する必要があります。また水道光熱費は業務使用との切り分けが困難なため、在宅勤務手当(テレワーク勤務手当)として、毎月一定額を負担する企業もあります。

テレワーク向けサービス

日報支援システムの導入料金、ビジネスチャットツール料金、スケジュール管理やファイル共有などグループウェア導入料金が必要だと言えます。味の素株式会社は従業員に、画像認識機能が付いたパソコンを付与しテレワークを実現しています。

会社によってはzoomやWhereby(旧:appear in)などWeb会議システム、スマートフォンを使って代表番号の受発信を可能にするクラウドPBXサービス、Webブラウザやスマートフォンアプリを通じて打刻できるクラウド型勤怠管理システムも契約する必要があります。

デメリット5:テレワークに向いていない人もいる

テレワークに向いていない人もいます。例えば人の目があるほうがサボることができないため集中できる人や、一人での作業は寂しい(さみしい)と感じる人もいます。贅沢な悩みかもしれませんが、インターネット上には運動不足による体重増加に嘆く人や、コミュニケーション能力が低下するといったクチコミもありました。

まとめ

テレワーク導入には自社に適した制度やルールの整備が必要不可欠です。

テレワークは企業の生産性や業務効率を向上させるだけでなく、ダイバーシティへの対応や採用強化など、多くの企業課題を解決する手段として、欠かすことができない制度になりつつあります。

テレワークは各社ともまだ試行錯誤を繰り返している段階です。失敗や反省点を生かして改善を重ねていってほしいと思います。テレワークの制度を自社流にアレンジして臨機応変に活用し、無理のない継続可能な運用をしてほしいと思います。

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