エネルギー管理士試験の難易度は?試験の概要と3つの勉強方法

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近年、省エネに関する関心の高まりで「エネルギー管理士」と呼ばれる資格の需要が増えています。この資格を手にするには試験を受けなければいけませんが、条件の敷居が低く、誰でも受験できます。今回は気になるエネルギー管理士の資格の手に入れ方から勉強の仕方まで余すことなく紹介します。

エネルギー管理士試験の難易度はどれくらい?

この記事を見ているということは、エネルギー管理士に興味がある人か、すでに試験の勉強を始めている人なのでしょう。

エネルギー管理士とは「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」、略して「省エネ法」に定められている資格で、ある一定以上のエネルギーを使用する工場に管理士の配置義務があります。今回はそのエネルギー管理士になるための「エネルギー管理士試験」の概要から難易度まで丁寧に解説します。

エネルギー管理士とは

熱 電気管理士資格

エネルギー管理士とは以前までは「熱管理士」と「電気管理士」に分かれていた職業を一本化した資格のことを指します。試験では「熱管理士課目」と「電気管理士課目」の二つに分かれていて、この資格を獲得することにより、法律上では「熱管理」と「電気管理」の両方ができるようになります。しかし一般的には選択した分野の方の管理が任されることが多いようです。

合理化や省エネルギー化の専門家

エネルギー管理士が導入されるようになった背景には日本という国が資源に乏しいことが挙げられます。そのため、限りある資源を有効利用し、省エネルギーを実現するために政府はこの資格を設置しました。

エネルギー管理士の配置が義務付けられている工場は「第一種エネルギー管理指定工場」です。具体的には「熱(燃料など)電気を合わせた年間使用量が原油で換算して3000kl以上の工場」のことを指します。

この中の特に「製造業」「鉱業」「電気供給業」「ガス供給業」「熱供給業」の5つの業種はエネルギーの使用量によってエネルギー管理の資格免状を持っているエネルギー管理者を一人から四人選任しなければなしません。上記の5業種以外に関してはエネルギー管理員を選ばなければなりません。

エネルギー管理士の資格を持っていると、個人差がありますが、就職に有利で、多くの求人を見かけることができます。さらに給料や昇格、転職に関しても優遇されることが多いと言われています。

仕事内容

エネルギー管理士の基本的な仕事内容は「エネルギー管理」と書いてある通り、エネルギーが正しく使われているかを見たり、エネルギー使用の設備や改善、監査をしたりするのが主になります。場所により仕事の内容は若干変わってきますが、特に上で挙げた5業種に関しては「エネルギー管理者」を配置する義務があるので、より責任感のある仕事になる傾向があります。

エネルギー管理士の資格概要と難易度

試験を受けなくても資格が取れる場合も

エネルギー管理士の試験を受けてから資格を手にするのが一般的ですが、試験を受けなくても資格が取れる場合もあります。ただし、そのためにはある条件と「認定研修」を受ける必要があります。

認定研修を受けられる人は研修の申し込み時点で「エネルギー使用合理化に関する実務経験が3年以上の人」です。実務経験を証明するために「実務従事証明書(実務経験証明書)」を提出する必要があります。認定研修は毎年12月に行われ、試験を修了する必要があります。その後、経済産業大臣に申請を行うことによって免状が交付される仕組みになっています。

年一回8月に試験がある

エネルギー管理士試験は「年一回、8月」にしか行われません。そのため、不合格だった場合、翌年まで試験を受けることはできません。

しかし、受験資格の敷居は低く、申し込みに当たって特別な制限はありません。試験費用を納付するだけで試験を受けることができます。試験費用は平成28年度(2016年度)の場合、「17000円(非課税)」となっています。問題の形式はマークシート方式の筆記試験です。

試験日は平成28年度の場合8月7日で、願書申し込み期間は受験願書による方法だと平成28年5月10日(火)から6月14日(火)までで、消印が有効になっています。インターネットの場合は平成28年5月10日(火)から6月13日(月)までに仮申し込みをして、6月14日(火)までに受験料を申し込む必要があります。

試験は難しいため特別な措置として「合格科目試験免除制度」というシステムが採用されています。これは試験科目1から4まである中のある科目が合格したが、その他の科目が不合格で結果として不合格になった場合、合格した部分の科目を三年以内であったら免除できるというものです。

エネルギー総合管理及び法規

「科目1」である「エネルギー総合管理及び法規」は熱分野、電気分野問わず必須試験科目になります。ここではエネルギーの使用の合理化などに関する法律および法令に関する問題とエネルギーの総合管理に関する情勢や政策、概論、基礎知識について問われます。時間は80分です。

「科目1」と書かれてあるため、一番初めに行われるものだと考えている人もいるかと思いますが、この試験は平成28年度では全体の一番最後に行われます。朝から夕方まで試験が行われるため、最後の部分で集中力が切れないようにしましょう。

熱管理士課目

熱管理士科目では「科目2」の「熱と流体の流れの基礎」、「科目3」の「燃料と燃焼」、「科目4」の「熱利用設備及びその管理」が午前から午後にかけて行われます。時間は科目2が110分、科目3が80分、科目4が110分で、平成28年度では科目3、科目4、科目2という順番で行われます。

細かく見ていくと科目2では「熱力学の基礎、流体工学の基礎、伝熱工学の基礎」についての問題、科目3では「燃料及び燃焼管理、燃焼計算」についての問題、科目4では「計測及び制御、熱利用設備」についての問題が出されます。

電気管理士課目

熱管理士科目では「科目2」の「電気の基礎」、「科目3」の「電気設備及び機器」、「科目4」の「電力応用」が午前から午後にかけて行われます。時間は科目2が110分、科目3が80分、科目4が110分で、平成28年度では科目2、科目3、科目4という順番で行われます。

細かく見ていくと科目2では「電気及び電子理論、自動制御及び情報処理、電気計測」についての問題、科目3では「工場配電、電気機器」についての問題、科目4では「電動力応用」が必ず出され、「電気加熱、電気化学、照明、空気調和」については四つの中から二つ選んで回答します。

合格点数

各課目の合格点数は「合格基準満点中60%の得点率」です。これを上回っていた場合、その課目が合格になり、仮に全体で不合格になったとしても三年以内であればその課目を免除することができます。全体で合格するには全ての課目で「合格基準満点中60%の得点率」を満たしていなければなりません。ちなみに4課目合格率は全体の10%だと言われています。

電気管理士課目は電験2種と3種の間の難易度

「電験」とは「電気主任技術者試験」の略称です。この資格を取ることによって様々な場所での電気設備の保安監督として従事できるとされています。試験は「1種」「2種」「3種」に分かれていて、種類によって扱えるものが変わってきます。

電験の3種は一次試験のみ、2種は一次試験と二次試験があり、一次試験では「理論、電力、機械、法規」について、二次試験では「電力・管理と機械・制御」について問われます。しかし、エネルギー管理士試験と試験範囲が共通するところが多いと言われていて、別名「電験2.5種」とも呼ばれています。

合格率

合格率は合格課目試験免除制度があるため、一概には出すことができませんが、参考までにデータを挙げると平成27年度(2015年度)の電気・熱合算の合格率は「23.3%」、平成26年度は「21.5%」、平成25年度は「27.9%」でした。合格率は年度によって多少の違いがありますが、平均20%~30%程度を考えると分かりやすいと思います。

エネルギー管理士試験の効果的な勉強方法

電験3種の勉強をする

「電験2種と3種の間の難易度」の記事で紹介しましたが、エネルギー管理士の電気分野に関しては「電験2.5種」とも言われている通り、電験の勉強をすることによって基本的な知識を身につけることができます。ただし、電験3種の参考書だけだとカバーできない範囲、たとえば課目2に関してはラプラス変換や微分積分が必要なので気をつけてください。

さらに電験の参考書で勉強することのメリットとして、電験はエネルギー管理士に比べ歴史があり、様々な良質な参考書が揃っていることが挙げられます。参考までに対策本として有名なものは「電験3種完全攻略(オーム社)」です。

エネルギー管理士用の参考書で勉強したいという人には「エネルギー管理士試験 電気分野徹底研究(オーム社)」がおすすめです。両者ともアマゾンや近くの本屋で気軽に購入することができます。

エネルギー管理士試験(電気分野)徹底研究(改訂2版)

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数学の勉強をする

一からエネルギー管理士試験の勉強を始めようとすると分からないことだらけで混乱することが多いかもしれません。特に長い間数学から離れていた人は数学の復習から始めるのが得策です。

王道としては「高校の数学のテキストを使って復習すること」と「電験の数学解説書を購入して勉強すること」が挙げられます。前者に関してはご自身の数学の教科書を物置から引っ張り出せばいいため、特に参考書は明示しません。後者に関しては「いちばんよくわかる電験第2種数学入門帖(電気書院)」がおすすめです。

いちばんよくわかる 電験2種数学入門帖 改訂3版

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エネルギー管理士の過去問を参考にする

上の方法である程度エネルギー管理士についての知識が付いてきたら過去問を解くのをおすすめします。実際の問題形式に触れることによってどのように問題が出されるかを理解することで、正答率が上昇します。

おすすめの問題集として、「エネルギー管理士[電気分野]模範解答集平成28年版(電気書院)」や「エネルギー管理士[熱分野]模範解答集平成28年版(電気書院)」があります。

平均勉強時間にはバラつきがある

平均勉強時間は明記されていないため、様々なブログの体験記などから分析してみると、平均勉強時間は「高校の時に理系だったか文系だったか」で大きく左右されます。たとえば数学の知識がある人は3ヶ月や5ヶ月程度で合格できる人もいれば、微分積分の勉強に戸惑って1年や3年かかったという人もいます。

エネルギー管理士の実務経験について

実務従事期間

3年以上の「エネルギーの使用の合理化に関する実務経験」が必要となります。エネルギー使用の合理化に関する実務従事期間を通算して3年以上あれば問題ありません。二つの職場の場合は、証明書はそれぞれの職場ごとに作成する必要があるため、計2通必要です。

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