採用担当が知っておくべき合同企業説明会の参加マニュアル

はじめて合同企業説明会に参加する人事・採用担当者に向けて知っておきたい合同企業説明会やインターンシップ説明会の注意事項をまとめました。

1.合同企業説明会のメリット・デメリット

合同企業説明会は多くの学生に自社のことを知ってもらえる有効な方法です。合同説明会は全国各地で様々なタイプが開催されており、ビッグサイト等の巨大会場でのビッグイベントから、20社程度の小規模な合同説明会まで様々なタイプがあります。また東北のみ、留学生のみ、理系のみ、といった企業や学生の属性別に開催されるものもあります。

しかし、せっかく企業ブースを出展しても、そこで出会える学生数が30人程度であればあまり意味がありません。イベント自体の集客力も大切ですが、企業がみずから努力しなければ自社ブースに参加してくれる学生はいないと思ったほうがいいでしょう。特に企業知名度がない企業は肝に銘じてほしいと思います。

2.企業説明会における事前準備の重要性

直接、企業が学生と対話することができるので、意外な学生と出会う可能性が高い。一方で、限られた時間・空間でのコミュニケーションとなるため、事前準備が成否をわけます。会場やブース内では動画や音楽を流すことをおススメします。

ブースにおくのは会社案内パンフレットやチラシだけでなく、装飾にも予算を使いましょう。例えばオシャレな看板、自社サービスの展示、パソコンのモニタ表示、デモ商品の陳列、販促グッズやノベルティ(例:クリアファイル、社名入りのお菓子、社名シール)、のぼり旗、着ぐるみ等があります。

3.若い新入社員や内定者アルバイトを動員

地方企業の合同企業説明会でよくあるケースですが、30代や40代の総務部長らしき人物がプレゼンター含め1~2名参加するケースがあります。ぜひ新入社員や内定者を参加させましょう。気さくに声をかけられるのが最大の長所で、就活生からのウケがいいですし、こうした場所での動き方も理解しています。人事部に若手社員がいない場合は、この日だけでも応援に駆けつけてもらうことが必要です。

誰も学生が参加していないブースには入りづらい雰囲気が出てしまい、悪目立ちします。そうならないために積極的に呼び込みをしましょう。学生から無視されることも多いですが、諦めずに頑張ってほしいと思います。1にも関係しますが、ライバル会社と差別化をし、思わず聞いてみたくなるような雰囲気をだすことが大切です。

4.企業説明は簡略化すること

個別の企業説明会は60分~90分程度にまとめている思います。業界説明、企業業績、仕事内容、求める人物像、社内制度や福利厚生、内定までの流れ、を話すとなると大体60分はかかります。しかし、合同企業説明会では1クール20分程度が理想です。

回転率を上げるためと、就活生の負担を考慮すると20分程度が無難です。色々と企業を回ってみたい学生は30分以上時間がかかるとわかると回避されてしまいます。ちょっと興味関心がある程度だと30分以内が限界ですので、要点だけ絞って個別の会社説明会に誘導するようにしてほしいと思います。

途中に10分程度の休憩をはさみながら、休憩中は質問タイムにしましょう。プレゼンの最後に「個別で聞きたい質問があれば10分間の休憩タイムで聞きに来てくださいね」と言えばスムーズに進行します。

4.秋採用以降の母集団形成方法

最近では学生との接点を増やすために秋以降も新卒採用を継続する企業が増えてきました。秋採用では春と同じ企業説明会や採用選考をおこなってもエントリー数は増えません。秋採用のキーワードは「スピード」と「コミュニケーション」です。

秋に就職活動をおこなっている学生は「内定が無い学生」だけでなく、「内定辞退した学生」や「内定はもらっているけれど就職活動を継続している学生」が多くいます。そのため仕事の説明はもちろんですが、なぜ就職活動を継続しているかを理解してあげることが大切です。

個別開催の場合、大規模なイベントホールを借りるのではなく、自社の会議室でおさまる程度が理想です。できれば参加学生は5人以下。少人数でのコミュニケーションをメインに重点をおき、選考ではなく相談会形式を導入している企業もあります。

「私服参加OK」「少人数開催」「最短10日間で内定」「一次選考同時開催」などスピード採用を実施している企業のキーワードになります。秋・冬採用ではグループディスカッションや集団面接を実施する企業はいません。

面白法人カヤックが「1人だけの会社説明会」をおこない注目を集めましたが、1対1のスタイルでコミュニケーションをとりあうことで、相互理解を深めていくのがセオリーです。

志望理由について

面接で重要なのが志望理由を無理に質問しないことです。もちろん聞いても問題ないですが、参考程度にしましょう。そもそも秋採用を本命にしている学生や、知名度が低い中小企業にとっては応募する前から第一志望の学生はほとんどいません。面接の対応が良い企業は、内定後に第一志望になった学生もいます。

面接は企業側のアピールの場です。選考中に志望動機の形成をサポートし、自社の魅力を伝え、ミスマッチをなくしながら入社意欲を引き出す努力が必要だと言えます。秋採用に参加する学生は何らかの疑問や不安を抱えていますので、それらを理解し、払拭してあげるようにしましょう。

まとめ

合同企業説明会の時期は大変忙しいためミス・トラブル・忘れ物が発生しがちです。余裕をもって参加できるように事前準備はしっかりおこないましょう。また説明会で喋る内容は一度リハーサルをおこなって、上手に説明できるようにしてほしいと思います。受け身の姿勢にならずに、積極的に行動してくださいね!

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