新卒採用企業が就職活動で学歴フィルターをかける理由

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新卒採用の選考基準で一つの目安とされる学歴の問題。表面上は学歴差別していないと説明する企業がほとんどですが、より優秀な人材をとりたい経営層や人事部としては気にしてしまうのが本音です。なぜ学歴フィルターはかけられるのか理由をまとめました。

学歴フィルターとは

学歴フィルターとは企業の選考基準の名称です。おもに書類選考で基準にされることが多く、一定の水準に達しない足切りラインして利用されています。具体例として日東駒専(日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学)以下はすべて不合格といった基準です。

応募エントリー数が数千件から数万件にも及ぶ場合、個人個人の志望動機やエントリーシートを読んで判断するのが事実上不可能であるため、一律に学歴だけで判断し、一次面接もしくはグループディスカッションの案内をする方法が効率的な手段になっています。

文系と理系での学歴フィルターも存在します。例えば未経験でプログラミングを習得しなければいけない場合、文系では数学に苦手意識がある人が多いため、理系が優先的に選考される場合があります。一部のナビサイトでは学歴次第で企業説明会の満席情報が違うといった機能も存在しています。

学歴フィルターの実態

多くの企業が採用ターゲットとしている学校群があります。18年卒を対象にしたアンケートでは上場企業の約63%、非上場の47%があると回答しています。

旧帝大(北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、大阪大学、京都大学、九州大学)。早稲田、慶應、上智、MARCHクラス等が一般的にあります。他に学部も採用基準に設定されることがあり、生化学系、医学系、経済・経営、スポーツ科学系とこまかく設定する企業もあります。

建前上は各企業とも学歴フィルターは存在していないとされていますが、内定者や従業員の出身校を見ると明らかに高学歴が多い企業がありますよね。最近ではそうした噂がたたないように出身校の名前は非公表にしている企業も増えてきました。

理由:努力値として分かりやすい

学歴フィルターをかける最大の理由は努力値の評価です。高校3年生になった時点での学力はそのまま大学の偏差値に反映され、高校3年間努力をしてきた証明が学歴です。そのため国公立大学、早慶上智レベルは頭の回転が早いと評価され、関関同立、MARCHレベルは地頭が優れた人材だと評価されています。

学歴は努力してきた証明であり、努力ができる証明でもあります。社会人になっても、資格関連や商品知識の勉強はしなくてはなりませんし、経理財務や計算能力はどんな仕事にも求められます。そうした中で10代の学生時代から努力する習慣がついている社員なら物覚えも良く、手間もかかりません。

どんな仕事にも基礎学力は必要

一般的に医薬品メーカーでもない限りは営業職なら学歴フィルターはありません。しかし、どんな仕事でも計算能力や論理的思考能力は必須です。例えばチェーン店の店長であればアルバイト採用で時給計算や労働問題の知識は重要だと言えます。将来的に幹部になれば財務・会計知識も求められます。

高学歴が就職活動で圧倒的に有利な3つの理由

そもそも就職活動で高学歴は圧倒的に有利です。様々な業界・職場にOBが多いことから、OB訪問がしやすいため、しっかりした企業分析とウケのいい志望動機につながります。結果的に内定者には高学歴が集まってしまった企業も多いはずです。

理由①大学のバックアップ体制も充実

上位校と呼ばれる大学ほど就職活動対策も充実しています。OB/OG訪問、インターンシップ情報、面接対策、SPI対策など自分の希望する業界の企業に就職するためのサポート体制が整っています。上位校ほど意識が高い学生が多く、就職活動は簡単ではないことを知っているため、学生自身も早期に就職活動を始める傾向にあります。

理由②筆記試験は実質的な学歴フィルター

就活の第一関門として筆記試験(SPI試験)を導入している企業があります。性格や適性能力を判断するものもありますが、単純に基礎学力を調べるテストもあります。国語・数学・社会・地理・英語などのテストでは合格者に高学歴が集まりますので、実質的に学歴フィルターと考えることができます。

筆記試験を導入する背景として受験方法の多様化が挙げられます。センター試験を受けなくても指定校推薦やAO推薦での入学や、付属高校からのエスカレーター式の入学生が増えています。そのため「高学歴でも頭が良くない学生を落としたい」と「低学歴でも頭がいい学生を拾いたい」の二つの理由から導入している企業がいます。

理由③妄想と差別と偏見による学歴フィルター

学歴フィルターが存在していなくても面接官の潜在意識で差別してしまうこともあります。人間には同じ大学出身・同じ出身地など自分と似ている部分に共感し、実力以上に評価してしまう部分があります。早稲田大学や明治大学などOBが多い大学だと有利に働くことがあり、学歴だけで判断されないものの学歴で有利に働くことはあります。

また高学歴というだけで仕事でも優秀だと思われています。実際には頭の良さだけでなく、主体性やチャレンジ精神など幅広い能力が求められますが、「ラグビー部出身は根性がある」「吹奏楽部に営業は無理」など出身校や部活動に対する偏見が残っているのも事実です。本人も無意識のまま差別してしまっていることもあり、偏見や差別をなくすのは不可能でしょう。

学歴フィルターを見分ける基準

就職課で先輩の就職先を調べるのが一番簡単です。新卒採用を毎年しているのに自分の大学から入社実績が全くないのは学歴フィルターを疑っていいと思います。採用人数にもよりますが、一定規模の人数があるにも関わらず、就職実績がないと少し怪しいですよね。企業によってどこまでが学歴フィルターになっているかが分かりやすいでしょう。

公平な学力評価が結果的に学歴評価と同一視

学歴だけで評価するなんて許せないと思わるかもしれませんが、公平な学力評価が、結果的に学歴評価(フィルター)となっていることを認識してほしいと思います。Fラン大学と呼ばれる大学生は筆記試験(SPI試験)が苦手な人が多く、勉強しない人も多いです。筆記の合格ラインは業界によって様々ですが、勉強する習慣がない大学生はバッサリ足切りされます。

また相対的に上位校ほどエントリーシートの完成度が高く、Fラン大学ほど誤字脱字が多く、文章能力的にも劣っています。Fラン大学は面接前に不合格になることが多いことから、学歴フィルターの存在が実態よりも大きく注目されてしまうのも理由の一つです。

まとめ

現在の就職活動は経団連による選考期間の短縮によって、短期間で判断することが企業に求められていることもあり、採用担当者には効率的に判断することが求められています。その判断軸に学歴は非常にわかりやすい指標だと言えます。

「いい大学に入ればいい企業に入れる」のは上位校の就職実績からも間違ってはいません。もちろん内定を獲得するためには学歴だけでなくコミュニケーション能力や協調性も重要視されていますが、書類選考で落とされないためにもいい大学に入っておくことに越したことはないでしょう。今後も学歴フィルターは一番安価で安全で信頼性のある評価項目として利用されると思います。

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