配偶者特別控除と配偶者控除の意味と違い

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みなさんは配偶者特別控除と配偶者控除の違いをご存知ですか?年末調整や確定申告の時に失敗しないように、しっかり確認しましょう。また、2016年時点の控除の廃止についても解説いたしますので、是非参考になさってください。

配偶者特別控除と配偶者控除は違うの?

年末調整や確定申告ではその人の一年間の支払うべき税金を計算し直す作業をします。税金を計算する際に、支払う税金を減らすことができる「控除」の一つが「配偶者特別控除」と「配偶者控除」になります。

配偶者特別控除と配偶者控除は、名前が似ていますが、適用される方や控除できる金額など全く違う控除制度となっています。また、配偶者特別控除と配偶者控除は、同時に適用することができないので、自分にはどちらが適用されるのか確認して、失敗しないためにも計画的に活用しましょう。

配偶者控除の限度額が150万円になるらしいとのニュースが流れています。それ以前は配偶者控除廃止になると大騒ぎでしたが急展開しましたね。でも本当は子育て世代への予算として廃止するとの話だったと思うのですが、少子化問題はどうするのでしょう?

配偶者控除って何?扶養の要件とは?

まずは配偶者控除について確認します。配偶者控除は適用されると38万円の控除を受けることができます。配偶者控除を適用するためには4つの要件を満たす必要があるので、まずはそれらの要件に該当するのかを確認しましょう。

要件①民法の規定による夫婦

「民法の規定による夫婦」とは、国に認められている夫婦であるという意味になります。つまり、婚姻届を役所に提出して、法律的に夫婦として認められている必要があるということです。そのため、婚姻届を出していない、内縁関係である場合や、事実婚の方は認められません。

要件②生計を一にしている

「生計を一にしていること」とは税金を支払う人(納税者)と同じ生計で暮らしているかどうかを意味しますが、これは必ずしも同居していなければならないというわけではありません。

例えば、通勤等の事情で別々に住んでいても、生活費の仕送りが行われている場合には、同一生計の状況にあるとみなされます。そのため、別居中の夫婦であっても、仕送りや週末の同居などでも生活基盤が同じであれば、「生計を一にしている」と認められます。

要件③年間の合計所得金額

配偶者控除は一定以上の所得がある場合、控除の対象とはならないので注意が必要です。具体的にはアルバイトやパートなどの給与所得が65万円を差し引いた後の金額が38万円以下の方を対象としています。つまり1年間の所得が103万円を超えてしまうと、配偶者控除対象外となるので覚えておきましょう

要件④事業専従者の給与がない

納税者が経営する会社で、働いている家族従業員のことを事業専従者と呼びます。つまり、納税者が確定申告で青色申告か白色申告をしていて、納税者の配偶者がその会社で働いてお給料をもらっている場合には、配偶者控除を受けることはできないということです。そのためご家族で経営している会社にお勤めの方は要注意です。

No.1191 配偶者控除|所得税|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1191.htm

配偶者特別控除って何?扶養の要件とは?

収入が103万円を超えてしまうと配偶者控除の適用対象外となってしまいますが、上記の要件に加えいくつかの要件を満たしていれば、配偶者特別控除が適用されます。次は配偶者特別控除について確認しましょう。

追加要件①控除を受ける人の合計所得金額

控除を受ける人というのは、納税者のことを指します。つまりこの追加要件では、例えば納税者が夫の場合、夫の合計所得金額が1千万円以下でなくてはいけないということです。

追加要件②年間の合計所得金額

アルバイトやパートなどの給与所得が65万円を差し引いた後の金額が38万円を超えて76万円未満の方を対象としています。つまり、1年間の収入が103万を超えて141万円未満が条件となります。

配偶者特別控除で控除される金額(所得税)

配偶者控除は1年間の収入が103万円以内なら金額に限らず控除額は一律で38万円ですが、それに対し配偶者特別控除では、収入に応じて控除額が段階的に変化していきます。配偶者控除の適用を考える場合は103万円ギリギリに収入を調整した方がお得と言えますが、配偶者特別控除では金額によって控除額が変わるので注意が必要です。以下は、収入と控除額の一覧です。

・103万円超~105万円未満:38万
・105万円以上~110万円未満:36万
・110万円以上~115万円未満:31万
・115万円以上~120万円未満:26万
・120万円以上~125万円未満:21万
・125万円以上~130万円未満:16万
・130万円以上~135万円未満:11万
・135万円以上~140万円未満:6万
・140万円以上~141万円未満:3万

No.1195 配偶者特別控除|所得税|国税庁
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1195.htm

配偶者特別控除で控除される金額(住民税)

配偶者特別控除では、住民税の控除額も所得税と同様に収入に応じて変化します。また、控除額を決定する基準となる収入額は前年の金額となるので注意が必要です。例えば、前年に仕事を辞めて、次の年に働いていなくても、前年分の収入で住民税は計算されます。失業中であっても納税通知書は郵送されてくるので心の準備をしておきましょう。

・103万円以上~110万円未満:33万円
・110万円以上~115万円未満:31万円
・115万円以上~120万円未満:26万円
・120万円以上~125万円未満:21万円
・125万円以上~130万円未満:16万円
・130万円以上~135万円未満:11万円
・135万円以上~140万円未満:6万円
・140万円以上~141万円未満:3万円
・141万円以上:0円

参照元:横浜市財政局主税部
http://www.city.yokohama.lg.jp/zaisei/citytax/shitsumon/answer5.html

確定申告の時どうやって申請するの?

配偶者控除や配偶者特別控除の適用を受けるためには、年末調整か確定申告が必要です。個人事業主や会社勤めでも医療費控除などの適用を考えている方は自分で確定申告をしなくてはいけません。会社勤めの方は会社で年末調整をしてくれるので、基本的に確定申告は不要です。配偶者控除・配偶者特別控除の申請の仕方は、確定申告と年末調整ではそれぞれ異なるので以下でご紹介します。

確定申告では確定申告書と呼ばれる書類を提出します。確定申告書はインターネットからのダウンロードやお近くの税務署で手に入れることが可能です。確定申告書の左下のあたりにある「所得から差し引かれる金額」という部分に「配偶者(特別)控除」の欄があるので、控除される金額を記入します。なお、妻の収入を証明するための書類の添付は必要ありません。

配偶者特別控除申告書の書き方

次は年末調整をする時の申請の方法をご紹介します。年末調整では「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」という書類を提出します。この書類は会社で用意されて配布されます。申請書のフォームは毎年少し変わりますが、右上にある「保・配特」の記載が目印です。この用紙の右側の部分が配偶者特別控除申告書です。

納税者の夫が会社勤めで、配偶者である妻がパート勤めの場合を例に挙げて記入方法を説明していきます。まず、納税者本人の合計所得の欄には、夫の収入の見積額を記入しましょう。そして、配偶者の氏名には妻の名前を記入します。その下の、配偶者の所得金額の欄には該当箇所の金額を埋めていきますが、パートの給料なので記入するのは給与所得のところです。控除額は用紙に一緒に記載されているので、対応する金額を記入しましょう。

確定申告すれば還付されるとは言え、確定申告の書類を作るのが億劫な人が多いと思います。なぜ億劫かと言うと、記入欄が多くて、難しい専門用語がズラリと並んでいるから。でも数ある記入欄や難解な言葉も、自分に関係あるものは限られています。大原則がわかっていれば、自分で書くことも可能です。

配偶者特別控除が廃止されるかも!?

配偶者控除と配偶者特別控除は廃止が検討されています。決定されると早ければ2017年1月から廃止され、税控除がなくなる分、専業主婦やパート勤務をされている家庭は税金の負担が以前よりも大きくなるかもしれません。廃止が決定されてから慌てないように、今のうちからどんな変化が起こるのかをしっかり理解しておきましょう。

なぜ廃止されるの?

配偶者控除と配偶者特別控除の廃止の背景には、2つの指摘がありました。1つは二重控除について、もう1つは収入額の調整についてです。順を追って説明します。

まず1つ目ですが、現在の税控除の考え方だと、夫の収入とその扶養となる妻の収入は別々に考えられています。収入額によっては夫が基礎控除と配偶者控除を受けつつ、妻も基礎控除を受けることとなり、二重に控除を受けることになります。それは不公平なのではないかと指摘する意見がありました。

そして、2つ目は、パート勤めなどをして家計を支える妻が、税金のかからない上限を意識して意図的に収入を減らしているという部分に注目をしています。もしその制度自体をなくしてしまえば、上限を気にすることなくもっと働けるようになるのではないかと、女性の社会進出を狙った考え方です。

廃止されたらどうすれば良いの?

廃止された場合、新たな控除を新設する予定があるようです。具体的な内容はまだ決まっていませんが、現在の夫婦それぞれの収入を別々に考えるやり方を改め、収入を家庭ごとに考える夫婦控除が検討されています。また夫婦世帯を対象とし、子育て支援も盛り込んだ内容にする予定もあるようです。

廃止の決定や夫婦控除の内容もまだ決まっていないので、計画が立てづらいかもしれませんが、今までと同じ働き方では収入が減ってしまう可能性があります。103万円以内に収入を抑えて働いていたのであれば、これを機にもう少し収入を増やす準備をしても良いかもしれません。

扶養控除(配偶者控除)がどうも2017年1月から廃止されるようです。今のところまだ検討中とのことではっきりしない部分もありますが、もし廃止が決定すれば「103万円の壁」の意味はなくなることになります。夫の扶養の範囲内で働いていたパート主婦も実質増税となれば働き方を検討せざるを得ませんね。配偶者控除の代わりに夫婦控除という所得控除が導入されるようですが制度を上手に利用し損をしないようにしましょう

まとめ

配偶者特別控除と配偶者控除の違いのまとめはいかがでしたか?

■ポイント
・配偶者控除は収入が103万円以下
・配偶者特別控除は収入が103万円超~141万円未満

ただし、配偶者特別控除の控除額は段階的に変化するので注意しましょう。年間の収入がだいたいどのくらいかがわかったら、一度シミュレーションをしてみることをおすすめします。また、控除が廃止された時のことも意識しながら今後の働き方についてのシミュレーションをしてみることも大切かもしれません。

※本記事は記事公開時点の適用法令の解説になります。将来的に改正などにより前提事実が変更される可能性がありますので、内容の解釈や実践はご自身の責任で行い、専門家に相談されることを推奨いたします。

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