就活生に「将来像は?3年後にどうなっていたいですか?」と聞くと「仕事ができる社会人になりたい」と回答する学生がいます。仕事ができるとはなんでしょうか。営業であれば売上成績が高い人でしょうか。その意味と考え方をまとめました。
仕事のできる社会人とは
社会に出てから誰もが目標とするのが仕事のできる社会人です。仕事のできる社会人になれば多額の給料を得ることができるし、周りの信頼を得ることもできます。では「できる社会人」とは、どういう仕事ができる人間なのでしょうか。この質問の答えは、仕事について考えることで導き出すことができます。
どんな業界の、どんな業種の、どんな仕事でも、誰かのためにつながっています。言い換えれば、すべての仕事が『人』につながっていると考えられます。私は仕事のできる人とは『人の心を動かす仕事ができる人』だと考えています。
期待と実感の公式
人の心を動かすにはどのようなことをすればいいのでしょうか。人の心を動かす(感動させる)仕事は、期待と実感の関係が分かればできます。まずは期待と実感の関係を説明します。期待と実感にはこのような公式が当てはまります。
期待 > 時間 ⇒ 不満(期待のほうが実感よりも大きかったとき)
期待 = 実感 ⇒ 満足(期待していた通りの実感が得られたとき)
期待 < 実感 ⇒ 感動(期待以上の実感が得られたとき)
満足と感動の違い
当然ながら相手に不満を与えるよりは、満足を与える方が良いですし、満足よりは感動を与える方が良いに決まっています。具体的に説明したいと思います。例えば、上司に「Aについて調べてほしい」と頼まれたとき、満足させるには「はい。わかりました」と返事をして、Aについて調べた結果を提出する。これで上司は『満足』します。感動させるには「何のためですか?」と聞いて、上司の依頼目的を理解し、どういうデータが必要なのかを自分で考え、目的に沿ったデータも付け加えます。
この出来上がった結果を提出したとき、それを見た上司はきっと『感動』すると思います(感動するかどうは上司にもよりますが、少なくとも喜んでくれるはずです)。このプラスアルファの仕事で、上司のあなたに対する評価はきっと上がるでしょう。そして、この姿勢を続けることで『仕事のできる社会人』だと周りから認められるようになるのです。
まとめ
たまに「人を感動させたくて、この仕事(会社)を選びました」とする就活生に会いますが、私はどんな会社、どんな仕事でも『人を感動させる仕事』はできると思います。感動させる仕事術ができるかどうかは心構えで決まります。
できる人間になるためには相手に頼まれたことに『100%』答えるだけでなく、相手に頼まれたことの『105%』に答えるようにするのです。この5%が、他人と大きな差を生むことになります。求められたこと以上の結果を返すことはビジネスだけでなく、人間関係を始め、全てにつながることです。良い意味で期待を裏切ることができる社会人こそ、仕事のできる社会人といってもいいです。