グループディスカッション(GD)は、5~10人程度のチームで、一つのテーマについて議論し、答えを出すというものです。すべての企業がGDを採用過程で実施するわけではありませんが、多くの企業の採用段階で実施されるものです。社会に出てからは、学生時代以上にディスカッション(議論)する機会は増えるはずです。
会議もあれば、社員同士で議論をする場合もあります。ですので、この機会にディスカッションのコツを身につけておいてください。GDの選考に限らず、ディスカッションする能力は大切になってきます。GD講座では、GD選考に受かるためのコツとともに、社会に出てからも役に立つ議論のスキルをお教えします。
GDの心得
1. 必ず時間内に答えを出す
一般的には、GDには決まった答えがありません。GDの目的は、制限時間内に、最善だと思われる答えを導き出すことです。そのため、時間内にまとめなければ、どれだけ良い議論をしていても全員不合格になるでしょう。結果が全てです。必ず時間内に、自分たちなりの答えをまとめましょう。
時間内にうまくまとめるコツとしては、議論をはじめる前にタイムスケジュールを決めることです。例えば『初めの30分で議論して、最後の10分でまとめましょう』等のように、大まかなタイムスケジュールを決めてから議論を始めるようにすると良いでしょう。
2. グループ内で役割分担
グループの全員が議論だけに集中しても質の高いディスカッションはできません。それぞれのメンバーが自分の役割を意識したうえで議論していかなければならないのです。GDで必要な役割として
・タイムキーパー(時間を気にする人)
・話した内容をまとめて書く人(決定事項などを書く人)
・司会者の役割をする人(議論をしきっていく人)
この三つの役割は最低限必要な役割です。タイムキーパーをする人も、それ以外の役割の人も、もちろん議論には参加します。議論には同じように参加して、それに加えて、タイムキーパーの人なら「あと5分です」というように時間をみんなに意識させることが仕事です。
3.同じグループのメンバーは自分の味方
GDは、選考過程で実施されるため、周りのメンバーを蹴落とそうとする人が多いです。でも、それの考え方は間違っています。なぜなら、GDの目的はグループとして一つの結論を導き出すということだからです。
一人だけの力で結論を出すものではありません。発言をしないメンバーには、発言を促すなどの対応をすることも必要な場合があります。周りのメンバーと協力してGD選考に臨むようにしましょう。
以上の三つは最低限意識しながらGDに臨みましょう。志望企業でなくても、GDの勉強のために、外資系のGDに参加することをおススメです。レベルが高く、非常に勉強になります。
GD選考に受かるコツ
GD選考で落ちる学生の多くは、同じ失敗をしています。それは、多く話さなければ受からないと考えていることです。しかし、GDに受かるコツは『話さなければならないという意識は捨てること』です。
では、なぜ話さなければならない意識を捨てる必要があるかを説明します。そもそも、GDの目的は、グループとして一つの結論を導き出すことです。しかし、グループのメンバーは、それぞれ考え方も価値観も違います。当然、発言する意見も様々になってきます。様々な意見がある中で、時間内にまとめるためには、ただ闇雲に発言をしているだけではダメです。
では意見をまとめるためにはどのようにすればよいのでしょうか。その答えが、根拠のある発言をすることです。根拠のある発言は、説得力があります。そして、周りを巻き込む力もあるのです。だから、議論を一つの結論へと導いていけます。
この根拠のある発言をするためのコツが、『話さなければならないという意識は捨てること』です。とにかく話さなければならないと考えると、しっかりとした根拠を持たないままに発言をしてしまいがちです。根拠がしっかりとしていない発言は、否定されても反論ができません。
これでは、議論をするときに大切な『主張の一貫性』も崩されてしまいます。主張の一貫性が崩れてしまえば、議論になりませんし、一つの結論にまとめることもできなくなります。そうなれば、あなたはGD選考で不合格になるでしょう。
ただし、話さなければならない意識を捨てることはあまり話すな!という意味ではありません。全く話さなければ、グループとしてどれだけ良い結論を出せたとしても、間違いなく不合格になります。根拠がしっかり固まってから発言をしなければならないという意味ですので、誤解しないようにしてください。
まとめ
GDでは、発言が多ければ受かるものではありませんし、逆に発言が少ないと落ちるというものでもありません。発言の量ではなく、発言の質が合否を分けるということだけはしっかりと意識しておいてください。