求人広告採用の競争優位性と差別化戦略の話

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よくある定番の質問「掲載企業・掲載店舗」から、求人広告でライバルに差をつける競争優位性と差別化戦略についてまとめました。

応募数や掲載数が判断基準の企業

求人広告の営業でよく「どこの企業が掲載しているの?」や「どれぐらい掲載数があるの?」と質問を受けます。口頭でスグに回答することも可能ですが、実際に媒体にアクセスして「競合他社でしたら、こういった企業が掲載しています」という回答方法を心がけています。

この掲載数(掲載企業)に関する質問の背景としては「自社以外も掲載していることで安心したい」という心理的要因があると思います。採用担当者と言っても求人広告の専門的知識や業界知識がない人もいるので「様々な求人メディアの中で、どの媒体が本当に効果があるのか」を把握するために「同じ業種業態が掲載している」ことを重要視しています。

確かに掲載件数が多いほど「認知度が高い」と言えますし、「求人広告を掲載するだけの応募価値がある」ことが期待できます。しかし、掲載件数だけで判断してしまうのはよくありません。逆に掲載件数が少ないことを理由に掲載し、採用に成功した企業がいます。

差別化できるかが判断基準の企業

あるウェブ制作会社に採用の提案をした際に、全く競合他社がいないことを理由に掲載してもらったことがあります。経営者の方曰く「採用で大手企業と競ったら給与や待遇面で絶対に勝てないし、同じ土俵で勝とうと思ったら予算勝負になってしまう」とのことです。

その企業ではディレクター経験者の採用活動をサポートしました。ただし、正社員ではなく、アルバイト募集になります。必須スキル・経験から考えると本来は人材紹介会社か転職サイトで募集するのがセオリーですが、あえてアルバイト求人サイトに掲載しました。

なぜなら転職サイトでは楽天、サイバーエージェント、ディー・エヌ・エー、メルカリといった錚々たる大手企業との競争になってしまうからです。募集条件が年収400万円~500万円では確実に埋もれてしまいますし、応募があっても求めるレベルに達しないと判断されていました。

また費用面でも転職サイトでは数ヶ月掲載する覚悟が必要ですし、仮に運よく採用が成功しても人材紹介会社であれば年収30%程度が報酬になるため手数料が100万円以上になり予算オーバーになってしまいます。

競争優位性と差別化戦略

日本には正規雇用者(正社員)として働く機会がない人は多くいます。その中には普通の一般企業で働く正社員より高スペックの人がたくさんいます。私自身の知り合いにも非常に優秀ですが、年齢的な問題と、契約社員経験が少し長く、転職回数もある程度あるため、転職活動の際に職務経歴書が汚く見えてしまい、書類選考で不合格になり続けた人がいます。

こうした人材は人材紹介会社に登録しても敬遠されてしまいますが、実務能力も高い人もおり、考え方次第では複数の会社で勤務したことからオールラウンダーとして活躍してくれ、ビジネス経験値が高いと言えます。まさに隠れた宝の山。

※逆に言うと上場企業出身でも肩書ばかりで、その企業だけでしか通用しない人も多いです。どこでも通用する人材とは真逆の存在で、実際はポータブルスキル(どんな職場でも活用できる汎用性の高いスキル)が低い人も多い。

求めるターゲット層は「スキルはあるけど職務経歴書が汚い人」や「無職期間や休職期間があるため正社員就職を諦めている人」です。この層に訴求することになりました。

採用戦略として
①最初から高時給でアルバイト募集
②数ヶ月一緒に働く(カルチャー・スキルマッチング期間)
③正社員登用に誘導

アルバイト求人情報サイトでも高時給だったため、かなり目立つ存在でした。実際に高スペックの人材がアルバイトサイトにいるのか疑問に感じる人もいると思いますが、月間数十万件の応募数を誇る日本最大級のサイトではありとあらゆる人材が集まっています。

この採用戦略で優秀な人材を採用することに成功し、採用した人は数か月後に正社員に昇格しました。結果的に見ると専門分野の経験者を数万円で採用できたことになります。正社員採用の相場の十分の一以下の採用単価です。

もちろん面接での見極める能力や、教育・研修制度がしっかりしている必要があります。雇用主側の魅力がなければ母集団形成もできませんが、ここは求人広告代理店の腕の見せ所。最終的にホワイトな良い企業と優秀な人材のマッチングが成功でき、安心しました。

まとめ

今回の事例は裏技のように見えますが、簡単に実行できるほどシンプルでもありません。こまかい部分で様々なテクニックが隠れていますが、経営者の「採用力」が高く、ブレない「採用哲学」があるから成功につながることができました。

マーケティング戦略で「ランチェスター戦略」といった言葉があります。弱者の戦略または差別化戦略とも呼ばれ、資本力や営業力の弱い中小企業(弱者)が大手企業(強者)に勝ち抜くための戦略手法です。まさに採用で実践できた好事例です。

最近ではエンジニア・プログラマー職に代表される職種が売り手市場ですが、競争優位性と差別化戦略を一度考えてみてはいかがでしょうか。

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